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ワンマンまで57日。突然する祖母との別れの話

母親同然に育ててくれた祖母が先週急に亡くなり、私はその日のうちに実家に帰って、5日間家族とともに別れの時を過ごしました。

若いうちから病気で手足が不自由だったばあちゃん。それでも家族のためにほぼ毎日ご飯を作ってくれていました。ここ数年は台所に立つことも難しく、私が帰省するたび「何もつくってあげられなくて悪いない」と目に涙を溜めていましたが、今はもう父だって朝ご飯を作ってくれるまでになったし、これまで作ってもらった沢山の料理のことは私の舌が記憶しているので、ばあちゃんが謝る理由は何もないんですよ。

我が家のいかにんじん

でも、祖母のお姉様方がわざわざ作って持ってきてくれた切り昆布とヤーコンの油炒めを食べたら、もう一生食べられないと思っていた味とほぼ一致していて涙腺崩壊しちゃった。油が紙皿を通り越して漏れてたけど、この大胆な調理法が田舎の味なのよ。

大学のサークルの卒業旅行で同期約10人が実家に泊まった時も、ばあちゃんはお手製のいかにんじんを振舞ってくれました。いかにんじんを初めて見た同期たちが不思議そうに食べてたのが面白かった。そうかあれは1月だったのか。確かに雪降ってたっけな。

実は今年のお盆に帰省した時、ばあちゃんから「これがいちばん良く写ってるから、頼んだぞい」と写真を預かっていて、その時はまさかこんなにすぐに取り出すことになるとは思わなかったのですが、今思えば、あの時少し気まずくてもちゃんとお礼を言っておくべきだった。

私が今まで健康で、のびのび生きてこれたのはばあちゃんのおかげですって、伝えておけばよかったね。

こないだ立川でライブをした時、共演者の方から「さとりちゃんのステージを見てると、家族に愛されて育ってきたのがわかる」と言われて、いやいやそんなことないでしょと思ったんだけど、なんか出ちゃってんのかな。

ばあちゃん、愛してくれてありがとね。これからも家族の愛をほんのり匂わせながらステージに立ち続けたいと思います。

大好きなリンツのチョコレート「マンゴー&クリーム」で明日の元気をチャージします。