黒鉄の魚影とは?
2023年4月14日に公開した『名探偵コナン』シリーズ第26作目の映画である魚影。現代の日本人ならば、何かしらのメディアでコナンという作品に触れたことがある人のほうが多いのではないのでしょうか。見たことはなくても、名前を聞いたことがあるという人も多いはず。
映画が公開するたびに話題に上がるコナン映画ですが、今作は23年6月現在で興行収入122億円、動員数860万人という異例の大ヒットを遂げています。ファンの間でも「歴代最高傑作」と絶賛の声が多く、「昔は見てたけど最近は見ていないなあ」という方や、「なんとなくしか知らないなあ」と言う方の中にも、今作が気になっている方は多いはず。
実は、私がこの記事を書きたいと考えたのは、私自身がコナン初心者だったからです。
コナンの知識は小学生時代で止まっていた私ですが、今回友人に誘われ久々にコナンという作品に触れました。
幼い頃に見たコナン映画は、1話完結型というか、とりあえず事件があって、展開があって、、、「コナンが実は工藤新一で、ヒロインは蘭姉ちゃん」位の知識があればそれなりに楽しめた印象でした。
しかし、コナンサーガ(とも呼べる)レベルのメディア展開を果たされた昨今、新作映画はコナン知識10/100くらいでも楽しめるのか?と疑問に思う方もいるはず。(実際に私はそうでした)
結論から言うと、今回の作品は、コナンの知識がある程度ないとキツいのではないかなと感じました。
特に、今回の映画でピックアップされる「灰原哀」ちゃんに関しては、当たり前ですが、今までのコナンくんとの関わりを知っていれば知っているほど映画の解像度も上がります。
一方で、例えば哀ちゃんの両親に関する情報なんかは、知らなくても映画鑑賞に全く問題はないですし、赤井さんや安室さんに関しては、(昨今の作品人気の影響を受けて当然のように出演しているわけですが)「お助けキャラ」程度の出演なので、表面上のプロフィールさえわかっていれば映画の解像度にそこまで影響は与えません。複雑な事情や設定まで知っている必要はないわけです。
他にも、最近の作品ではサブメイン級で関わってくる世良真澄ちゃんは登場がないので履修しなくてもよかったり、かと思えばアニメ版1077話〜のストーリーで明かされるRUMの正体は分かっている事が前提の演出があるので履修が中途半端だと思わぬネタバレになってしまったり、、、
何の知識を知っていれば映画がより楽しめるのか、逆にどんな要素のネタバレが含まれているのか、まずは登場キャラクタについての情報を次項にまとめましたので、もし「映画は見に行くけど、最近のコナンの情報は不安……」「映画を見たけど、それぞれのキャラがよくわからなかった」という方のご参考になれば幸いです。
また、今回のメインキャラクターである灰原哀ちゃんと、黒の組織の中でも活躍が多く特殊な動きをするベルモットに関しては、履修するのにおすすめのアニメ回を、さらに後の項目でまとめておきます。アニメ見る時間ないよ!という方のためにそれぞれの回の簡単な展開と、判明する情報などを「ネタバレ解説」と記載の下部で紹介します。コナン履修済みの方でも、軽くおさらいしたいなぁという方がいらっしゃいましたら、助けにもなれたら嬉しいです。
登場人物前知識
〇灰原哀
黒の組織から逃れ、コナン陣営に匿われている科学者です。みんな大体の事情は承知だと思いますが、彼女の情報が詳しくわかるストーリーは次項にまとめておきますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。特にコ哀要素が強い作品名の下には《コ哀聖地巡礼回》と記載しておきます!今回の映画でコ哀に目覚めた方も多いと存じますので、ぜひ参考にしてみてください。
コ哀回には、今回の映画中でも回想が挟まれるストーリーもございますので、未チェックのストーリーがあればぜひ鑑賞してみてください。知っていると、映画鑑賞中「あのシーンだ!」となれるはずです。
