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お店のことだけ考えた、1週間の備忘録。

前回の記事で、こんなことを書きました。

詳しく知りたい方は前回の記事をどうぞ

で、さっそくこの1週間、他の予定を一切入れず、左ききの道具店のことだけを考え、手を動かしたわけです。

思えば、コピーライターの仕事をはじめて18年とちょっと。左ききの道具店をはじめて5年半ぐらい経ちますが、1週間ぜんぶ自社のことしかやらないというのは、実は初めてのこと。

どれだけ未来に重要なことでも、やはり受託ビジネスの身としては、自社のことよりもクライアント優先というのが不文律としてあるわけで。忙しいを言い訳に先延ばしにすることが常でしたが、今回思い切って取り組んでみました。

ちなみに、この着想は僕自身ではなく、コーチングをお願いしているまこりーぬさんの「1週間やってみたらいいじゃないですか?」というアドバイスに従った次第です。ありがとうまこりーぬさん(最近LIGの部長に就任されたようでおめでとうございます)。


そんなわけで1週間(正確には月〜金の5日間ですが)やってみて、個人的には色々発見があったので備忘録として残しておきます。

1ヶ月以上あれば、スケジュール確保は可能だった。

最初、他の予定を入れないことが不可能だと思っていたんですよ。それも1週間も。毎日2-3本の打ち合わせを入れていたので。でも、今回は腹を括って一ヶ月以上前から予定を確保しました。ここには何も予定をいれないぞ!って。そしたら拍子抜けするぐらい、いけました。これは個人的には驚きで。え? いけるんだ!? って。

締切に追われて自社サイトのリニューアルや実績の更新ができていないみなさん、ぜひお試しください!!


1週間あると頭が完全に切り替わる。

以前、毎週月曜日とか、水曜日の午前中だけを左ききの道具店にあてていた時期があったんですが、どうにもうまくいかなくて。頭が切り替わらない。すぐ別の予定を入れちゃったりね。でも、1週間あると全然違いますね。完全に左ききの道具店モードになる。

この辺り、旅行に似ているところあるんじゃないかと。半休じゃ、全然仕事のこと忘れられないじゃないですか。一泊二日でも頭の中でチラつくし。でも、二泊三日になるとかなり忘れられる。それ以上だと完全にバカンスモードになったりして。たぶん、翌日の予定が当日に影響あるんですよ。次の日仕事というだけでテンション変わったりするじゃないですか。

同様に、明日も明後日も自社だけの予定だと、どっぷり浸れるんですよね。ブレーキがなくなる。これはすごいよかった。


ここからは実際にできたことです。
結構色々できたなー。

オフィスのレイアウト変更
お店の拡張を予定しているので、棚やら梱包スペースをレイアウト変更した。あとずーっと気になってた倉庫も整理した。すっきり。

越境サイト「HIDARI」の大幅アップデート
国内だけで手一杯で全然触れなかったHIDARI.comをガッツリ手を入れた。コレクションの構造から再構築して、デザインも変更。ついでに新しいアプリを入れて動画も入れられるようにした。すっきり。

商品撮影・現像
頼まれていたけれど後回しになってた商品写真を撮影・現像した。ときどき驚かれますが、左ききの道具店の商品写真はほぼ全部僕が撮っています(手帳など一部を除き)。

不用物の処理
ずーっと気になっていた最初期の古い手帳やダンボールや使わなくなった資材などなどを処理場に運搬・処理してきた。ぜんぶで200kg超。筋肉痛になりました。すっきり。

ショップカード、商品説明資料などの封入ツールのアップデート
実店舗情報の追加や、英語版が必要になったということもあり、梱包時の封入資料を全面的に見直し。基本的に、構成組んで原稿書くまで僕が進めます(デザインはもちろん外部に)。今回はアップデートの全容の整理と、取り急ぎの構成まで組めた。すっきり。


あたりが、分かりやすい成果。
あ、もうひとつ。


店長と1週間、同じ時間軸で仕事できた。

というのは、地味だけどすごく大事なことだったと思う。
普段はどうしてもクライアントワークを優先してしまうので、後回しになったり、打ち合わせの合間に対応となってしまうんですよね。けれど、この1週間は同じ時間軸を共有して、即レス・即アクションができた。これは店長的にもすごく良かったみたいで「毎月やって」と要望が来ている。よい。


ただ、同時に当たり前で残酷な事実にも直面します。

すぐに売上に繋がるわけではない。

ということですね。そりゃそうです。誰かが1週間手伝ったぐらいで上がるようなものはない。分かってるんです。分かってるんですが、小さな期待があったことも事実です。

たぶん、それは「受託の仕事は納品すれば入金される」という、長年の商習慣みたいなものが邪魔しているんでしょう。手を動かした先にある、確実な売上。これがね、小売りでは全然期待できない。

この辺り、ちょうど先日各務原で参加したセミナーでプロダクトデザイナーのTENTの青木さんが話していた

B to B は狩猟
B to C は農業


という言葉が思い出されます。

ほんと、お店って農業だなと。種を蒔き、水を注ぎ、雑草を取り除き、毎日毎日手を入れ続けて、土壌を豊かにしていく。豊作は不作かは天候次第だったりするけれど、土さえ豊かだったらなんとかなる。

という考えを、常に持たないといけないと。ときどき草をむしりに来たぐらいではなんともならんぞと。

そういった事業の違いにおける取り組み姿勢みたいなことを、今回は再確認できました。あー楽しかった。またやろう。

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加藤 信吾|LANCH Inc. 左ききの道具店
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