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【PoWコイン解説】 Firo(FIRO)について

こんにちは!FUELHASHのYUUKIです。今回は、イーサリアム(ETH)以外のPoWコイン、Firo(FIRO)について解説したいと思います!

◎そもそもPoWコインとは

まず、PoWコインとは、PoW(Proof of Work)と呼ばれる仕組みによって支えられている仮想通貨です。

PoWは、膨大な計算作業を通じてブロックチェーンに取引記録を連続的に記録していきます。そのため、改ざんを起こすにはその時点以降の計算を全て負担しないといけませんが、現実的ではありません。

そのため、セキュリティの強度が非常に高いです。

また、マイニングと呼ばれる、計算を手伝った人に報酬が渡る仕組みも特徴の一つです。

下の記事でも、解説しているのでこちらもチェックしてみてください!


◎FIROの特徴

Firo(FIRO)は、匿名通貨であり、プライバシー性の高いブロックチェーンエコシステムの構築を目指す「Firo」プロジェクトで用いられる独自トークンです。

Firoプロジェクトは、Sigma・Lelantus・Lelamtus spark・Dandelionと呼ばれるプライバシープロトコルを利用することで、分散型システムでありながら、高い匿名性を兼ね備えたネットワークを構築しています。

この4つのプライバシープロトコルがなんのことなのかさっぱり分からない方が多いと思うので、具体的に解説していきます。


①sigmaプライバシープロトコル

Sigmaプライバシープロトコルとは、信頼を必要としないシステムを構築するためのプロトコルです。

具体的に何ができるか、図を使ってもう少しかみ砕きます。

SIGMAプロトコル入門

課題:上図のようにある問題xに対する答えwを知っていることを証明したい
条件:ただし、答えwそのものを教えたくない

例えば、答えwが金額とか本名とか。

これを解決するのにsigmaプロトコルが使われます。Sigmaプロトコルを使うと、認証プロトコル、署名スキーム、コミットメントプロトコル等が構成できます。


②Lelantusプライバシープロトコル

匿名通貨とは

Lelantusプライバシープロトコルは、投入量と変更量は隠されていますが、出力額は公開されています。
(送信者と受信者が機密である場合でも、取引金額が表示される)

また、バーン アンド リワード モデルにより、コインがバーンされ、その後、トランザクション履歴や識別可能なソースを含まない真新しいコインと引き換えられるため、アドレス間のリンクが切断され、トランザクションの分析が非常に困難になります。


③Lelantus Sparkプライバシープロトコル

匿名通貨とは

Lelantus Sparkプライバシープロトコルでは、全ての金額が隠されているため、高い匿名性を持っています。

さらに、ブロックチェーンで検索できないSpark アドレスを備えており、Spark アドレスに保管されている資金は非公開であるため、保有額や、そこからいつ資金を送金したかは誰にもわかりません。

つまり、第三者からは取引情報が全く分からないのです。

Lelantus Sparkプライバシープロトコルは、前身のプライバシープロトコルが大幅に改善され、現在のプライバシープロトコルとして採用されています。

④Dandelion++と呼ばれるプロトコルがある

このプロトコルにより、ユーザーのIPアドレスを隠すことができるようになります。したがって、第三者はIPアドレスにアクセスできないため、トランザクションを実行している人の場所にアクセスすることができなくなるのです。

「IPアドレス」とはインターネットで通信をする際に、個々のパソコンを特定するための住所のようなもの。

IPアドレスとは


一般的な仮想通貨は、トランザクションを受けると、それに接続されている他の全てのノードに、そのトランザクションについて伝えます。その結果、トランザクションはネットワークを介して迅速に伝播します。

ビットコインシステムで伝播するトランザクションの仕組み

この欠点は、ネットワークを監視できる敵対者が、この連鎖反応が起こっているのを見て、トランザクションがどのノードから発信されたかを、高い精度で概算できることです。

「ノード」とは
最も簡単に言えば“接続ポイント”のことで使用される。また、接続ポイントとなる端末、パソコンなどを指してノードと呼ぶことがある。

一方、この問題を解決するのが、Dandelion++と呼ばれるプロトコルです。

Dandelion++ は、トランザクションについて別のノードに通知するか、ゴシップ モードに切り替えるかをランダムに選択し、トランザクションのブロードキャスト方法を変更することで、これらのタイプの分析を難読化します。これにより、ノードを特定のトランザクションに関連付けることが難しくなるのです。

ちなみに、Firoのブロックチェーンはタイの大統領選挙のプラットフォームとしても2018年に採用され、ブロックチェーン上で行われた世界初の大規模な政治選挙となったことで話題になりました。

⑤ASIC耐性

FIROは、ASIC 耐性戦略を備えたFiroPoWアルゴリズムを使用しています。

「ASIC耐性」とは
「ASICに耐性がある」すなわち「ASIC作成しても意味がない」ということを意味します。ASIC開発には年月と経費がかかります。特定の用途しか持たないASICは「マイニング演算の変更」によって需要が無くなるのであれば初期投資を回収できない可能性があるので「開発自体誰も行わない」という事になります。(ビットコインのマイニング演算は「多くの数字の中から一つ当てはまるものを見つける」という単純なものなので比較的容易にASICを開発可能)したがって、複雑なマイニング演算を必要とする暗号資産(仮想通貨)はASIC耐性があると言えます。

