手首を捻り上げられた日
あなたは思い出す利用者はいますか?
いろんな利用者の方と対面してきました。
そんな中で、今でもお覚えている利用者がいます。
それは暴言暴力のあった利用者。
めっちゃ心に刺さる言葉をつかってきたり、叩いてきたりしました。
結局その方は施設では対応できないということで一旦自宅に帰ったのですが、それからどうなったのかは知りません。
入所してすぐにそんなことになったので、もう施設ではてんやわんや。
私はひたすら利用者に「まあまあ落ち着いてください」とやんわりふんわりとするのみ。
今思うともっと何かできたんじゃないのかなあなんて思います。
けど思い浮かびません。
「まあまあ落ち着いて」なんて言葉が届くことなく、ひたすらに暴言暴力の嵐。
そんなとき!
とっさにかばった手をガシッと掴まれました。
爪を立てていてすごく痛い、と、同時にグルッと手首を捻り上げられました。
それまでは「まあまあ」と痛いのを我慢していたのですが、捻り上げられたのはとんでもない痛さで
「痛ーーーーーーーーーーーーーー!!!」
と声がでてしまい、それがスイッチとなり
「痛いわけ無いだろう!!!」とさらにひどくなり、椅子もけるようになりました。
そうこうしているうちに家族の迎えがあり、お帰りになられました。
家でもこのような状態で、困り果てた状態で、すがる思い出介護サービスを使ったのでしょう。
「ああ大丈夫かな、うまくいくかな」
と不安に思っていたでしょう。
電話がかかってきたときは
「ああやっぱりだめか」
と思ってしまわれたでしょう。
私の介護職としての力不足を痛感しました。
もっとできたことがあるんじゃないか、チームでなにかできたことはあるんじゃないか。
今でも思い出しますが、思い浮かびません。
とにかく私の、施設の力不足でした。
こんな家族をひとつで減らしたい、そんな思いで今も介護職を続けています。
病院や市町村など社会資源との連携。
困難な場合はどんどん活用していかないとですね。
全快といかなかった手首がたまに痛みます。
その度に思うことがあります。
みなさんもそんな経験ありませんか?
暴言暴力じゃなくても、大きな利用者の介助で腰をやってから今も響いているとか、メガネが吹っ飛んでちょっとフレームまがっているとか。
思い出す利用者って、いますよね。
たまにはこんな内容で。
おわりっ