アマビエちゃんと加藤くんのお話 第13話『ずっとそばに』
「調布飛行場、俺は毎日ここでスクワットしたり、ラジオ体操してるけど(笑)、アマビエちゃんと一緒に来るの2回目だよね。」
「加藤くん、前にもいた飛行機の真似しているカラスがいるよ!!」
「ほんとだ。飛び方が飛行機みたいだよね。」
「この辺り、私好きだな。ずっといられる。」
「アマビエちゃん、あのさ。」
「うん。」
「去年の12月のことだけど、ここにいつもの散歩にいったわけ。」
「うん。」
「この丘のベンチに女の人が座っていてね。」
「うん。」
「ちょっとアマビエちゃんに似てたんだけど。」
「ふふふ。」
「その女性が首を曲げて俺の方を笑いながら見てるんだよ。」
「うん。」
「どういうこと?知り合い?とか思って驚いていたら。」
「うん。」
「俺の背後の下で男の子が遊んでいたんだよ。」
「だろうね。」
「その子はすごい自由に遊んでいて。」
「うん。」
「リラックスしているわけ。」
「うん。」
「それでお母さんのベンチに近づいていって。」
「うん。」
「お母さんはずっと笑顔でその子を見守っているんだよ。それでね。」
「うん。」
「あのお母さんみたいに、俺も笑顔でアマビエちゃんをずっと見守っていたいなと思った。
アマビエちゃんが自由に楽しそうに、遊べるように、俺がずっと見ていたいと思ったよ。
なんか涙でてきた(笑)。」
「うん。凄く嬉しいです。」
「うん。良かった。」
「私も涙いっぱい。涙が止まらないね。」
「うん。涙いっぱいでたなあ(笑)。一緒に歩こう。」
「うん。」
「うん。楽しいよ。」
「加藤くん。」
「はい。」
「変わらないでね。いつまでも。」
「うん。」
「成長するのは、嬉しいけど。」
「アマビエちゃんへの気持ちは変わらない。うん。」
「加藤くんの本質は、今のままでいて欲しい。」
「うん。いる。」
「うん。」
「君が子供なら僕は君の親になるよ。」
「うん。」
「君が猫なら僕は君の飼い主になるよ。」
「うん。」
「君が女性なら僕は君を世界中の誰よりも愛し続ける男になる。」
「うん。」
「だから大丈夫。安心して。俺がいるからアマビエちゃんは大丈夫。」
「ずっとそばにいてよ、たとえどんな関係性になったとしても。」
「うん、いるよ。永遠に君のそばにいるから。
俺たちは変わらない、双子だからね。ずっと一緒にいよう。」
「うん。ずっと一緒にいようね。」
つづく