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道をあゆむ6 知足
あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい、もっともっとほしい
我々は生活をする上で欲しいものがたくさんあります。欲しいものを得るために毎日を頑張るのは素敵ですが、欲しいものがすぐに手に入らないからといって、不足の心を持ってしまいがちです。
昔から「腹八分目医者いらず」と言います。とかく暴飲暴食の後は、不快な二日酔いやお腹の患いで後悔します。「過ぎたるは及ばざるがごとし」なのです。
身に付けたり日常生活で使う物も、過分に求めると後で思わぬ苦しみを招きます。芥川龍之介の『杜子春』では過分に求め、それを手に入れた結果、苦しむ青年の姿を描いています。
言葉や心も同じです。自らの思いを先に立てて
強く厳しい発言や態度をすると、後々その関係の修復に苦労します。相手の立場や年齢、価値観、コンディションなどを考えることが大切です。
それよりも「知足」、今あるものを知り、喜ぶことも必要なのではないでしょうか。決して妥協ではない、ある喜びがあればこそ、ない中で生み出す工夫もできます。そうすることで、優しい言葉、励ましの言葉、豊かな心、真心をたっぷり出すことができます。
全ては神様からのお与えです。十分な見返りを求めず、腹八分目の与えを喜びましょう。そうすることが幸せを掴む一歩なのです。