旧帝大、早慶以外の学生が総合商社2社から内定獲得した戦略
はじめまして、上遠野 優(かとーの ゆう)と申します。
いきなりですが、このnoteが想定している読者層は下記のような方々です。
・総合商社を志望している学生さん
・上記のうち、特に旧帝大、早慶以外の学生さん
・その他、倍率100倍以上の日系大手企業に内定するための戦略に興味がある方々
ではさっそく始めましょう!
このnoteを書くきっかけ、自己紹介、就活の戦歴と前提が長いので戦略のところから先に読んでもOKです。
このnoteを書いたきっかけ
大晦日にふと思い立ってこんなツイートをしたところ、思いのほか反応がありました。
ツイートの通り、私は首都大学東京という可もなく不可もない最終学歴で、旧帝大、早慶ばかりの総合商社にはなかなかいない存在です。
でも就活生時代は、伊藤忠、丸紅、その他大手企業から複数の内定を勝ち取りました。
自分で言うのもアレなのですが、私、たぶん面接が相当得意です。
これまで行きたいと思った会社で面接で落ちてしまったのは新卒で受けた外航海運会社1社だけです。
私が就職活動の際に実践したノウハウは、割と再現性のあるものだと思うので、誰かの役に立つかもしれないと思い、今回noteを書いてみることにしました。
このnoteが就職活動をしている方にとって何かのヒントになれば幸いです。
本当は「コーヒー1杯分の値段で販売~!」とか言ってみたかったのですが、学生をメインターゲットにしているので、無料公開します。
1.自己紹介
1990年生まれ、生まれも育ちも福島県いわき市です。
中学、高校は剣道部に所属し、中学の時は団体戦で全国大会に出場するくらい熱心に剣道をしていました。
おかげで高校で引退するまでほぼ勉強しなかったことを大変後悔し、首都大学東京に進学後は法科大学院に行くために人生で一番勉強しました。(今はほぼ忘れてしまいましたが。笑)
しかし、大学2年生から3年生になる直前に起きた東日本大震災で実家が被災したことをきっかけに、法科大学院進学を辞め、留学することを決意しました。
これについてはこちらの↓noteに詳しく書いているのでもし良かったらご一読ください。
就活前に半年間イギリスに私費留学、就活終了後に半年間、アメリカに大学のプログラムで留学しました。アメリカへの留学から帰国後、2014年4月に伊藤忠商事に入社し、2019年3月に退職しています。
前提長くなって恐縮ですが、まずは私の7大総合商社の就活戦歴についてお伝えします。
2.総合商社の就活戦歴
三菱商事 :ES&筆記試験落ち
伊藤忠商事:内定
三井物産 :未受験
住友商事 :未受験
丸紅 :内定
豊田通商 :未受験
双日 :未受験
このように、総合商社は三菱、伊藤忠、丸紅の3社だけにESを出して、筆記試験を受けました。三菱商事はES&筆記試験落ちましたが、面接に進んだ伊藤忠商事と丸紅は総合職で内定を獲得しました。
他にも赤いメガバンク系列の信託銀行、人材系のベンチャーに内定をもらっています。
補足しますと、総合商社は応募者数が大量なので、ESはほぼ見られておらず、筆記試験で足切りされます。学歴で足切りされると思われがちですが、実際は試験で足切りされます。
こう言い切れるのは、いわゆるFラン大学でも試験さえ突破すれば面接にたどり着けることと、旧帝大でも足切りされることがあるからです。(友人・後輩の例を知っているので確かです。)
ただ、ややこしいポイントは、①各社によって、試験、学歴、OB/OG訪問の回数などの各パラメータにどれほどのウエイトが置かれているのか不明なこと、②最重要なパラメータである試験の点数が開示されないのでブラックボックスなことです。
いずれにせよ、もし学歴、OB/OG訪問回数などに引け目を感じるなら試験でいい点数を取れるよう、努力した方がいいです。
三菱商事はES&筆記試験落ちでしたが、面接まで進んだ2社はまさかの二分の二で内定してしまいました。次章からは、なぜ内定できたか、私なりの戦略をお伝えします。
3.私の就活戦略
3-1.戦う相手を理解する
いきなりですが、一括採用の日系大手企業の就活において、あなた(学生さん)にとっての競合は誰でしょうか?
