アマビエちゃんと加藤くんのお話 第16話『カモメさんと縄跳び』
「アマビエちゃん、今日も寒いね。はやく暖かくならないかな。」
「うん、本当だね。」
「暖かくなったら、何したい?」
「そうだね。カモメさんと縄跳びしたいな。」
「それは、楽しそうだね。」
「うん、暖かくなったら縄跳びしようねって、この前、不忍池のカモメさんと約束したんだよ。」
「あの池のカモメ達は寒くても元気だよね。」
「うん、私、一本足のカモメさんと仲良しなんだよ。」
「あいつ、いいやつだよね。」
「うん、一本足でもうまく杭の上に立ってね。飛ぶ時もすごくかっこいいから、縄跳びも上手だと思うんだ。彼にはよく絵のモデルさんになってもらうの。」
「カモメが絵のモデルになってくれるの?」
「うん、とってもいい顔してるんだ。何枚も絵を描いたよ。」
「アマビエちゃんのカモメの絵を見てみたいな。」
「ふふふ、見せてもいいけど、そのかわり。」
「なに?」
「楽しいお話をして。」
「そうだな、むかしむかし…」
つづく