もし最低限の履修で済ませたい場合は、23年1月に公開されたTV総集編の『名探偵コナン 灰原哀物語〜黒鉄のミステリートレイン』がおすすめです。…が、所々重要な情報が抜けているので、より丁寧に灰原哀ちゃんが知りたい方は、コメントを是非チェックしてみてください。各話重要度や、見なくても最低これだけは知っておいてほしい!という情報のネタバレ解説も併せて記載しておきます。
〇RUM
アニメ779話からはじまる緋色シリーズで初めて名前が言及された黒の組織のナンバー2。警視庁関係者の黒田兵衛、コナンのクラスの副担任・若狭留美(うる星やつらのラムちゃんの声優さんが務めておられます)、毛利探偵事務所の隣の寿司屋の板前・脇田兼則の3人が怪しい動きを見せており、ラム候補とされていました。
初言及の約200話後からはじまる1077話「黒の組織の謀略」シリーズにて正体が判明します。今作の映画では、RUMの正体はわかっている事前提で、RUMとして本当の顔が思い切り出てまいりますので、先にアニメでRUM候補に関するあれこれの展開を追ってから映画を見たい!という方は注意です。
〇黒田兵衛
RUM候補の中でも、黒田兵衛は今回のメインとして序盤からガッツリ関わってきます。目暮警部や佐藤刑事、白鳥刑事は知っている方が多いと思いますが、最近のコナンを見ていない方からすると黒田さんに関しては「このヤクザ誰だ……?」ってなると思うので、顔と名前と立場と、この方がRUM候補だよってことだけでも知っておくかといいと思います。
コナンの正体(=新一)を知っている?……のかはわかりませんが、事件をよく解決している毛利小五郎ではなく、コナンこそが事件解決のキーマンであることを見抜いているらしく、やたらコナンを特別視しています。
〇赤井秀一
彼に関して予習しようとするとすごく大変なのですが、今作の映画では、いいところで助けてくれるだけなので、「凄腕のスナイパーで、FBIで、コナンの味方」程度把握していればOKです。安室徹とは複雑な因果で(語弊はありますが)犬猿の仲的な奴です。もし彼について詳しく知りたい場合は、491~504話の「赤と黒のクラッシュ」、779~783話の「緋色」シリーズは外せないストーリーです。
〇キール
組織の女構成員。彼女の情報ですが、冒頭の紹介セリフで思い切りネタバレされますので、万一キールに関して何も知らない方で、ちゃんと自分で見て知りたいよ!という方はアニメ425話「ブラックインパクト! 組織の手が届く瞬間」と、491~504話「赤と黒のクラッシュ」を必ず見ましょう。
〇安室徹
彼に関しては皆さんもうご存知のことと思いが、仮に知らない人がいたとしたら冒頭で思い切りネタバレされますので注意です。彼は毛利小五郎に弟子入りした私立探偵ですが、その正体は……
701~704話 「漆黒の特急」シリーズ、779~783話の緋色シリーズを確認しましょう
〇ベルモット
初期から登場する黒の組織の女幹部です。
敵、なのですが……
彼女の動きは特殊で、よく知っていないと行動原理がわかりづらいです。灰原哀ちゃんと同じく、彼女の設定がよくわかる回(と解説)は次項でまとめます。
履修オススメ回(重要度分け)
以下に、魚影鑑賞前に履修した方がより作品を楽しめる話をまとめておきます。 詳しく列挙するのは【灰原哀】に関連するストーリーの他、立ち回りが特殊で、行動原理を知っておくと理解が深まる【ベルモット】に関わる話だけにします。
※各話簡単なネタバレ解説も付けます。実際に鑑賞して履修したい人はその部分は読み飛ばしてください
☆☆ 128話 「黒の組織10億円強奪事件」
(2巻) [シーズン3-43話 1998年12月14日放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/53691.html]
灰原哀ちゃんは登場しませんが、灰原哀ちゃんに関連する最初で重要なストーリー。 ご存じの方も多いと思いますが、この話の登場人物「広田雅美」について知らないという方がいらっしゃいましたら、必ず履修しておいてください。どうしても時間がない方は、あらすじの文字情報と……できればラストの部分だけでも映像で!
