ライティングを学びたい人へ
先日、Webの専門学校時代の同期にライティングを学びたいんですけど、どうしたら?
という相談を受けました。
うん、相談する相手間違ってない。その時点で正解!と思いました。
私はライター一本で生計を立てている訳ではないので専業ライターではないですが、20代の時にスポーツライターを志してから早20年。幾つかの職種と兼務しながらライターとしての看板は下ろしていません。
今もなおライターでいるのです。
ライティングのスタイルは私の中で大きく2つに分類されると考えています。
1.テクニカルライティング
2.王道ライティング
1のテクニカルライティングは、Web媒体を中心として分かりやすい文章の書き方を学び、問題解決や疑問の解決そして何が起きているのかというようなレポート的な文章のことを意味します。
ある程度のレクチャーで書けるようになります。単価は低いですが、ギャラも発生します。
片や、2の王道ライティングのトップはベストセラー小説家やノンフィクション作家であり、それに続き雑誌の連載記事、新聞投稿、書籍執筆、大手Webメディアでの執筆や寄稿となり、億単位で稼ぐ作家さんから数百万円、数千万円を物書きで稼ぐ人たちのことを含みます。
王道ライティングの特徴は、評価も受けていて、読者が心を動かされる力を持っている点です。その理由は基礎力があり構成力があり、独自の文体があり専門知識や斬新な視点があることが挙げられます。ただそれらは時間をかけてみにつけたり、独自の才能が必要な領域になっています。
ですので、1と2の違いは、ライター業の初期としての住み分けとして、テクニカルの方が稼げる、王道は稼げるまでが大変、となります。
もちろんどちらも沢山稼ぐには狭き門ながら、テクニカルライティングの方は書く場所がどんどん広がっており、副業や初心者ライターでも頑張り次第で年収数百万は稼げるようになっています。
さて、ライティングについて語る私の肩書きは、
コピーライター、ゴーストライター、ルポライター、シナリオライター、SEOライターです。
紙媒体でも書籍でもWebコンテンツでもWebメディアでもブログでも割となんでも器用にこなせるタイプです。
その理由は、これまでのキャリアが影響しています。簡単に言うと、ジャーナリスト専門学校(社会人講座)にて文章の基礎を学び、印刷会社でカタログやリーフレットのデザインをしながら本文やコピーを書くようになりました。
そのあたりから少しづつ取材して文章を書く機会が増えて、自分でもSNSやブログで書くようになり、Web系へ転職し、ITベンチャーのSEOコンテンツを書きまくりました。
そのあとWeb制作をするようになりSEOの知識やテクニックを深めます。
独立してからは、個人の自伝を書いたり、Webのコンテンツやインタビュー記事を書き、絵本のシナリオや動画のシナリオまで手がけるようになりました。
もちろんコピーライティングも定期的に書いてますし、企業理念やコンセプトの立案という仕事もしています。
このような経緯から、体裁や校閲の厳しい紙媒体の堅い文章も書きますし、Web媒体にて読みやすく軽い文章や、専門的なノウハウ的な文章や
SEO効果を高めた文章までなんでもござれとなってしまいました。それは幅が広がっていいね、となるのですが前段で書いた「テクニカル」か「王道」かでいうとやはり「テクニカル」に移行してきているのは明白です。
「テクニカル」でいくか「王道」を目指すかはそれぞれの気持ちや資質に合わせて考えていっていただければと思います。
ライティングを学ぶには(稲石の所感)
【養成講座系】
1. コピーライター養成講座
2. フリーライター養成講座
3. Webライティング講座
4. 編集者養成講座
1.コピーライター養成講座
株式会社宣伝会議が運営する、数ヶ月の期間限定の講座で業界有名講師が教えてくれ、実践度の高い授業内容。
受講生にはプロや業界関係者、本気度の高い学生などもいるため、真面目に取り組みたい人には向いていると思います。
少し高い印象ですが費用対効果はそれぞれのモチベーションによるかと思います。
2.フリーライター養成講座
最近はあまりフリーライター養成講座というのを見かけなくなりましたが、Webライティング全盛の時代だからかWeb媒体へ活路を見出す人もいるのではないでしょうか。
3.Webライティング講座
最近大小に関わらず、Webライティングを学べる講座やサイトが増えてきました。いいことだと思います。書ける場所が増えてきたことと、書いたり調べたり情報発信をしたい人が増えてきた兆候ですし、またその記事を求めている人が倍増しているとも言えます。Webの発展とともに広がった可能性だと思います。
4.編集者養成講座
こちらも宣伝会議の編集ライター講座や日本エディタースクールなどで今でもある講座だと思います。Webタイターよりも編集に関して専門的な内容だと思いますので、単純に書くことだけの内容ではありません。構成や編集ソフトの実習なども考えられます。将来的に編集プロダクションやWebメディア編集を目指す人がスキルを学ぶために行くイメージです。
【Web利用系】
1. ネットでのライティング講座・スクール
2. 個人ブログで書いていて、その実績を持ってWebメディア会社に就職
3. とにかくある日に「私書ける」と思って活動スタート、ランサーズデビュー
