「そろそろ家を取り壊すかもしれない」と言われました。

 約一年ぶりに実家に帰省しました。

 久しぶりかつやりたいことがあったので、大学・大学院在学中では最長の2週間くらいの帰省を決めました。修士二年の秋に、こんな悠長に帰省していいものかと葛藤、自問自答しましたが、悪魔の脳内ささやき「頑張ればどうにかなる」で奮い立ちました。修士研究ももちろん自分にとってすごく大事で、実家で過ごす時間もとても大事で、まちなかにくりだすことも輝くほど大事で、、。周りの目も気になりましたが、実家に帰ってきて、やはり帰省してよかったと思いました。

なぜか。
母親が心なしか小さくなっていて、一年の時間の重みを思いがけないところで感じてしまったからです。「頑張るしかない」。すべてを朗らかに全力で取り組めるような柔らかくしなやかな人になりたいと、到底かなわない理想も心の奥底で芽生えました。

余韻に浸りやすい実家。考えごとが研究室よりも視野広くできると発散して、手がなかなか動かない実家。
前置きが長くなりました。

今(急いで)やりたいことがあります。

それは「実家の記録を残したい」ということです。

 数年前から実家に帰るたびに、この家も古くなってきた、引っ越そうかなという言葉を聞くようになりました。祖父母が建てた家で、もう40年以上我が家族を包んできたと思われる家。お風呂場も、ひび割れが何本も走っていて、地震が来たらつぶれてしまうだろうと思わざるを得ないところもあります。

 もしかしたら、この帰省がこの家に長く居られる最後の時間かもしれないと、家の絵、部屋の絵を描こうと思い立ち、帰省前に少し絵を描く練習をしようと思いました(参考図書は、以前興味本位で購入していた2021年6月号『建築知識』~最高の建物と街を描く技術~)。でも家を描けるほどの画力がたったの数時間で身につくはずもなく(あまり時間も取れなかった…)。そして部屋も多く、割と広い家、、。強敵でした。途方に暮れています。この愛着ある家を、なくなってしまう前に、スマホの写真だけではなく何か他の方法で何とか記録に残したいと思っています。音とかにおいとか光とか壁の模様とか、無くなってしまうと思うと、もうすべてを残してしまいたいと愛おしくなります。

もし同じような経験をされていた方がいたら、どんな風にその愛着をかたちに残されたのでしょうか?
もしできなかった方がいたら、どんな風に残しておきたかったと思われますか?
その思い、よかったら聞かせてほしいです。
参考になる方のお話とかもあれば、ぜひ教えていただきたいです。

今しかできないことって、考えている以上にたくさんあるのかもしれないと思う、汗ばむ秋の昼下がりです。