ASIC耐性とは

承認作業においてPoWは欠かせないものですが、承認する際の消費電力が大きいため多大なるコストがかかるというデメリットがあります。

そのため、FIROはMTPという承認アルゴリズムを採用することで、マイニングの際に少ないエネルギーで行えるように設計されました。

Firo のMTPアルゴリズムは、マイニングを民主化するために設計され、迅速な検証を維持しながら平等主義的なマイニングを促進します。

MTPを導入することにより、取引認証に時間がかからなくなったため、外部からネットワークに過剰な負荷をかけてサービスを妨害するDoS攻撃に耐性があります。

また、PoWは「51%攻撃」という問題も抱えています。PoWは、ネットワークに参加するすべての計算力の半数以上の51%の計算力を持つことでネットワークを乗っ取ることができてしまいます。ビットコインのように大勢のユーザー(ノード)が参加するネットワークでは、過半数の計算力を持つことは事実上難しいとされていますが、PoWを採用する参加者の少ない暗号資産では、悪意あるユーザーが51%以上の計算力を持つことで、過去のブロックを書き換えて、別のブロックチェーンを作ることが可能になってしまうというリスクが常にあります。

ASIC耐性を備えることで、51%攻撃に対応することが可能になりました。

現在は、MTP がより強力なASIC耐性と、より小さいプルーフサイズ、GPUマイニング用に高度に最適化されたマイニングアルゴリズムを持つ FiroPoW に置き換えられました。

Firo は GPU を対象とした FiroPoW アルゴリズムを使用し、誰もがマイニングにアクセスできるよう目指しています


◎最近の価格動向

では、そんなFIROは現状どうなっているのでしょうか。
価格をチャートで見てみましょう。

下のチャートは、直近1年のFIRO(対日本円)のものです。

Coin Market Cap

気になるのは、2021年10月からの急上昇、2021年12月からの大幅な下落、そして2022年7月の急上昇です。

特に2022年7月の上昇が顕著にあらわれています。理由としては、FIROがFluxと提携したことが考えられます。

フラックス公式

FLUXはWeb3.0世代を牽引する分散型クラウドインフラ(“ブロックチェーンのインフラ”)であり、仮想通貨銘柄としても高い支持を得ているだけでなく、マイニング報酬が得られるトークンとしても人気があります。

FLUXは、自身が保有するコンピューターを提供してFLUX NODEとなることでバリデーター報酬が得られるという特徴を持っています。

FIROがFLUXと提携したことにより、Fluxnodeオペレーターは、 NimbusノードとStratusノードでFIROを獲得できるようになります。これにより、保有者に受動的な収入の機会を提供します。

NimbusノードとStratus ノード
Fluxnodeの種類。他にはCumulusがある。FLUX NODEとなるにはハードルの高いステーキング条件が設定されており、安定した運用を見込んでいる。

FLUXと提携したことにより、FIROの注目度が高まったことで、FIROを扱う人が増加したため、価格が上昇したと考えられます。


2021年10月の急上昇、2021年12月からの大幅な下落についてですが、ビットコインのチャートと比べてみると、同じような動きを見せていることがわかります。

Coin Market Cap

2021年は、仮想通貨市場全体での高騰が目立ちました。

FIROも例外ではなく、約270円台まで落ち込んでいた価格が2021年5月には、2,200円台まで回復しています。

2021年11月はビットコインが高値更新をしましたが、FIROも1,000円台までの上昇を見せました。

仮想通貨全体の投資熱の増大により、2020年下旬から、ビットコインをはじめとした主要な仮想通貨が軒並み高騰しています。

また、FIROを含む匿名性の高い仮想通貨は、犯罪に悪用される懸念から規制が厳しくなっています。

行政による規制強化の取り組みによって逆に注目を集めたとも考えられています。

その動きの中で、FIROにおいても注目が集まったものと見られます。

しかし、高騰は長く続かず、2022年は米金利引き上げやロシア・ウクライナ情勢の悪化などを受け、FIROもその後大幅な下落を見せました。

FIROの価格は、2022年8月31日時点では320円程となっています。

今後の予想


世界中の仮想通貨について情報をまとめたcoinmarketcap.comでは、FIROは時価総額ランキング540位(2022年8月31日現在)と、決して認知度が高いとは言えません

しかしFIROは、YouTubeやTwitter、ブログなどで頻繁に情報提供を行っており、これは認知度を拡大するために非常に重要なポイントです。


先ほど特徴⑤で、FiroPoWアルゴリズムを使用していると説明しました。

FIROは公式サイトで、現時点でこのコンセンサスメカニズムを変更する当面の計画はないとしています。

PoWは環境問題や安全性への懸念が高まっているため、PoS(特定の暗号資産の保有量が多いほど承認を得やすいシステムであり、強力なマシンパワーの必要がなく、環境に負荷をかけない点がメリット)への移行が多くの通貨で進んでいます。

PoWコインで現状一番人気とも言えるイーサリアム(ETH)も、PoWからPoSに移行させようとしています。

そのため、FIROがPoWのFiroPoWという承認アルゴリズムを採用することで、マイニングの際に少ないエネルギーで行えるように設計され、PoSより大きなメリットをもたらすことを証明することができれば、FIROが今後認知拡大してくための大きな要因になるのではないかと考えられます。


まとめ

今回は、匿名通貨のFIROの特徴、価格動向について解説しました!

少しでもためになれば幸いです!

また、その他のPoWコイン解説記事もぜひご覧ください!

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