最新話から900話以上前、25年前に放送されたストーリーですが、今作のような最新映画含め、重要な話ではいまだにこの話の回想が挿入されます。
灰原哀ちゃんにとって、人生のターニングポイントとなる回です。
☆☆☆ 129話 「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」
(18-19巻) [シーズン4-1話 1999年1月4日放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/30217.html]
[公式YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=RAtd-PsXeLk]
灰原哀ちゃんが初登場する回。
有名回ですが、予習するとしたら外せない回です。公式のYouTubeでも無料で公開(2023年6月現在)されています。
アポトキシン4869という名前も初めて登場します。
「灰原哀転入」
「事件①に巻き込まれる」
「帰り道で正体を明かされる」
「事件②に巻き込まれる」「ラスト」
というのが大まかな流れです。
スペシャル枠なので事件が2つ存在するのですが、もし履修するならば、間に挟まる「事件①」は黒の組織と関係ある?と思わせといて全く関係ないミスリードなので飛ばしてOKです。
ただ、平然と銃を発砲する哀ちゃんのシーン(38:45~)は割と衝撃的。ただの小学生ではない……異常だ……と思わせるインパクトの強いシーンですので、哀ちゃんのフリークであれば是非そのシーンだけでも見ておきたいですね。
「事件②」も飛ばしても構いませんが、被害者の名前が「広田正巳」(ヒロタマサミ)で、10億円事件の犯人と同音名である事や、その理由は知っておいた方がいいかも。
哀ちゃんの正体が確定し、ラストは初めて本心をコナンにぶつけると言う印象深いシーンがあります。
○ 130-131話 「競技場無差別殺人事件」
(19-20巻) [シーズン4-2話 1999年1月11日放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/36508.html]
††《コ哀聖地巡礼回》
哀ちゃんが年齢を語る初めてのシーンがございます。
事件自体は特に重要ではない為に本編の大部分は飛ばしても影響ありません。 ですが、哀ちゃん加入直後の回と言うこともあり、コナンと哀ちゃんの絡みが多めで、コ哀愛好家にとっては常識と呼べる名シーンがある他、物語全体に関わりそうなセリフが出てきます。
映画鑑賞には影響しませんが、哀ちゃんファンならチェックしておきたいストーリー。
具体的にどんなセリフがあるのか、再生時間とともに以下に紹介いたします。
○ 170-171話 「暗闇の中の死角」
(24巻) [シーズン4-42話 1999年10月18日放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/35001.html]
ストーリー自体の重要度は極めて低いのですが、この事件の結末を知っていないと、vsベルモット編の最終局面の一部会話が「???」となります。
哀ちゃんは関係ない話なので飛ばしてOKです。
見る必要はないと思いますが、座学として知っておいてもいいかも。ベルモット編の山場で一瞬???となるだけで進行不能になるほど重要な回でもないのですが……
☆☆☆☆☆ 176-178話 「黒の組織との再会」
(24巻) [シーズン5-3.4.5話 2000年1月17日放送〜]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/32771.html]
††《コ哀聖地巡礼回》
哀ちゃんの正体が組織にバレ、囚われてしまうという大変重要度の高いストーリーです。コナン&哀ちゃんの、組織との直接対決を描いています。
巻き込まれる事件そのものも、黒の組織が直接手を下す組織のための殺人事件なので、3話通してかなり本筋にかかわる豪華な回。
この後の重要回では高確率でこのストーリーから回想が挟まるのですが、重要度に反して説明はほとんどなく、履修していないと「これなんのシーンだ?」「どうしてこうなったんだ?」「どうやって切り抜けたんだ?」とモヤモヤする事になるかも。