4. 何かのライティング講座に参加し、楽しさを原動力にライターと名乗りWeb媒体を軸にスタート
1.ネットでのライティング講座・スクール
スクーなどで行われています。Web業界やWebメディアで活躍されている若い講師が教えてくれます。基本的に楽しげなのでストレスなく学べると思います。
2.個人ブログで書いていて、その実績を持ってWebメディア会社に就職
会社の知名度や大きさを問わなければ、割と文字量を書ければ道は開かれています。大事な点は、ポイントを押さえていることと、文章に破綻がないこと、タイピングが早いこと、短い時間にたくさん文字を書けること、などの資質がいると思います。
3.とにかくある日に「私書ける」と思って活動スタート、ランサーズデビュー
こちらは割と最近増えています。副業を考えている人、転職を考えている人、気楽に考えている人から本気で考えている人までいますが、どのようなきっかけであってもその行動に価値があります。今は好きを仕事にできる時代になってきています。とにかく続けてみましょう。
4.何かのライティング講座に参加し、楽しさを原動力にライターと名乗りWeb媒体を軸にスタート
こちらも基本的にはこれまで書いたパターンの組み合わせ型ですが、とにかく何かのきっかけで楽しくなったのでしょう。
楽しいことはすべてにおいて必須の要素なので、勢いそのまま書き続け、次のアクションを起こしてみましょう。意外と何とかなります。
【専門学校・4年制大学・短大系】
大学を卒業してから、大手出版社を受ける道はかつての王道でしたが、募集人数に比べて応募者が殺到するので、そもそも入り口から挫折してしまいます。
4年制大学や短大や専門学校を出てから、大手出版社は無理でも編集プロダクションやWebメディア運営会社に入る道もあります。
大卒の資格を持ってファーストスタートできるチャンスは限られているので、まずはそこから業界を知るのも手ではあります。
短大や専門学校卒以降のキャリアについては、今回の相談者の内容と合わないので今回は取り扱いません。
備考
【生涯の仕事としてライティングに取り組みたい人の王道】
1. 小説やノンフィクションの新人賞やローカル小説賞の獲得から華々しくスタート
2. 出版社や新聞社、編集プロダクション、Webメディアでの編集・ライター
だいたいこのぐらいの分類になるかと思います。もっと詳しくライターになるには、とかライターへの道のりという検索で色々出てくると思いますので、もっと詳しく知りたい人はググってみてください。
結論を言うと、どの道を進んでも続ける人は続けるし、辞める人は辞めます。
私は他にデザインやWeb制作をしながらライター業を細々と続けています。仕事以上にライフワークの要素も強いと思います。だから続いているとも言えます。
才能の壁にぶち当たって辞める人が多いですが、プロの小説家やノンフィクションライター以外は諦めずに続けることでライターの仕事は続けられますし、依頼も増えてきます。続けるための要因は、楽しんで書いているか。書くことや認められたことによる喜びを感じることができるか。書くことの好きや喜びを継続できるか。その辺りです。
人の心を動かせる文章が書けるか、感動させ泣かせることができるか、商品を買わせることができるか、そうなれるかは分かりませんが、続けることで得意分野が見つかり、評価をしてくれる人が出てきます。
コンテンツ市場主義の今なら、SEOのテクニックを身につけ、専門的な知識を多少持っていたらお金が稼げます。
ライターと書かれた名刺を持つことができます。
20年前に比べたら、Webという媒体ができたのでかなりライターとして書く場所が増えました。それこそ昨日まで書いたことのない人でもある程度レクチャーを受けたら書く場所はある時代なのです。
そこで私は何を伝えたいのか。
まずは、興味のある講座や教室やWebでの講習に参加してみることです。
それでお金になるとか、仕事の可能性が広がるとか、転職できるとかはひとまず考えずに。
文章を書くことそのものを、文章として書くために考えたり調べたり構成したりすることを、楽しんでください。
向いているとか、仕事として続けられるとか、感動させされるとか、才能があるとかないとか、考えずに。
ひたすら文章を読み、書いてください。そしてプロに見てもらったり、講習に参加している仲間に見てもらってください。
読み・書けば文章は上達します。さらにその上に行くには、気持ちや想いが入っているかが肝要です。
できることなら、コピーライター養成講座などの割と本気度が高く広告寄りの講座を受けつつ、Webやブログですぐにでも書ける喜びを感じられるような書き方を教えてくれる、Webスクールの両方を受けてみることです。
その理由は、自分の資質を見極める少し厳しい空間を体験しつつ、もっと気楽に好きなことを書く喜びを知れるようなWebでの空間を体験することが
文章を書くという体験や行為を豊かにすると思うからです。
誰にも書きたい気持ちを抑える権利はないのですから。
そして、楽しくてやりがいや充実感を感じられれば、もっと上達するように行動します。視点が変わりますし、努力します。
そのようにして少しづつ職業的ライターになっていくのではないかと思います。
最後はこの文章で終わります。
「文章は誰でも書けるけど、人の心を動かす文章はいつまでたっても難しい。」
※あくまで稲石の所感ですので、個人的に本気で目指したい方は自分で色々と調べて行動してみてください。