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「利他の心」が経営者の夢を叶える

勝田です。
先月末に発売された月刊「企業診断」で柴田章吾さんへのインタビュー記事を執筆しました。(↓のHPで冒頭部分のみ試し読みできます)

内容は是非読んでいただきたいですが、柴田さんは年齢も近く、同郷(三重県出身)で共通の知人もいたことが当日分かったくらい同じ環境で生まれ育ってきた中で、さまざまな苦難や挑戦をされてきたエピソードを聞きながら、「利他の心」を持った時に夢が叶い始めるのかなと改めて思ったので、そんな話を書きたいと思います。

■柴田さんの苦難と挑戦

柴田章吾さんの経歴は今回の記事だけでなくいろいろな所で紹介されていますが、改めてご紹介しますと、

・小学生時代に野球をはじめ、全国制覇を果たし、中学でも日本代表に選出
・中学3年時に国指定の難病「ベーチェット病」を発症し、日常生活もままならなくなるも、監督からの支援もあり甲子園出場を目指し高校野球の名門校に入学
・病気と闘いながら高校3年時に夏の甲子園に投手として出場
・プロを目指し、大学を経て読売ジャイアンツに育成選手として入団
・3年で引退後、球団職員を経て外資系コンサルティングファームに転職
・その後独立しコンサルティング・コンサルタントのマッチング等を行う会社を設立
・事業と並行してアジアへの野球振興を目指し、「アジア甲子園」大会の設立(今年12月に第1回大会開催予定)やフィリピンのスラム街での野球を通じた進学支援など取組中

という幾多の困難を乗り越えて道を切り開いてきた柴田さんですが、お話しさせて頂いた中で特に印象的だったのが、自分自身を超えて、周囲や後に続く人のために、という方向での「利他的」な夢や目標がこれらの活動を支えてきたということでした。

■「利他的な大志」が夢を近づける

「病気と闘う姿を多くの人に知ってもらい、同じ病気に苦しむ人の励みになるようにプロ野球選手になる」
「セカンドキャリアを迎える、後に続くアスリートたちのために、誰もが知っている会社に入る、何があっても続ける」
「自分を育ててくれた野球に恩返しをするため野球振興に取り組む」
「アジアの子ども達が野球を通じて目標をもって過ごせるように『アジア甲子園』をはじめ、定着させる」

最初は「病気に負けずに甲子園に出る」というように自分自身の為に取り組んでいたことも、徐々にその目標が自分の外側にベクトルが向いていくこと、すなわち「利他的」であることで、自分の持っている以上の力が発揮できると同時に、周りからの応援も受けられ、より社会に大きなインパクトを与える自己実現につながっているのかなと柴田さんのお話を聞いて感じました。
最近改めて読んだ「リーダーシップの旅」(光文社新書)でも、利他的であることと自己実現について以下の通り書かれていました。

私たちが本当の本当に何かをやりたいと思う時、周囲の人は協力を惜しまない。そして協力を得た時、私たちの中には心境の変化が起きる。自分が前へと突き進めるのは、ついてきてくれる人たち、サポートしてくれる人たちのおかげだという気持ちがわく。自分が先頭に立つから人がついてくれるのではなく、人が後押ししてくれるから自分が先頭に立てる、やっていける。自分が他人を支えているのではなく、他人が自分を支えてくれている。己と他の境界線は融解し、利己と利他は混然一体となる。これこそ「自分の夢がみんなの夢になる」ということなのではないだろうか。

野田 智義 , 金井 壽宏「リーダーシップの旅~見えないものを見る~」(光文社新書)より抜粋

柴田さんも現在取り組んでいる「アジア甲子園」について、一人では成し遂げられない大きなプロジェクトなので、多くの方に助けてもらっている、その苦労を共にしてきた方々と喜び合いたい、と仰っていました。まさに「利他の心」で夢を叶えている最中だと思います。

■経営者の「利他的な大志」を見つけて支援する

自分が自分だけの為でなく誰かのためという方向に夢や目標をもって、夢中になってそこに向かって取り組む。そうすることで周囲も応援したい、一緒に夢を見たいと思わせる。そして多くの人を巻き込んで大きな夢を叶えていく。
理想論かもしれませんが、経営者にはこういった「利他的な大志」が必要なのかなと感じたインタビューでした。
経営者が持っていても言語化・具体化できていない「利他的な大志」が何かを対話の中で見つけ出し、その実現に向けて支援を行っていく、そんな中小企業診断士としての活動が今後できればいいですね。
私自身も仕事やプライベートでお世話になってきた中小企業経営者の方がそんな「利他的な大志」を叶えられるために自分に出来ることをする、という利他的な気持ちを大事にして取り組んでいきたいと思います。

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