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思い出のフォトグラメトリ:写真から3Dを生成する技術

フォトグラメトリという技術をご存知でしょうか?
写真から3Dモデルを生成する技術で、これからさらに注目される分野だと考えています。

この技術に初めて出会ったのは2〜3年前のことです。当時、アパレル(ドッグウェア)のECサイト運営に携わっており、Webとアパレル商品の相性の悪さに頭を悩ませていました。

Webとアパレルの相性の悪さ

アパレル商品をWebで販売する際の最大の課題は、実際に手に取ることができないという点です。具体的には:

触感:生地の質感や肌触りを伝えることが困難
色味:画面上の色と実物の色に差異が生じやすい
立体感:2D画像では商品の立体的な特徴を十分に表現できない
サイズ感:着用時のフィット感を正確に伝えるのが難しい

これらの問題を解決するため、商品ごとの詳細な計測や写真の追加などを試みましたが、根本的な解決には至りませんでした。

フォトグラメトリとの出会い

そんな中、出会ったのがフォトグラメトリでした。この技術を使えば、以下のようなプロセスで3Dモデルを作成できます:

・モデルに服を着せる
・360度から写真を撮影
・専用ソフトウェアで撮影した写真から3Dモデルを生成

私が使用したのは「Trnio」というiOSアプリでした(現在、配信停止のようです)。ぬいぐるみに服を着せて撮影し、できる限り多くの商品画像を3D化してWebサイトに掲載しました。

フォトグラメトリで3D表示した商品1(販売サイトでは任意に商品を回転できました。また不要な部分は削除してもっと綺麗な表示でした)

フォトグラメトリで3D表示した商品2(販売サイトでは任意に商品を回転できました。また不要な部分は削除してもっと綺麗な表示でした)

その効果と今後

どれだけ売上に貢献できたかは、比較対象が無かったため分かりませんが、商品の情報をよりリアルに伝えることができたという自負はあります。
(残念ながら、その会社は事業を停止したため、サイトは閉鎖されてしまいました)

建築、医療、製造、不動産、文化遺産保護、広告、VR、ゲームなど3Dモデルの需要が高まる中、フォトグラメトリは今後、ますます重要性を増していくと思われます。この技術がどのように進化し、どんな可能性を秘めているのか、今後も注目していきたいと思います。

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