見出し画像

加藤功一の議会報告8-2


一般質問のその後を検証


 過去、任期中に危害の一般質問で取り上げた課題について、任期切れ前の議会で現在の状況についてひとつひとつ検証を行いました。

⑨HPVワクチン積極的勧奨の再開について


 
 国は、2013年以降止まっていたHPVワクチンの積極的接種勧奨差し控えを終了し、積極的勧奨を再開しました。さらに、いままで日本では接種対象を女性のみとしていましたが、2020年12月からは男性も接種対象になりました。千葉県いすみ市は小学6年~高校1年相当の男性の子宮頸がんワクチン接種費用を全額助成することを決め、中野区でも助成をはじめる予定です。
 狛江市の対応を質問しました。2022年、「予防接種法にもとづく対象者である小学校6年生から高校1年生相当の女子1,795人に対し、4月中旬に通知を送付」したとのこと。積極的勧奨中止期間に接種の機会を逃した女性にも「キャッチアップ接種」として同様の接種を受けられることになり、キャッチアップ接種対象者3,861人にも通知を送付したとのこと。23年1月末までの延べ接種回数は、定期予防接種対象年齢の女性は356回、キャッチアップ接種対象年齢の女性は347回の接種となりました。、キャッチアップ接種対象者のなかで、自費で接種を受けた人については接種費用の償還払いを実施していると報告を受けました。
 男性へ助成は、厚生労働省厚生科学審議会でも議題に上がっていることから、「今後の動向に注視する」としていました。
 

⑩インクルーシブ公園について


 東京都は、21年4月に「だれもが遊べる児童遊具広場整備ガイドライン」を定めました。、障がいの有無や国籍などに関わらず、あらゆる子どもたちがいっしょに安全に遊ぶことができる場を整備することを目的にしたガイドラインです。今後、狛江市でも、インクルーシブ公園を整備すべきと考え、市の見解を尋ねました。市は「新たな公園整備にあたっては、インクルーシブな視点を取り込んでいくことは必要であり、魅力ある公園づくりにも繋がることから、想定される利用者や地域の声なども聞きながら検討していきたいと考えております」と前向きな答弁を得ました。
 

⑪パークPFIの可能性について


 公募設置管理制度(パークPFI=都市公園内で飲食店や売店などの収益施設の設置や管理を行う民間事業者を公募により選定する制度)」を活用すれば、民間事業者による優良な投資を積極的に誘導することができ、計画の有効期間は最長20年になり、設置管理許可の更新も実質的に保証されます。パークPFIを活用することにより、公園管理者は、民間資金を活用することで、公園整備、管理にかかる財政負担が軽減され、民間の創意工夫を取り入れた整備、管理によって、公園の魅力、サービスレベルが向上することが可能になります。
 狛江市は、「公園の維持管理や運営については、パークPFIに限らず、民間の知恵や資金等を活用した手法についても、情報を収集しながら、あらゆる可能性について検討してまいりたい」と答えています。
 

⑫小中学校の給食費の無償化について


 小中学校の給食費は、都内では中央区、台東区、品川区、世田谷区、北区、荒川区、葛飾区の7区で無償化されました。足立区では中学校の給食費を無償化します。本来ならば、国の責任で無償化するのが妥当だと考えますが、狛江市でも無償化するべきだと考えます。ただ、全学年で無償化すると狛江市では2億8000万円ほどかかると思われます。
 狛江市は「学校給食は学校給食法に基づき実施しているものであることから、給食費無償化について、本来は国の財源により全国統一的に実施されるべきものと考えますが、現段階においては、給食費無償化には給食そのものに対する考え方や財源確保が課題となりますので、各自治体が全体の施策の中で優先度を判断し、財政状況を勘案しながら決断された結果であろうと考えています」と消極的な考えを示しています。
 

