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ハッピーバースデートゥーミー。

「人工知能にはモチベーションがない。だから予定以上のものは生まれない。あらゆることが人工知能に置き換えられたとしても、人間のモチベーションには永遠に価値がある。……ただ逆説として、モチベーションがない仕事の価値は加速度的に下がっていく」

という言説を何かの本か、誰かのツイートで見かけたとき、僕はその通りだと膝を打ち、以来自分の中の判断基準に「モチベーション」を組み込むようになった(誰が言っているのか知っている人教えてください)。

モチベーションをやる気、と翻訳すると、「やる気が出る仕事だけやろうぜ!」的な感じで、かなりアタマが悪い言い方なってしまうのだけれど、まあ概ね正しくて。

特にクリエイティブのような正解がなく、かつ、人間性の入り込む余地が大きい仕事は、つくり手の動機が強烈に影響してしまうんですよね。

やらされる仕事に追われて、疲弊して、その場を離れていった人を何人も見てきました。で、その度に、自分の意思がある仕事をしよう、という思いが強くなったんです。

これは、自分がやった方がいい。
これは、自分がやらない方がいい。
これは、自分がやるべきだ。

そういった選択をなるべく意識的に公私で続けてきて、今の自分がいる。名古屋で会社員をしていた頃を振り返ると、ずいぶん遠くまで歩いてきたなぁ……と感慨深い思いになっているわけです。


というのも、今日、僕の誕生日なんです。7月18日。あの広末涼子と同じ誕生日ですよ。どうでもいいですが。

39歳。普段、自分の年齢なんて気にもしないけれど、節目となる年(40)を目前に、改めて自分のモチベーションが上がることって何だろうと考えたりするわけです。

手元のタスクでは20を超える案件が動き回り、スケジュールはzoomミーティングで真っ黒になってる。

数年前の希望通りに「書くだけ」の仕事はキレイになくなって、企業やサービスの根幹の言葉を整理していく仕事や、商品開発から販売を伴走するような成果が目に見える仕事ばかりになりました。冷や汗をか場面も多いけれど、やりがいも大きくて。1人のコピーライターとしては、この道を進むべきだと思います。

でも、もう少し自分の心に正直になってみると……やっぱり一番モチベーションが上がるのは「左ききの道具店」なんですよね。

コピーライターの仕事は「脳みそ代行」みたいなもので、他人に脳を貸してる気持ちになるんです。面白いけれど、貸してる分のメモリは塞がれてしまうし、どこまでいっても代行者であることは変わらない。

その分、左ききの道具店は自分たちの事業。成功しても失敗しても、そのすべての当事者が自分。めちゃくちゃ当たり前の話なんですが、脳みそ代行に慣れていると、そのすべてが本当に刺激的で、面白くて、恐怖がある。特に最後の恐怖のエッセンスがすごい。お金のことを考えると夜を眠れないって、色んな経営者から聞いたことあるけどマジなんだって知りました。

ここだけの話、売上はもちろん、利益率は圧倒的にコピーライターの仕事の方がいいんです。仕入れゼロでお金が入るの本当にヤバいっす。でもどちらに未来があるかといえば、圧倒的に後者なんですよね。僕は衰えていくけれど、お店は積み上がっていくので。

エキサイティングで、未来がある。

やっぱり、この道を選ぶんだろうな。なんて思った39歳の誕生日でした。さあ、40歳目前。そろそろ、分かりやすい成果を見せたいですね。


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加藤 信吾|LANCH Inc. 左ききの道具店
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