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お土産屋にある地名入り個包装クッキーと、 想い


「あら、北海道のお土産ありがとうございます。」(推定43歳)
「あけてみなさい。」(推定82歳)
「そんな、いつもいつもお気遣い頂かなくても。。。」


「・・・あっ、、、、大層なものを、ありがとうございます。。。。」
「ん?消え物の方が良かったかのう?」
「いえいえいえいえ!!!!!お気持ち、大切に飾らせて頂きます。」
「それはよかった。」
「本当にいつもいつも、ありがとうございます。昨年頂いた赤べこの隣に飾らせて頂きます。」


お土産屋さんへ行くと必ず、30〜50枚の地名入りクッキーが個包装されたお土産があって、一体、誰が買うだろう?と思っていたけれども、勤め出してみると、なるほど。


「あれ?佐藤さん今度、年休とるの?なに?法事ですか?」

「いや、ちょっと旅行に・・・」

「ふーーん。いいじゃない。楽しんできてよ。」

「おやすみ頂いちゃって、すみません。お疲れ様でした。」

「やまださーーん、猪倉さん今度の月曜日お休みだから、今日のうちにやっておいてくれない?」

「あれ、猪熊さん珍しいね。なに?病院いくの?」

「いえ、ちょっと家族旅行に・・・」

「・・・いいじゃない。楽しんできてよー」

「ほんと、みなさんすみません。」

「松本さーん!こんど、猪熊さんが・・・」


多くの人に渡さなきゃいけない職場環境だと、個包装で、安価なものはとってもありがたい。そういうニーズはあるなぁと、ガッテン承知の助でした。

それに比べて「ここに行ってきた!」という、少々強引な形あるお土産ものというのは、捨てるに捨てられない代物なわけですが、重たすぎるほどの旅のストーリーが宿っているもののようにも思えます。「おみやげ」というレッテルをぺろっと剥がして、重ためな気持ちを薄目にして見ていれば、どこの地名が印字されていても関係なく全く同じ味のするクッキーよりも、地域性を飾るという行為は、けっこう粋なものだと私は思います。
( でも、仕事の合間の口寂しい時の、あの素朴なクッキーって実にうれしいんですよね。両方欲しいです。 ) 



ランドリー・・・

どこか懐かしさを感じる、帰る場所としての「 写真 」「 道具たち 」を扱っております。

 [ ものがたり ] 盆暮れ正月となれば、何かをするためというわけでもなく、とりあえず帰ろうとする。でも「 帰ってきた 」と、心から深くそう感じられる場所へ、ふと帰りたいと思って振り返った時には、いつの間にか、もうその場所はどこにも無いと気づくこともある。そんな時に、何気なく撮っていた一枚の写真がその役割を果たす時があるように、家のどこかでなにか見覚えのあるような道具たちも、心の帰れる場所があるのでは?と思ったのでした。みなさんにとっての「ただいま」を、感じてもらえる体験となれたらと思います。






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