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加藤功一の議会報告5

市民参加を保証する自治基本条例の制定について

 狛江市では、市民参加と市民協働の推進に関する基本条例が制定されています。いわゆる市民参加条例と分類されるもので、「自治=自分たちのことは自分たちで考え決定する=市民参加」という考えのもと、政策決定や実施、評価に市民が参加することで、自治体と市民との関係を再構築しようとする条例です。
 他方、住民自治に関する基本的な事項を規定し、他の条例に対して、最高規範性を持つ「自治基本条例」が多摩市や武蔵野市などで制定されています。自治の基本理念やビジョンを示し、自治に重要な市民の権利や責務を規定し、行政、議会の組織・運営・活動の基本的事項を定めたものです。狛江市には基本条例の制定を考えているかと質問したところ、残念ながら現時点では検討していませんでした。
 市民参加型予算も追求しています。市民の意思を行政活動に直接的に反映させるために、行政の資源配分を決める重要な政策過程である予算編成に市民が直接関与するしくみのことです。近隣では杉並区が導入を検討し、例えば、インターネットなどを通じて提案を募集しネット投票などで決めていくことを想定しているそうです。三重県名張市では「住民が自ら考え、自ら行う」まちづくりを実現するため、2003年から「ゆめづくり地域予算制度」を実施しています。おおむね小学校区を単位とする15の地域づくり組織に、使途を限定しない金を交付し、住民合意によるまちづくり事業に充てています。東京都でも「都民が提案し、都民が選ぶ」しくみである「都民による事業提案制度」を2018年度予算から導入しました。テーマ別に提案を募集後、都庁で精査し、インターネット投票を実施しています。
 このような市民参加型予算について狛江市に見解を尋ねました。市の認識は、市民参加と市民協働の推進に関する基本条例等にもとづく諸事業がそれに近いというものでした。
 さらに、青森県弘前市では、「市民参加型まちづくり1%システム」というしくみがあります。個人市民税の1パーセント相当額を財源にして、市民自らが実践するまちづくり、地域づくり活動に係る経費の一部を支援する、公募型の補助金制度です。「市民力」による魅力あるまちづくりのために、このような1%システムの導入も提案しました。市はすでに各種の補助制度があり、従来の制度でも対応できる旨、答えています。
 そのほか、愛媛県松山市で進む市民参加型のスマートシティづくりや町田市の市民の声を行政経営・行政サービスの向上に活用するための「町田市市民参加型事業評価」、スペインのバルセロナで誕生したオンラインによる市民参加型合意形成プラットフォームや加古川市などではじまったプラットフォームなどを紹介して、導入を提案しました。これらに対して「研究中」などの回答でしたが、なかには、「たひへんよいとりくみだと思うので、今後の参考にする」という答弁も得ました。
 これからも市民参加のしくみを追求していきます。

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