もっと細かい言い方をするならば、「一括で100人以上を採用する日系大手企業」でのあなたの競合は誰でしょうか?
私が考える答えは、出身大学が同じ人、もしくは、同じ学群の人です。
ここでの「学群」とは旧帝大、早慶、MARCHとか、国公立(横国、筑波、首都大・・)などを指すことととします。
つまり、MARCHの学生にとって東大生は競合ではありませんし、首都大生にとって慶應生も競合ではありません。
最初のポイントからいきなり暴論に聞こえますか?
でもこれが一番大事なポイントです。
なぜなら暴論に聞こえるということは、あなたも、他の就活生も全く意識していないことだからです。
大手企業、とりわけ総合商社のような人気企業では旧帝大、早慶からの採用が多く、おそらく毎年7~8割(少なくとも6割)はそれらの大学からの採用になります。
しかし、仮にその年の慶應生がどんなに優秀だったとしても100人の枠の中で80人が慶應生になることは絶対にあり得ません。旧帝大も同じです。
理由は、そんな会社は気持ち悪いからです。笑
ダイバーシティの観点から大手企業がその様な意思決定に踏み切ることはできないですし、次年度の採用のことを考えても、内定破棄リスクを考えてもそのような採用は行われません。
ここから分かることは、つまり、たしかに旧帝大、早慶などの大学は採用枠数が大きいので採用され易いでしょう。しかし、仮にあなたが旧帝大、早慶卒でないならば、彼らと比べられることは全く気にしなくていいのです。
つまり、あなたは、あなたの所属する学群の中で最上位に位置するように戦えばいいのです。
例えば、MARCHなら何人、旧帝大以外の国公立(横国、筑波、首都大・・)ならだいたい何人採用すると決まっているので、その中で自分が選ばれるように戦うのです。
決して、東大、京大、慶應体育会と張り合おうなんて考えてはいけません。
そもそも彼らとは同じ戦場にいないのです。
そしてこれは大変喜ぶべきことです。
優秀な人は優秀な人同士で戦いあってつぶしあってもらえるのですから。
旧帝大、早慶卒ではないあなたは、椅子は少ないけど、敵もそこまで強くないフィールドで戦えます。ある意味ラッキーです。
ちなみに、これは逆のことも言えて、たまに旧帝大、早慶の学生で他の学群の学生を見下している方がいますが、本当にナンセンスです。そもそも企業側から見て、旧帝大は旧帝大の中で、慶應は慶應生同士、早稲田は早稲田同士で比べられており、決められた数の椅子を同じ学歴内で奪い合っているのです。
企業はそりゃあもちろん優秀な東大生を沢山取りたいですが、内定出しすぎても蹴られる可能性あるし、100人中100人が東大生にするような振り切れた意思決定はできないのです。
各社人事の方々は各大学の採用人数は事前に決まっていないと口を揃えていうかもしれませんが、事実だいたい同じような人数、割合で推移しているので、彼らの主張は建前に過ぎません。
一方、外資系の戦略コンサルや投資銀行など、毎年10~20名の新卒採用しかしない場合は一部の学校で内定者を固めても色々リスクも低いので問題ありません。
3-2.戦い方を選ぶ
戦う相手については理解いただけたと思いますが、そもそもどう戦えばいいのか?と思っていることでしょう。
まず、就活生の大いなる間違いは、「優秀な学生であること」をアピールすればいいと思っていることです。
だから、毎年就活時期になると、なんとなく肩書アピールしたい学生が増えて、サークルの副会長とバイトリーダーが量産されるのです。
しかし、内定をいくつも取れる学生は、「企業にとって役に立つ学生であること」をアピールできる人です。
もう一つ、重要なポイントは、面接官は、学生を採用する「理由」が欲しいことを意識することです。
つまり、学生であるあなたが面接で意識しなければならないことは、「いかに優秀か」をアピールするのではなく、面接官自身が、「あなたという学生を採用する理由を説明できる」状態にすることです。
こう言い切れる理由は2つです。
理由①
ワンマン中小やベンチャーなら社長がフィーリングでなんとなく採用ジャッジすることもあるでしょう。しかし、大企業、とりわけ大義名分が重んじられる日系大企業では、面接官がその学生を採用する「理由」を他の面接官、もしくは人事に対して説明できないような採用はNGです。
理由②
また、「採用する理由」=「学生が会社内で活躍するイメージ」がないと学生が辞めるリスクがあるからです。
上記を踏まえると、最初に述べたことに戻りますが、面接で学生であるあなたが主張しなくてはならないのは、「いかに優秀な人材であるか」ではなく、「いかに会社にとって役に立つ人材であるか」です。
・志望企業内で求められるスキルは何か?