この回では、新たな黒の組織のキャラクターが2人登場しますが、1人は最新話現在までガッツリ関わってくる重要なキャラクターで、もう1人も要所要所で名前が出てくるキャラクターなので、押さえておきたいポイント。
また、コナンが、「自分のメガネを哀ちゃんに貸してあげる」と言う、コ哀ではメッカとなる聖地巡礼シーンも存在しますので、この話は色々な意味で履修必須。
その他、アポトキシンに関する詳細な説明が(途中まで)聞けるのもこの回だけ。
☆☆☆230-231話 「謎めいた乗客」
(29巻) [シーズン6-12話 2001年4月16日~放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/32783.html]
††《コ哀聖地巡礼回》
哀ちゃんには「近くに組織がいると嗅ぎ分けられる」能力がある事が判明します。1話目の8分あたりでコナン君が哀ちゃんを嗅いでみるシーンが地味に笑えます。
事件自体はバスジャックの話であり、少年探偵団の活躍もちょっと見られるよ、と言う程度のストーリー。 バスの中に黒の組織の気配を感じ、終始哀ちゃんは怯えていて可哀想です。
今では大人気、赤井秀一の初登場回であり(こんな昔から登場してたんですね)、放送当時正体が分からなかった変装中のベルモットに関するヒント回、リード回でもあります。
ラストはコ哀民の爆心地であり伝説のシーンである「バス爆発シーン」があります。
コナンと哀ちゃんの関係性や、この後の哀ちゃんの価値観を決定づけるシーンでもあり、今後の哀ちゃんが関わる重要なシーンでは、いまだに度々この爆発シーンの回想が挿入されます。
是非ラストだけでも鑑賞していただきたい重要回。特にコ哀民は飛ばすことができない巡礼の聖地ですので、心して鑑賞してください。
〇279 -280話 「迷宮のフーリガン」
(34巻) [シーズン7 2002年5月27日~放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/32249.html]
[公式YouTube(前編):https://www.youtube.com/watch?v=OVGh69n_wIk]
[公式YouTube(後編):https://www.youtube.com/watch?v=22y3b0ulAQ8]
††《コ哀聖地巡礼回》
事件自体はあまり重要ではありませんが、ラストにて、哀ちゃんが皆に迷惑をかけないように一人で遠くへ行ってしまったと勘違いするコナン君が見られます。
この際のやりとりは、コ哀勢ならふふっと顔が綻ぶ有名なシーンです。
〇312-313話 「夕日に染まった雛人形」
(38巻) [シーズン8-8 2003年3月3日~放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/41537.html]
重要度は低レベルで、映画鑑賞には響きませんが、事件発生前、雛人形に関する会話で、たった数分ですが哀ちゃんから家族についての情報が語られます。映画で明かされる設定に繋がる情報の初出でもあるので、哀ちゃんフリークなら是非チェックしておきたい情報ですね。
☆329-330話 「お金で買えない友情」
(39巻) [シーズン8-26話 2003年7月28日~放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/32215.html]
☨《哀あゆ聖地巡礼回》
同じく重要度は低く、見なくても影響は無いのですが、冒頭で哀ちゃんのお母さんについての情報が出てきますので、哀ちゃんフリークならチェックしておきたい回です。
また、あゆみちゃんが「灰原さん」呼びから「哀ちゃん」呼びに切り替えたいがためにもじもじするという、いじらしい姿が見られる人気回ですので、哀あゆの絡みが好きな方は冒頭と2話目のラストは必見です。
その他、「友情」がテーマとなっているという事で、直接は登場しないものの蘭の友情観が伺えます。
事件関係者達の友情観に対して言葉足らずながらも声を上げるあゆみちゃんをフォローする様に哀ちゃんが続けるセリフは印象深い名言です。
余裕があれば見てみてもいいかも。
