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ガーシー氏の除名は、マジでやばい

ガーシー氏のこと。いきなり横道に外れますが、ガーシー、の次にくる敬称を何にするかって難しいですよね。今、国際手配されたから、ガーシー容疑者とも言える。実際、そう表記しているメディアも多い。「さん」づけして、ガーシーさんというと、親しみというか、味方している感も出る。冒頭に書いたような、ガーシー氏となると、これも突き放したような温度感を与える。斯様に日本語というのは、人間関係の言語だなと感じ入ります。

さて、そんなガーシー氏の議員解雇、これ、すごい話だなと思って。というか、僕は知らなかったんですけど、懲罰委員会とかなんかで、3分の2の賛成があれば、議員を除名できる。これ、すごくないですか。え、何その規定、って思ったんですけど。だって、そんなこと言ったら、3分の1以上を取れないと除名の危険性があるってことでしょう。

もちろん、それは制度とはいえ普通は使わない、今回、使われたのも72年ぶりだとかいうことですが。それでも、そういう制度があるということが驚きです。いや、99%の人が賛同しているじゃないかと言っても、その1%の少数派を重視するのが民主主義なんですよ。民主主義が多数決でしょうがなくやるのであれば、その裏には、少数意見をきちんとおもんばかる、という態度がなきゃいけないんですけど。

議員になって、一度も出席せず、でも、そもそもそう言っていて立候補して議員に当選して、その通りにしていて、それで除名っていうことは、ガーシー氏に投票した人の意見を無視しているってことですよ。立候補した時に言っていることを守って、その通りの活動をしていて、その少数派の代表を除名するという、まじやばいですよ。間違っています。NHK党以外の全会一致だそうですが、じゃあ、全員が間違っています。これは、いけません。そもそも、そんな制度があることが、いけないんです。

議員の不逮捕特権というのもありますが、当然です、だって、議員は立法府に属する人であり、法律を変えようとしているわけです。そういう、国民の代表なんです。だったら、悪法がまかりとおった時に、不逮捕特権がなければどうなるのか。その方がやばいでしょう。今、そうじゃないから、というのは、違うんです。ルールは、最悪の事態を免れるためにあるのであって、悪法がはびこり、どうしようもなくなったときにも、制度として存続しなければならない。だから不逮捕特権がある。そして、除名などあってはならないんです。

少数派を擁護することは、多数派にとっては意味のないことで、別に、僕もガーシー氏に議員になっていてほしいわけじゃないですけど(別に投票していないし)、だけど、ルールとして、少数派を除名するようなことは、決してあってはならない、それがどのような理由であっても、です。なんですかね、多様性だとか言っている割に、こういうところで、鬼のような「常識」を発動させるんですかね。

少数派の意見を認めるということは、多くの人にとって、不愉快なことであり(だって少数派なんだから、変なことを言うわけです)、時間の無駄だと思うし、意味がないと思うんだけど、そういう場を力づくでも保持しておくということが民主主義の基盤ですよ。マジでね、この、ガーシー氏が除名されるってのは、本当にすごいことですよ、やばいことですよ。このヤバさにほとんどの人が気づかないと言うのも、本当にやばいと思います。はい。またあした。

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