コメの需給情勢の発表で感じたこと
農水省が16日、令和3年産米の需給見通しを令和2年産よりマイナス56万トンと発表しましたね。
今年のお米の需要量も下方修正、いよいよ“コメ余り”がコロナの影響で急加速してきましたね。
詳しくはコチラ(日経新聞)
この需給見通しはただ「余るよ〜」って言いたいわけじゃなくて、農水省から「わかってんな?生産量減らせよ?」っていうプレッシャーなんですね。
農水省としては今のお米の価格を維持したいので、圧力で需給均衡を取りたいんです。
でもコレって、お米を食べる側の消費者としては何にもメリットが無いですよね…。お米安くならないし。
じゃあ逆にお米の値段がグッと下がってコメ農家が絶滅してしまったら?
これもまた困る。実は結構難しい問題なんです…汗
僕もまだまだ勉強不足で深く理解しているわけじゃないけど、お米を作っている一農家としては無視できないニュースなのは確か。少なくともこういう「需要量急減」みたいな事態っていつかは来るものとは思っていました。
でもどう対策したらいいのか、どういう経営戦略を練るべきか、未だに答えは出せずにいます。
いわゆる「コメ農家」に生まれた僕は田んぼの周りが遊び場だったし生活の一部だったし、今でも仕事であり生活の一部。今でこそ経営面積の半分は麦や大豆などの転作だけど僕の根底にあるのはコメ作り。でもいざこうなると作れば作るほど価格は下がるだけ。
どこまで値下がりに耐えられるか…経営者の手腕が試される時代に突入しそうですね。
ということは、これからの農業に必要な要素は「経営力」コレに尽きるように思います。
一昔前は農家といえば、
とりあえず米作る→食糧管理法で定められたところ(=農協)へ出荷する
で終わってたから正直家族労働力だけで作れば生きていけました。でも今は昔とは比べ物にならないくらいのコストがかかる上に昔ほどの高い米価じゃない。
つまりは、「利益を出せる経営体」でないといけない。入ったお金が全て収入なんて時代はもう無理ですよね。
たまに全然わかってない人いるけど…笑
これから農業をやりたい!って言う人にはぜひ経営学を学んでほしいなと思います。経営する力は農業にだって他の業界にだって絶対に必要不可欠。
今後どう戦略を練るべきか…ひと冬かけて考えます。