アマビエちゃんと加藤くんのお話 第36話『リスの焼き芋屋さん』
「加藤くんだね。」
「はい。」
「僕はリスの焼き芋屋さんだよ。」
リスにはみえなかったが、リスと言うならリスなのだろう。
「アマビエちゃんを知りませんか?」
「アマビエちゃん、知らないなあ。そんなことより、焼き芋を食いなよ。」
「はあ、いただきます。」
焼き芋は、何十年前に食べたような懐かしい味がした。焼き芋を噛むたびに様々なことが思い出された。
子供の頃、泥団子をこね続けたこと
高校の時の世界史の授業
大学生の頃歩いた高円寺の街並み
アマビエちゃんの笑顔
アマビエちゃんの声
アマビエちゃんの目の輝き
つづく