【エッセイ】名の知れない鉄塔の美しさ
絵になるオシャレな塔の代表格。
東京タワーやエッフェル塔。
それらはブランド化されたオシャレな塔。
それらは鉄の骨組みがむき出しになった塔。
一方、
郊外に身近にある高圧線の鉄塔。
名の知れない鉄塔。
それらはある一定間隔で線でつながる塔。
それらも鉄の骨組みがむき出しになった塔である。
ふっと、
名の知れないその鉄塔の一つを見上げてみると、
“鉄の幾何学的な骨組み”に
“無数の平行に張り巡らされた高圧線”が
有線のつながりでうまく融合している。
「へぇー 悪くない。」
見事な造形美を醸し出しているではないか。
東京タワーやエッフェル塔では、
目には見えない電波とのつながりの為、
名の知れない鉄塔のような有線を介した
アナログ的な造形美は実現しえない。
まさか、名の知れない鉄塔を見上げて
自身の潜在意識に潜む
昭和のアナログ的な有線への
依怙贔屓(えこひいき)感を
自覚するとは思ってもいなかった。
まだ、
自宅の“有線”固定電話を解約する日は
遠くなりそうだ・・・。
by カツなう
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