〇335-336話 「東都現像所の秘密」
(41巻) [2003年9月8日~放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/53785.html]
††《コ哀聖地巡礼回》
例によって重要度は低く、見なくても映画鑑賞には影響は無いのですが、コ哀には外せないニヤニヤポイントが…
☆☆340-341話 「トイレに隠した秘密」
(41-42巻) [シーズン8-37話2003年11月3日~放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/48025.html]
かくかくしかじかあり、宮野明美さんが死ぬ前に、灰原父の友人のデザイン事務所を訪れ、トイレに何かを隠していたことが判明します。
組織に見つからない様にわざわざ隠したという事で、コナン陣営は、それが組織にかかわる重要なアイテムなのではないかと勘繰りますが、果たしてそのアイテムとは…
このアイテムは重要な役割を果たしており、今後も登場するかもしれないので、トイレに何を隠したのか、という部分だけでも履修しておくことをお勧めします。
また、トイレでアイテムを捜索する為にコナン君と哀ちゃんが一緒にトイレに入り、デザイン事務所のメンバーに引かれるシーンがあり、ちょっと笑えます(笑)
☆☆ 286-288話 工藤新一NYの事件
(34-35巻)[シーズン7-25話 2002年7月22~日放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/31181.html]
灰原哀ちゃんには関係ないストーリーですが、映画でのもう一人の重要人物「ベルモット」を知る上では決して外せない最重要ストーリーです。
冒頭は前話の中華店の殺人事件後から始まるのですが、この事件は特に本筋には関わらないので見なくてもOKです。
この話までに、「蘭は赤井秀一に見覚えがあるのだけどどこで会ったのか思い出せない」と言う流れがあったのだけ知っていればOKです。
このタイミングで、蘭が赤井秀一に会った過去にまつわる事件を思い出す、というのが今回の流れです。
この話では、新一と蘭がNYに遊びに行き、母工藤有希子と一緒にゴールデンアップルというお芝居を見に行った時の事件のお話です。
劇場前で出会うキャラクター「シャロン・ヴィンヤード」は有希子ママの役者時代の大親友であり、黒の組織の幹部ベルモットことクリス・ヴィンヤードの母です。
クリスヴィンヤードが黒の組織だと判明した際、コナンは微妙な反応を見せますが、それは母の親友の娘が黒の組織だった事実に思うところがあった為だと思われます。
また、事件解決後もストーリーは少し続き、蘭がある事件に巻き込まれます。ここから先の展開は、この話を見ただけだと、ふーん……で終わってしまうのですが、実は「ベルモット」と言うキャラクターを理解するための核となる最重要ストーリーですので、鑑賞後はどう言う事だったのか調べる事をおすすめします。
後のミステリートレイン編での、ベルモットととある人物の会話は、この辺りの設定を知っておくとグッと理解度が深まります。
☆☆☆345話 「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」
(42巻) [シーズン9-1話 2004年1月5日~放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/32902.html]
スペシャル枠で放送された2時間回。
これまで誰が味方で誰が敵なのかわからなかった「ジョディ先生」「新出先生」「赤井秀一」の正体が一気に判明し、ラストはベルモットとコナンが直接対決をする激アツ回です。
哀ちゃんに関する新情報は登場しませんが、蘭と哀ちゃんの関係を決定づける名シーン(と個人的に思っている)がありますので、ラスト付近は必見かも。
一方で、ベルモットの情報が知りたいなら重要度はそこそこ高め。最終的にメイン、サブメインの様々なキャラクターが活躍するので、そういう意味でも豪華な回。
○ 346-347話 「お尻のマークを探せ」
(42-43巻) [シーズン9-2話〜 2004年1月19日放送]
