アマビエちゃんと加藤くんのお話 第37話『アマビエちゃんに似た花』
焼き芋を食べて、お礼を言ってから、僕はどんどん異界へと続く道を歩いていく。でもまあ、僕達が日常だと思っているのも、一瞬一瞬どんどん変化しているのだから、毎日が異界みたいなものなのかもしれないなと思った。
アマビエちゃんに会いたくて、異界へと続く道をどんどん歩く。
するとアマビエちゃんに似た花があった。あまりにアマビエちゃんに似ているので、「もしかして、アマビエちゃんですか?」と聞きたくなる。
見た目も色も匂いも、何もかもがアマビエちゃんにそっくりなのだ。でも、やっぱり、それは花なのだから、アマビエちゃんではないのだろう。
とても美しい花だ。アマビエちゃんのように。
本物のアマビエちゃんに出会ったら、君に似た花があったよと言おう。
アマビエちゃんは喜んでくれるだろうか?
つづく