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薬剤師&博士の私がまたおどろいた「やっぱり楽観的な人は寿命が長い」
久しぶりに、幸せに関する論文を紹介したいと思います。
2011年のScience誌に「Happy people live longer(幸せな人は長生き)」という論文が発表され、幸せと寿命の関係が示されております。
その後の追跡研究でも改めてこのことが裏付けられております。2019年に発表された2報の論文を紹介します。
論文の中身が気になる人は文末の要約を読んでいただくとして、まぁ米良的に一言でズバッと言うと
長生きしたけりゃ楽観的でいましょう!(わざわざ悲観的でいるのはやめましょう!)
なになに?楽観的でいるのは難しいって!?そんなことはありません。フランスの哲学者アランが「楽観は意思である」と言っています。米良もその通りだと思っていますし、また多くの学術研究からも楽観性は後天的に習得できると言われています。
Happiness is Choice! 楽観的でいるか、悲観的でいるか、選択するのはあなたです。どうせなら楽観的に生きて幸せを感じて長生きしたいですね。
お幸せに!
論文要約
Optimism is associated with exceptional longevity in 2 epidemiologic cohorts of men and women
著者名:Lee LO, James P, Zevon ES, Kim ES, Trudel-Fitzgerald C, et al.
雑誌名:Proceedings of the National Academy of Sciences, 2019. 116(37);18357-18362;
要約:米国で行われた合計6万9744人の女性(58~86歳)と1429人の男性(41~90歳)を10~30年追跡した研究を解析。楽観性のレベルで4群に分けた最高群は最低群に比べて寿命が女性で14.9%、男性で10.9%長く、85歳以上まで生きる。確率が女性で1.5倍、男性は1.7倍だった。なお楽観性は、多くが社会的要因により後天的に形成されたものであり、学習によって強化が可能であることを別の実験が示していると研究チームは述べている。
Association of Optimism With Cardiovascular Events and All-Cause Mortality: A Systematic Review and Meta-analysis
著者名:Rozanski A, Bavishi C, Kubzansky LD, Cohen R
雑誌名:JAMA Netw Open. 2019;2(9):e1912200.
要約:楽観性・悲観性と心血管疾患や総死亡率との関連を調査した15の研究、計229,391名分、平均13.8年追跡した。研究の文献レビュー及びメタ分析を実施した。その結果、楽観性レベルの高い人は心血管疾患リスクが35%低く、総死亡リスクが14%低かった。