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アマビエちゃんと加藤くんのお話 第1話『アマビエちゃん』
僕には大好きな女の子がいる。名前はアマビエちゃん。
今日も僕はアマビエちゃんに会いにいく。アマビエちゃんはお話を聞くのか大好きなんだ。
僕はアマビエちゃんにお話を聞いてもらいたくて、今日も会いに行く。
『加藤くん、おかえり。』
『アマビエちゃん、元気だった?』
『うん、今日はね、調布飛行場の周りをお散歩していたんだよ。』
『あのあたり、いいよね。空が広くて。』
『うん。行く途中にすごく素敵な柿の木があってね。ずっと見てても、飽きないんだよ。』
『へえ、柿の木をそんなに長時間見たことないなあ?』
『柿の木をずっと見ていると、カラスの兄妹が遊びにきてね、一緒におしゃべりするとすごく楽しいんだよ』
『そうかあ、アマビエちゃんはカラスとお話もできるんだね。すごいな。』
『うん、カラスはとっても頭いいから。彼らは人の顔も覚えられるし、声真似だって得意なんだよ。カラスの兄妹はすごく仲良しなんだ。
いつもね、お兄ちゃんは妹のことを気にかけていてね、妹を守っているんだよ。』
『いいね。僕もアマビエちゃんを守れるような強い男になりたいよ。』
『うん、ありがとう。そう言ってくれると嬉しいな。』
『最近、また新型コロナの感染者が増えていて心配だね。』
『うん、私もマスクをね、手作りで作ったんだ。公園に落ちていた葉っぱを拾ってね、可愛いマスクを作ったんだ。みてみて。』
『それは…可愛いけど、実用性あるかなあ?』
『だめかな?』
『いや…とても素敵だけど、街に行くときは普通の白いマスクをあげるから、それをつけていったほうが良いと思う。』
『うん。』
『また首都圏で緊急事態宣言がでるみたいだから心配だよ。アマビエちゃんも気をつけて。』
『ありがとう。加藤くんも気をつけてね。』
つづく