近道は険しかったりする。
知り合いの関西在住、放デイ支援員Bさんからお聞きしたお話。
(このエピソードは加工しています
実話を元にしたフィクションです)
コロナ前、プールが始まる季節。
中学校で、クラスメイトの女の子の着替えのTシャツが消え、Bさんの施設利用者Aくんのロッカーから見つかりました 。
Aくんは、パニックになると暴言を吐き、我慢できずに壁を殴ったり事件を度々起こしていました。
プール授業の更衣の際は、先生が生徒たちを見張ったりしていたようですが、先生が目を離した隙に、Aくんはシャツを盗ってしまいました。
学校からの連絡によると、生徒指導部室で支援学級担任から、Aくんに聞き取りがあり、Aくんが盗ったと判明。
持ってかえる予定が忘れていた。
性的なことにつかう。
取ることが興奮する、と。
先生に暴力を振るおうとした、とも。
保護者からは
知的発達障害のAくんがそこまで喋れたかは分からない…
聞き取りの時、一時パニックになり、Aくん曰く、先生に殴られたと。
(保護者の方は、どっちが殴った殴られたは学校に詳しく聞けなかった様子)
ただ、以前に姉のシャツを盗った事があったそうで、性癖かもしれない…
翌日、Aくんは自宅謹慎。
Aくんのお父さんは、Aくんをかなり怒りました。
初めて手を出したそうです。
次の日、学校から、学校にて指導、態度を改めることができたら謹慎を解除すると連絡が入りました。
性的な理由で自宅謹慎になったAくんの今後の利用を受け入れるか、Bさんの施設で、喧々諤々となりました。
女の子の利用者もいるので、女性スタッフからは受け入れるべきでないとの意見も。
⭐⭐⭐
Bさんは、以前から、Aくんは統合失調症ではないか?と疑っていました。
また、普段のAくんは「おしり」とか「プリプリ」で大笑いするまだ幼い心の持ち主、性的嗜好のために異性のシャツをコレクションするような高度な?性癖か想像できない、衝動的にいい匂いのシャツを手に取ってしまったのでは?と。
Bさんは、施設のミーティングで、Aくんの施設利用を拒む理由はないと主張しました。
「Aくんに確認して欲しいのですが、女の子のシャツを盗って自分のロッカーに入れた記憶は有りますか?
『性欲のために』も、学校の聞き取り者の思い込み、決めつけが疑われますが、Aくんの、なにがしかの目的のために盗って『持って帰る予定を忘れた』計画性に違和感があります。
素人の見解ですが、
『突発的、衝動的な、Aくん本人も理解できてない行動』
の方がしっくりきます。
Aくんに、盗った時、暴言を吐いている時の認識が無いのに、それを叱りつけて、怒ってしまうのは逆効果に思います。
むしろ、カウンセラーを付けて、パニックになった時に、暴言を吐いたり、盗ったりしてしまう事実をAくんに認識させて、パニックにならないようにするにはどうするか?をAくんも含めて進めて行かれてはいかがでしょうか。
また、医師による統合失調症の診断は無いのですか?
素人の見解ですが、統合失調症を疑う必要はあると思います。
Aくんは、薬も統合失調症にも使わるのを服用されています。
ただ、病名を付ける事が重要なのではなくて、学校での支援に、統合失調症の可能性を考慮した対応が無いように見えます…」
施設は、Aくんの利用を今まで通り受け入れることになりました。
⭐⭐⭐
しかし、Aくんはその翌日、その施設でパニックになりました。
お友だちがうるさいと始まり、暴言。
壁を蹴り、机の上にある紙をバラバラにし、薬の服用を促し準備をするも、水筒を投げつけました。
その後イスを投げて、壁に穴があいています。
ところが、イスを投げた直後、
「何で投げたんやろー」
と、すぐに我に返っています。
でも、またすぐ、うるさいと言ったり死ねと言ったりを繰り返し出しました。
Bさんは、Aくんは暴言を発している時、壁を蹴っている時、イスを投げた時、心神耗弱・喪失の状態と判断。
現に、Aくんに、突然沸点が来てイスを投げるまでの記憶は飛んでいます。
20分程、Aくんと話をしたそうです。
興奮状態で大声を出してる時、体に目一杯力が入っているのがわかったので
「しんどそうやなぁ」
「ガマンせんでエエで」
暴言の内容、壁を蹴ったことを非難する言葉は避けたそうです。
Aくんが小康状態になった時、
「みんな、居なくなったらエエねん」
と呟いたので、Bさんは
「オレもおらん方がエエか?」
と尋ねると、Aくんは横に首を振り、しばらく話を続けることに。
Aくんは、少し落ち着くと涙を拭きだしたので、Bさんは
「泣きたい時は泣いてエエねんで」と、言ってあげたそうです。
ボクも、泣けない時の方が精神的には辛いと聞いたことがあります。
「 Aくんは、悪い事をしてしまったと分かってる。
Aくんの中に、悪魔が居て、そいつが悪さをしでかす。
悪魔は、オレにも誰にも居て、でもオレの中に居る悪魔は怠け者。
Aくんの悪魔は元気一杯やから厄介。
その悪魔はAくんの中に居るから、追い出すことはできない。
Aくんがガマンしすぎたり、しんどい時に暴れるから、悪魔が暴れないようにするには、Aくんがしんどくならんようにせなアカン…」
と、Aくんが落ち着いて聞いていたので、Bさんはフォーカシングのような話をされました。
あと、小指の爪の付け根が神経系のツボで、Bさんが押さえてあげたら、Aくんは気持ちいいと。
しんどくなりそうな時は自分で押しなさい、なんて話もしたそうです。
フォーカシングには賛否あるみたいで、今もBさんは、その時の対応が適切だったかどうか分からないと言っていましたけれど、結果Aくんは落ち着く事ができたのだから、立派に、善きサマリア人の法。
暴言やイスを投げた事を責めても、たぶんパニックは治まらない、何も解決しなかったでしょう。
Aくんの根本に、かまって欲しい思いが強くあって、その不満が沸点に導く要因だろうと、Bさんは分析していました。
その不満を取り除くのが一番の近道なのでしょうが、それも、とても険しい道のりにも思えます。
Aくんはその後、薬も変わったりで、パニックの回数はグッと減り、今のところ物損に至るまでの激しいのは起こしていないそうです。
⭐⭐⭐
酔うと、誰彼構わず💋キスをしまくる女性大物芸能人が居られるそうです。
でも、酔っている時にその方に
「強引にキスするな!」
なんて注意しても、
「なんやとぉー お前」
って、ぶっ飛ばされるはずです。
酔いが覚めたら、そんなことは、すっかり記憶に残っていない…
で、 酔ってない時に注意して、
「やたらと💋キスしまくることは良くない事」と納得したとて、恐らく、また酔ってしまったら、彼女は強引な💋キスを繰り返すでしょう。
彼女に 強引な💋キスを、止めさせるにはどうすればよいか?
酔っぱらうまで飲まさないのが一番の近道です。
ただ、近道と言えど、酒好きの女性大物芸能人に、アルコールを控えさせる、これも、とても険しい道なのは言うまでもありません。