心書Vol.0024〜修復する〜repair
歯の治療は信頼している友人にお願いしています。
歯科医の友人がいること自体、すごくラッキーだと思っているのですが、友人関係があるからか、遠慮せずに細かいことを尋ねても、ちゃんと答えてもらえることが嬉しかったりします。
今回も、銀歯が取れて、新しい被せ物をお願いしていたのですが、仮の詰め物をした2日後から、甘いモノにやけに患部が反応してしみるのです。
そのことを相談する中で、
「新しい被せ物をするために削ったことで、歯が甘いモノの刺激に敏感になっているけれど、歯の中でもとに戻ろうとする動きがあって、歯の中でじわっと滲みて歯を修復しようとしてる」
「甘いモノの刺激を感じさせてしまうと、その刺激への対処に忙しくなっちゃって、歯の修復が遅れてしまう原因になるから、1カ月くらいはかばいながら食事をしてもらった大丈夫、早く元通りになる」
というようなことを教えてもらいました。(使ってくれた専門用語はほぼ忘れました)
「歯の中に管みたいなのが通ってて、自己修復する液体が浸み出すだって!?」
ということがいちばん驚きだったのですが、あの硬い歯の中に、そんなあるべき姿に戻ろうとする仕組みがあることに軽い感度を覚えました。
恒常性(ホメオスタシス)という言葉があります。これは心理系や自己啓発系の話だと、「変わらない自分」「変われない自分」の原因みたいな文脈で登場することが多いと個人的には感じているのですが、もともとの自分の姿が「あるべき姿」だとしたら、そこへ戻ろうとしてくれるのはとてもありがたいことではないかと思います。
「なりたい自分」への逆風ともとれるし、
「戻りたい自分」への順風ともとれる。
どちらから見るかの違いだけ。