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東京フレンドリー結婚⑥−②

怒らない人だった夫の話、つづき。

東京フレンドリー結婚⑥−①

夫は少しずつ怒るようになった。最初は怒り慣れていないせいか、怒るのが下手くそで笑ってしまった。それでも、不機嫌なことを変に隠さなくなった。

そうして夫自身も納得のいくまで話し合いを続けてくれるようになり、二人で原因や改善策を考える様は喧嘩というより謎解きに近い。謎がすっかり解けたらば、「じゃあ私(俺)が悪かったね、ごめんね」ときっぱり終わらせるのが我が家流だ。
私はそのあとすぐにでも裸踊りに移行できるような性格なのだが、夫は気持ちの切り替えが得意ではないらしい。しばらくただよう雰囲気にウェットな名残が残っているが、放っておけばそのうち裸踊りに参戦してくる。

結婚5周年を目前にした今でも、ちょっとした小競り合いは起こる。事象が大きかろうが小さかろうが、嫌なものは嫌だと伝えることだ。喧嘩は避けた数だけ遺恨がふくれていくだけなので、「我慢」とか「折れる」美学は死ぬまでやり抜く気概がなければ捨てた方がいい。

最近では互いの癖にも慣れ、いよいよ本当の「仲良し夫婦」になりつつある。しかし、私に言わせれば仲良し夫婦がどうやって仲良し夫婦になるのかといえば、一番は喧嘩が糧である。喧嘩なしに仲の良い夫婦がいるのなら、5億分の1ぐらいの神マッチングか、仮面夫婦かのどちらかだ。まあ大体後者だろうな。

東京フレンドリー結婚①
東京フレンドリー結婚⑦

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