泣きながら微笑んで ~AKB48・大島優子の懐古録~ #28
■ 2013.8.12 「idol nation」
「情熱を燃やすようなところがない」
2013年10月にOAされた「情熱大陸」での優子の発言。この優子の発言を裏付けるような出来事があった。
2013年8月に代々木第一体育館で開催されたavex主催のライブイベント「idol nation」にAKB48が出演し優子は出演メンバーの一人だった。しかし、オープニングの出演グループ紹介VTRにAKB48が映し出された瞬間、代々木第一に集まった観客は、メインイベンターであるAKB48に対して歓声ではなく激しい「ブーイング」を浴びせかけた。AKB48が大きくなりすぎたことで「アンチAKB」も相当数増えており、前田敦子や篠田麻里子の抜けた穴を実力が伴っていない事務所ゴリ押しの若手メンバーで埋めていたことや、AKB運営がバブル的な人気をいいことにマスコミ各社と結託しての課金イベント等「やりたい放題」をしていたことに対して代々木のアイドルファンが明確に「拒否反応」を示した瞬間だった。そしてドロシーリトルハッピー、東京女子流、アイドリング!!!など、AKB48以外の出演グループが自分たちを知って帰ってもらおうと全力のパフォーマンスで頑張る姿とは対照的に、メディア出演やドーム公演のリハーサルで多忙を極めるAKB48からは全く覇気が感じられない「やっつけ仕事」的なパフォーマンス。その覇気のないグループの姿は前年暮れに大島チームKの「ウェイティング公演」を見た時よりも更に私を失望させた。そして「常に全力」が彼女のモットーだと私が思っていた優子も他のメンバー同様全く冴えないパフォーマンスだった。優子がAKB48を愛しているのは理解できるのだが、彼女自身がAKB48で何をすべきなのかという目標みたいなものが見いだせない時期と重なっていたのだと思う。それにしても優子のパフォーマンスからこれほどまでに覇気を感じなかったのは彼女を見てからは初めてで、私のショックは思いのほか大きかった。そして、今更感漂う7年前のシングル曲「会いたかった」で「緊迫感のない避難訓練」を思わせるかのよう「ドタドタと」花道を走るAKB48の姿を見て、私はファン歴の中で初めて「ライブを途中退場する」という行為に及んだ。
そして時は過ぎ2013年大晦日のNHK紅白歌合戦の中で大島優子は「卒業宣言」を行う。更に翌年1月のリクエストアワーで第4次組閣(大組閣祭り)が行われることが発表され、組閣理由の一つに「チームKの不人気」が挙げられてしまう。このまま大島優子は本当に情熱を燃やすことなく終わってしまうのか?私のAKB48への思いが完全になくなろうとしていた時、キャプテン・大島優子率いるチームKが「ある行動」を起こす。その行動は私に「もう1回だけ劇場に行ってみよう」と思わせてくれた。
(#29につづく)