【エッセイ】キャパシティ
「キタ------------!!」
と、
昔、某目薬のテレビコマーシャルで
織田裕二さんが叫んでいました。
世代によっては、リアルタイムでなく
“ものまね芸人”ネタでご存じの方も
いるのではないでしょうか。
私は、今でも目薬をさす時、
その残像がフッと浮かびます。
思わず「何がキタ---?」と
ツッコミたくなりますが、
織田裕二さんが目薬をさしたその瞬間の
インパクトが凄かったです!
そもそも
目薬をさす所作は無防備でカッコ悪いなぁと
常々、感じております。
人によっては・・・
“口をパッカ~ンと開けたり”
“片目を手でグイっと広げ、
あっかんべーとしたり”
“さす瞬間、思わず目を閉じたり”
“なぜか上に向きながらウインクしたり”
等々
でも、織田裕二さんは、
“爽快に”
“ワイルドに”
“タメも入れて”
“ティッシュで拭かずに”
“どや顔で”
「キタ------------!!」
とカッコよく決めていました。
仕事柄、パソコン画面とにらめっこをする
時間が長〜くなっている今日この頃。
集中時は、どうしても
まばたきをする間隔も長くなりがちです。
夕方頃、目がかすんできます・・・
あぁ~まさに、
目薬のパッケージに書いている
あのお約束のセールスコピー
“かすみ目やドライアイ、眼精疲労に!”
をキャッチする側の完全なペルソナです。
最近、
デスク上に目薬を置くようになりました。
仕事中に、
「アっ、まばたき減ってる~。」
となれば、すかさず、さします!
例のごとく、その瞬間毎に
織田裕二さんのあの爽やかな残像が
目に浮かびます。
目薬容器から
その一滴が落ちて
よし、
「キタ---!」待ちです。
瞳へその一滴がインです。
その瞳閉じる。
「エッ?!」
閉じた瞬間、
その一滴が瞳の外へと
けっこう溢れだします。
「うわっ、拭かないと拭かないと。」
「アッ、言うの忘れた。キター!って。」
あらら。という毎回の現実です。
残念です。
どうやら私の瞳のキャパシティ(容量)は
少ないようです。
その一滴を、
全部受け入れることが出来ないんです。
毎回、その一滴は“ツゥ---”と
半分ぐらいは流れています。
今まで自身の目のキャパシティなんて
意識もしなかったのですが・・・
目薬ワンプッシュのその一滴により、
以下のことが、あらためて自覚出来ました。
【瞳のキャパシティ】 一滴の1/2ぐらい。
すっ、少ないですね~案外。
by カツなう