⑬保育業務の効率化・負担軽減について


 狛江市では自治体向けの保育業務支援ソフト「コドモン」を導入し、登園・後園の管理や欠席の個別連絡、円便りの配信などを死して無常で行えるようになり、職員の事務負担が軽減されています。コドモンの活用範囲を広げることや保育業務にRPAを導入すること、入園申込の受付処理の電子化、保育園の申し込みの電子化、AIを活用した保育所選考システムの導入など、狛江市の所見を聞きました。
 市は「コドモン活用の幅を広げ、更なる業務改善に努める」とし、電子申請については学童クラブの申し込みで開始しました。「今後、ブラッシュアップを図っていきたい」とのことでした。AIを活用した保育所選考システムの導入については、現時点において目途は立っていない、将来的な導入を見据えて引き続き調査研究を進めたいという回答でした。
 

⑭グリーンスローモビリティの活用について


 グリーンスローモビリティ(低速の自動車を利用した公共交通サービス)は、乗合タクシーやコミュニティバスでもサービスが困難な領域をカバーし、環境への負荷が少なく、狭い路地も通行が可能で、住宅地などから最寄りの生活拠点やバス停・鉄道駅を連絡するラストワンマイルのサービスに適したしくみです。2022年11月には野川まちづくり協議会によって試験走行が行われました。
 狛江市には、グリーンスローモビリティの導入に向けたとりくみを聞いたところ、「二酸化炭素の排出抑制と交通の利便性向上、まちづくりや観光における小型モビリティの可能性を検証するため、グリーンスローモビリティの実証運行を予定している」との答弁を得ました。
 

⑮市民参加型合意形成プラットフォームの活用について


 日本では加古川市からはじまった市民参加型合意形成プラットフォームですが、神奈川県南足柄市や大阪府豊中市ほかが「住民参加型のまちづくり」に向け、プラットフォームを活用した実証実験を実施するなど導入自治体が増えています。多摩地域でも採用を検討している自治体があると聞いています。
 市にはこのような状況を説明して、市民参加型合意形成プラットフォームの導入について考えを聞いたものの、「事業者や導入自治体の取組事例を伺うなど、研究をしている」段階でした。
 

⑯オープンデータの利活用について


 行政情報を積極的にオープンデータとして公開して利用者に活用されることで、公開した情報に対する電話や窓口による問い合わせなどが減ることになり、最終的には職員の業務負担の軽減につながるものと考えます。さらに、オープンデータとして広く市民や地域に共有することで、データの可視化・分析などを通して市民の行政参画や市民協働の動きが促進し、地域の活性化にもつながります。2022年11月時点の公開件数が4件だったのが、順次公開されているようになりました。現状について次のように市の説明を受けました。
 「オープンデータ作成のための9つの指針」と「狛江市オープンデータ作成マニュアル」を作成し、22年10 月18 日の庁議に報告後、全庁的な取組みとして、統計データを中心に、作成できるものからオープンデータ化を進め、23年3月1日現在、東京都オープンデータカタログサイトにおいて、170件のデータを登録したとのことです。よりいっそうの公開を望みます。
 

⑰メタバース・NFTの活用について


 バーチャルツーリズム、バーチャルショップなどインターネット上の仮想空間や仮想通貨(メタバース・NFT)の活用による地域活性化や引きこもり支援、不登校支援へのメタバースの活用について市の見解を聞きました。
 それによると、狛江市観光協会による撮影支援にかかわる作品やロケ情報、市内各所に展示している絵手紙作品などの素材を活用したバーチャルツーリズムなど、メタバースやNFTを活用した地域活性化の取組に向けて、権利関係や費用面、先進自治体のとりくみなどを今後調査・研究したいとのことでした。
 教育分野では、一般財団法人の協力を得て、自閉症・情緒障がい特別支援学級在籍児童に、アバターを活用した交流学級や不登校支援の実践研究を行っているとのことでした。周囲の環境にストレスを感じる児童が画面に顔を出さなくてもアバターが喜怒哀楽を表現してくれることによって、通常のオンラインのリモートより授業や学校行事や授業への参加意欲が高まっているそうです。

いいなと思ったら応援しよう!