・自分はそのスキルを持っているか?
・仮に持っていない場合は、自分の持っているスペック or スキルとどのように関連付けられるか?
を考え抜き、言語化ましょう。
学生側の解像度が高ければ高いほど面接官も学生を採用しやすくなります。
具体的にどうやって志望企業で求められるスキルと自分の能力を結びつけるか分からない方におススメの方法があります。
まず、①やってきたこと、②できること、③やりたいことをひたすら紙に書き出しましょう。
すると、当たり前のことですが、「②できること」は、「①やってきたこと」と繋がっており、「③やりたいこと」も、「②できること」の延長線上に存在していることに気づくはずです。
もし、「③やりたいこと」が「②できること」とどうしても繋がらない場合、本当にそれが「やりたいこと」なのか胸に手をあてて考えてみるべきでしょう。
例えば、総合商社を志望する学生なら誰しも、「海外とビジネスしたい」というでしょう。でも、あなたの「できること」に英語力がなく、「やってきたこと」に外国人との交流経験などがなかったら面接官は「海外とビジネスしたい」ことが本当にあなたという学生にとっての「やりたいこと」と判断できるでしょうか? ※注意:総合商社内定者には海外渡航経験もTOEIC受験経験もない人も稀にいるのであくまで例え話です。
ここからは私個人の例になります。
結論からお話しすると、法律知識×留学経験で総合商社にとって役立つ人間であることをアピールしました。
前述の通り、私は大学2年生の終わりまで就活はせず、法科大学院に進学する予定でいました。
法科大学院に行くためにはいい成績が必要だったので、自然と大学の成績はかなり良く、逆にそれ以外アピールできることはほぼありませんでした。
だた、2013年に総合商社を受けている学部生の中で一番法律について勉強した自負はありました。
OB訪問を通して、総合商社ではどうやら営業や交渉力だけではなく、法律知識もかなり重要そうだと理解しました。この予想は結構当たっていて、実際総合商社に入社するとどこの会社も社内試験の昇格試験に法律の試験があります。
私はこれに留学経験も加えてアピールしました。
なぜなら、最近は法科大学院卒業生 or 司法試験合格者をインハウスローヤーとして採用する場合も多く、いくら勉強してきたとはいえ彼らには勝ち目はないと思っていました。
一方、帰国子女や1年以上の交換留学をしている学生に比べて、私費で半年留学した私は留学経験だけで戦うのも難しいと思っており、法律知識と留学経験を掛け合わせて戦い、仮説通り、2社の内定を勝ち取ることができました。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
少しでもこれから就活する方の役に立てれば幸いです。
簡単ですが、まとめると以下の通りです。
①戦う相手を見極めろ。
同じ学群内で比較されていることを忘れるな。
面接官には、学群内で最も採用したい学生だと思わせろ。
②戦い方を選べ。
優秀さをアピールするな。
企業にとって役に立つ人材であることをアピールしろ。
面接官には採用する理由をくれてやれ。
他にもOB訪問や面接での所作、相手に伝わる面接にする方法など小手先のテクニックは挙げればきりがないのですが、それは追々Twitterなどで発信できればいいかなあと思います。
あとなぜ三井物産と住友商事にESを出さなかったかも書きたかったのですが長くなるのでまたいつか。
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