食文化は宝物
岡山が誇る和菓子であり、お土産の一つとしても親しまれてきた「きび田楽」。
その製造元である金萬堂本舗さんが、2025年1月末を以て、廃棄する事が明らかになった。
このニュースが伝わった直後、お土産店等で、物凄い反響があったと見聞きした。
今日、岡山駅近辺に立ち寄る機会があり、最後の思い出作りを兼ねて、さんすて岡山へ足を運んだ。
コーナーに立ち寄ったところ、担当者の女性から、「並んでいただく事になりますが、買えない可能性もありますので、御理解ください。」と伝えられ、覚悟しながら列の最後方へ向かった。
並びの列に、5分程待っていただろうか。
「箱型が売り切れてしまい申し訳ございません。2袋までになりますが、宜しくお願いします。」と、お手頃タイプのきび田楽を、持ってこられたダンボールの中から取り出していくスタイルで購入した。
厳しい結果になる事は、覚悟の上だった。
でも、こんな幸せが待っていたのだ。
会計を待つまでの間、これほど心温まる時間はなかった。
食文化は、地域の文化でもある。
これまでの時間を振り返っていた。
いただく度に、感謝しながら味わってきた。
岡山県人の誇りを高めさせてくれた。
その思いを、忘れてはならないのだ。
語り継いでいきたい。胸張れる美味を。
でも、さよならは決して言いたくない。
夢を引き継ぐ方が手を上げて動いていく便りが、僕達に届く日を待ち続けていきたい。