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妖しい魅力の金髪女優
自分の思春期のアイドルは、日本人女優は吉永小百合や本間千代子だったが、さらに遡ると、小学校のころ観た日活アクション映画のヒロイン、マイトガイ・アキラの相手役だった浅丘ルリ子(20歳前後のころ)。彼女の美しさには子供心にも魅了された。
でも、中学の高学年になると、気が変わり外国人女優に熱烈にいかれてしまった。
その女優は、アン・マーグレット。ブロマイドを買って、いつも生徒手帳に入れ込み持ち歩いていた記憶がある。
不思議なもので、異性に対し清純派と小悪魔的存在の、そのどちらにも魅了されていた。
彼女は振り返ると、オードリー・ヘップバーン、エリザベス・ティラー、ジュリー・アンドリュースと言った、当時のアメリカのトップスターに比べると、アカデミー賞などの作品には無縁で、馴染みない方も多いかもしれない。
が、昭和30年代後半の洋画誌を飾ったいわゆる金髪ガールの一人である。
記憶の中では、「バイ・バイ・バーディー」、「ラスベガス万才」、「泥棒を消せ」「シンシナティ・キッド」と、この四本に際立った印象が残っている。
外国人女性にしては、体系的には小柄だが運動神経が良く、ミュージカル映画もそつなく熟していたと思う。
アン・マーグレットの凄かったところは、この当時の洋画界男優人気トップスターと共演していることだ。
米映画「ラスベガス万才」では、ご存じ、史上最も売れたアメリカの歌手、エルヴィス・プレスリーと共演し、二人のラブ・ミュージカルに映画の楽しさを教えられた。当然、同名映画のサウンドトラック盤を購入し、映画の雰囲気に浸ったものである。
次いで、世界一の美男俳優と、当時もてはやされた仏俳優アラン・ドロンとも共演している。ドロンがアメリカ映画に初進出したことで話題になった「泥棒を消せ」。この作品ではアンとドロンが夫婦役を演じ注目された。だが、この作品は彼にとっては失敗作だったという記事が載っていた覚えがある。映画の内容は、ドロンが得意とするマフィアものだったが、やはり仏映画のようなシャープさに欠けていたかもしれない。
さらには、米映画のギャンブラーもの「シンシナティ・キッド」では、人気絶頂だったスティーブ・マックイーンとも共演。この作品では、マックイーンに惹かれるも友人の情婦役だったのではないか。が、この作品は、彼女の存在感は今一少ない印象がある。むしろこの映画は、ギャンブラー・マックイーンの、強烈な個性と格好良さ、クールな味わいが際立っており彼女が飲み込まれてしまったのかもしれない。
とこのようなことで、アン・マーグレットは、当時の洋画界トップスターと共演した、稀な女優でもあった。
補足、その後、彼女は、米テレビドラマ「サンセット77」で人気を博した、ロジャー・スミスと結婚したことも付け加えて置きたい。
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