見出し画像

僕はみんなを守るヒーローになるんだ!|益子焼ロボット誕生物語

みんな大好き益子焼ロボット!

その人気は日本に留まらず、海外の方からも「欲しい!送ってもらえないだろうか?」と問い合わせが来るほどです。

「可愛い❤️」
「守ってもらえる感じがする✨」
「つい話しかけちゃう❣️」
「癒される〜♨️」

と大人気のロボット。
どんな経緯で作られることになったのでしょう?

「創作物」と作り手の人柄は切っても切れない関係にあると思います。

ということで、今回は、大岡の人となりを深掘りして、ロボットが生まれた背景や人気の秘密に迫っていけたら、と思います。

さて、どうしましょう?「三つ子の魂百まで」と言いますから、まずはタイムマシンで大岡がちびっ子「かづぼー」だった頃にタイムトリップしてみたいと思います。

それでは、しゅっぱ〜〜〜〜つ!

アニメでしたらここで効果音が流れるところですが音符で代用です💦
音は皆さんのご想像でお願いします。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ここは練馬区大泉学園町、「かづぼー」が育ったお家です。

「かづぼー」は2、3歳というところでしょうか。今からは想像もつかないくらいちっちゃくて、歩き方もおぼつかない感じです。

おや?手に持っているのは何でしょう?ブリキのロボットですね。目をキラキラ輝かせてずーっと見ています。右から左から上から下から、右から左から・・・このままですとお話が進みませんので、少し時間を先に進めましょう。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪←効果音お願いします。

「かづぼー」6,7歳に成長していますね。かづぼーは一人っ子。いつも一人でお絵描きをしたり、工作をしたりしているようです。

何の絵を描いているのでしょう?
お、これは赤塚不二夫先生のニャロメですね。
すでに上手です。

今度は外に出て一人で体を動かし始めました。
何をしているのでしょう?

「ライダーキック!!!」

子供は心の声をそのまま発するのでわかりやすいですね。ライダーキックの練習ですね。仮面ライダーになりきっています。

かづぼーの遊びはすべて一人で完結。
想像力の豊かさが垣間見えます。

♪♪♪←ここは場面が変わるところなので短めの効果音でお願いします。

今度は何をしているのでしょう?

あ、これはロボコンの撮影現場ですね。
近所にロボコンが住んでいるお家(撮影場所)があったようですね。

ロボコン、ご存知ですか?
ご存知ない方のためにここで少し解説です。

『がんばれ!! ロボコン』は、1974年10月4日から1977年3月25日まで、NETテレビ(現・テレビ朝日)系列で毎週金曜19時30分から20時(JST)に全118話[注釈 1]が放送された、東映制作・石森章太郎原作の子供向け特撮テレビドラマ。

ロボット学校に通うG級ロボット・ロボコンは、常に失敗ばかりでガンツ先生に怒鳴られてばかり。しかし、それを乗り越えてA級ロボットに成長するための努力を惜しまない。そんなロボコンをはじめ、個性豊かなロボットたちが人間社会に派遣され、世のため人のために働きながら一人前のロボットに成長していく過程を描く。

ウィキペディアより

「かづぼー」はロボコンが大好きなんですね。

ブリキ製のロボットから始まって、鉄腕アトム、鉄人28号、ジャイアントロボ、マッハバロン、マジンガーZ、仮面ライダー・・・「かづぼー」はいつもヒーローと一緒でした。

それではここで時間をグッと進めます。
みなさんタイムマシーンでご一緒に、行きますよ〜!

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

1999年に陶芸を始めた大岡。
陶芸を始めて間もない頃に思いました。

「オリジナルのおもちゃを作りたい!」

そして、作り始めたのが「ロボット」でした。

ロボットは小さなパーツがたくさん必要なので、時間と手間がかかります。

「まずは50体作ろう!」と決めて試行錯誤。いろいろなロボットをコツコツ作っていきました。

種類いろいろ

作業自体は大変ですが、小さい頃からずっと寄り添ってくれていたヒーローを自分の手で作る喜びは何ものにも代え難いものがあったに違いありません。

ロボットを作っている時はとても楽しくて仕事という感じはしないんですよ|大岡談

しかし、ある時、大岡は悲劇に直面します。
2011年3月11日、東日本大震災です。

震災によって益子の焼き物は何十億円もの損害を受けました。

大岡も例外ではなく、精力を注いできたロボットシリーズは半分以上が割れてしまいました。

一つひとつ考え抜いて作ったロボット達が壊れてしまいました…

大岡はロボットシリーズを諦めざるを得ませんでした。

経済的な損失もさることながら、自分をずっと支えてくれていたヒーローでもあるロボットを失った喪失感は想像するに余りあります。

しかし、しばらくして、個展を開く機会に恵まれると、大岡の中に強い思いが芽生えてきました。

個展でオリジナルロボットを発表したい!
みなさんに見ていただきたい!

それは、大岡の中の「かづぼー」が決意して立ち上がった瞬間であったのだと思います。かつて自分が勇気をもらったヒーロー達のように、逆境に負けることなく、人に勇気と希望をもたらしたい、そんな祈りにも似た気持ちが湧き上がったのです。溢れ出る情熱のまま、大岡はロボットを作り上げました。

個展会場を見守るロボット

個展をきっかけに次々と生み出されたロボットたちは、日本中のさまざまなおうちに迎えられていきました。

・・・

今回、ロボットのことを記事にするにあたり、大岡に質問をしてみました。

「先生、このロボットは何かと戦うんですか?得意技とかあるのでしょうか?」

大岡はしばらくじっと考えて言いました。

今作っているロボットは、優しく、癒してくれるペットみたいなロボットです。もう戦う必要はなくなりましたから…。でもいざとなったらものすごい力を発揮してみなさんを助けますよ。

『これはロボットのお話なのかな?』
心の中で思いながらお話の続きを聞きました。

ロボットの特技は、人を笑わせることです。
似てないモノマネをしたりして…あ、これ僕の話ですね。

・・・そうか、ロボットは僕の分身なんですね。
初めて気づきました。
ロボットは僕の心、僕自身ですね。

ブローチもあります♪

大岡のロボットは、来年、益子で開催される空手の世界大会の賞品に採用していただきました。「外国の方にも喜んでいただけるものを賞品にしたい。」という理由からでした。

ロボットたちは世界に向かって羽ばたきます。きっと、人の心を和ませるスーパーパワーで、世界平和に貢献してくれることでしょう。

行け行けロボット!
行け行けかづぼー!

Go!Go!



ロボットの作品集を作りました。
こちらもご覧いただけたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集