†《哀あゆ巡礼回》
直前の放送回「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」の後日談に当たる話。
あゆみちゃんが犯人の顔を目撃し、元太くんのお尻についたマークが犯人特定の鍵になるという少年探偵団回。
事件自体は重要ではないのですが、二元ミステリーの事件を受けて、FBIが哀ちゃんへ提案した「証人保護プログラム」への返答がこの回で行われます。
簡単にいうと、哀ちゃんは、黒の組織の追及から逃れるために、戸籍や人生を丸ごと捨てて別人として生きるかどうか(もちろんコナンや探偵団とも疎遠になります)という選択を迫られており、哀ちゃんがその答えを出すきっかけがこの事件で語られます。
☆☆ 699-700話 「灰原の秘密に迫る影」
(77巻) [シーズン18-19話〜2013年6月8日~放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/35463.html]
話は飛んで9年後の放送回。
この間にも重要な話はあり、黒の組織との直接対決はあるのですが(ブラックインパクト、赤と黒のクラッシュ等)、基本的に哀ちゃんは組織の脅威から遠ざける、というスタンスが取られている為に対決回はコナンとの一騎打ちで、哀ちゃんは深く関わってきません。
サブキャラと哀ちゃんの関係性を匂わせる回や、細かいネタは多いのですが、哀ちゃんと黒の組織が直接大きく関わるのは続くミステリートレイン編からになります。
「灰原の秘密に迫る影」はミステリートレインの前日譚です。
事件自体は重要ではないのですが、鈴木財閥の関係で少年探偵団含むいつメンがベルツリー急行という列車のミステリーツアーに招待されだという話題が出てきます。
その招待状が指輪になっており、皆が指にはめているという事が後々ちょっとだけ重要になります。
それに関連して、最終面で起こったある事がきっかけで、ミステリートレイン編にて哀ちゃんが黒の組織に狙われることになるので、できればその情報だけでも履修しておきたい話。
☆☆☆☆☆701-704話 「漆黒の特急」
(78巻) [シーズン18-21話~ 2013年7月13日~放送]
[wiki:https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/30246.html]
※2023年1月6日公開、特別総集編映画『名探偵コナン 灰原哀物語〜黒鉄のミステリートレイン〜』でも履修可能
黒の組織との再会以来、灰原哀ちゃんが本格的に黒の組織に狙われる重要回。
サブマリン公開に向けて、劇場版総集編が公開されましたが、内容は85%がこちらのストーリーの総集編です。
尺の都合で誤差程度の細かいシーンがカットされていますが、劇場版は劇場版でリマスターされているため映像が奇麗だったり、アバンタイトルでのコナンの「体は子供~」の決め台詞や語りが哀ちゃんの特別バージョンになっている為、銀幕版もそれなりに鑑賞価値はあります。
10年前の作品ではあるものの、組織における「灰原哀」の現在の立ち位置はこの回で確定しており、それ以降は大きな変化はございません。(コナン陣営が哀ちゃんを関わらせないようにしている為)
なので、この回までの哀ちゃんの立ち位置さえ理解していれば、サブマリンがそのまま続きとして見られます。 逆にいうと、そのレベルで重要な回ですので、ミステリートレイン編で哀ちゃんvs黒の組織がどういう方向性で終わるのかはサブマリン映画鑑賞前にチェック必須です。
以上がサブマリンに至る時点までの、組織内での、哀ちゃんの立ち位置です。
ここまで知っていれば、サブマリンにおいても、ちょっとした発言や、回想シーン含めて楽しめるかと思います
余談ですが
★漆黒の追跡者
★純黒の悪夢
こちらの2作品は、劇場版の過去作品です
黒の組織が大々的に映画に出演する点、タイトルに「黒」が入っている点が共通点です
特にストーリーとして繋がりが強いというわけでもないので鑑賞する必要はございませんが、過去2作品で登場した映画オリジナル黒の組織メンバーの名前と顔が会話の中で登場いたしますので、見ておくとそのネタも拾えるかも、程度では関係します。時間があれば鑑賞してみてください