F1 2021 アブダビGPのSC中の周回遅れマシンの対応について個人的な解釈メモ
いろいろとレギュレーション解釈や解説記事などを見て自分なりにある程度納得がいくところまでになったのでメモ。
・レースディレクター、チーム間でレースフィニッシュについてはアンダーグリーンであることが望ましいと共通認識があった。
・コースマーシャルの対応が早く、さらにセーフティカーの運用を調整することでファイナルラップのアンダーグリーンを目指し達成できる見込みができた。
・本来なら周回遅れを先行させてからコントロールラインを跨いだ翌周にレース再開となるが、レース残り周回が短いことから一度は周回遅れを先行させることを諦め隊列通りの再開を目指した。
→56周目 レースコントロールメッセージ「LAPPED CARS WILL NOT BE ALLOWED TO OVERTAKE」
・しかし、ハミルトンとフェルスタッペンの間にいた5台のマシンはハミルトンから周回遅れにされたとは言え5台で順位を争っていたわけで、それがトップ争いの支障になり得るのは想像に容易い。(SC中とは言えフェルスタッペンが追いついたことでブルーフラッグの対象になることもあり)レースの優先度はハミルトン・フェルスタッペンの方が上である。
・それを踏まえて、この5台のみ別シーケンスでレースさせるためにSCから先行させた。
→57周目 レースコントロールメッセージ「LAPPED CARS 4 (NORRIS) – 14 – 31 – 16 – 5 TO OVERTAKE SAFETY CAR」
・フェルスタッペンにも周回遅れにされていたマシンについては、先の5台とレースする権利はこの時点では失われているため、SCから先行させる対象にならなかった。
・5台の周回遅れを先行させた時点で翌周はファイナルラップでありアンダーグリーンのフィニッシュには間に合わないため、先行させたその周回にセーフティカーを引っ込めることで、アンダーグリーンのファイナルラップを作り出した。
→57周目 レースコントロールメッセージ「SAFETY CAR IN THIS LAP」
状況からの個人的な解釈としてはこんなところ。
「周回遅れは先行させない」からの「5台のみ周回遅れを先行させた」ことと、その周でセーフティカーを引っ込めた部分が通常の運用と異なる部分であり、当初から違和感を感じていてレースコントロールが結果を動かしてしまったと感じた部分。
ただ、ドライバーズチャンピオンシップが決まる最終戦の残り数周の最終盤っていうギリギリの状況だったことが事態を極端に難しくしている気はするけど、整理してみると100%ではないがあの時点で出来る限りの裁定ではあったのかな、という気もする。
もちろん、ハミルトンやメルセデスチームからすれば(そもそも最終盤でのSCですら)溜まったものじゃないのは間違いないけれど、マイケル・マシが言うように「これはレースなのだ」と言うしかないのかもしれない。
とにもかくにも、今年のフェルスタッペンはチャンピオンに値する走りだったし、ホンダラストイヤーを有終の美で飾れたことは素晴らしい!
対するハミルトンも王者としての意地や貫禄を見せつけたし、現役のF1ドライバーの中でもこの2人はずば抜けているので来シーズンもかなり楽しみ。