RSGT初参加記録 -RSGT2025-
約1年前2024年2月にWomen in Agile Japanに参加したとき、「先月のRSGTで……」という会話を聞いた。「RSGTって何?」と質問したのが、私とRSGTとの出会い。RSGTは、Regional Scrum Gathering Tokyoの略というのを教えていただき、その場で覚えた。
そんなRSGTを知ったWomen in Agile Japanとの出会いは、2023年12月のJaSST'23 2nd TokaiにLT参加したとき。LTに関して「この話、スクフェスにも出してみたら?」とお声がけいただいた。「Women?」と思いながらも、タイミングがちょうどよかったので、プロポーザルを出してみることにした。
JaSST'23 2nd TokaiでLTにチャレンジしたことがこんなにつながってくるとは、全然思ってもみなかった。最初の小さな一歩は本当に大事だし、お声がけいただけたことに感謝。
「スクフェスにも出してみたら?」とお声がけいただいたプロポーザルは採択にいたらず、今日に至っている。これから新しいチャレンジをして、また別の内容でプロポーザルを出していく予定。
私はイベントと無縁なテスター・QAエンジニアをやっていた。2019年に合宿型の勉強会WACATEに思い切って参加し「たのしかった!これから会社の外にも出て行っていろいろ学んでいこう!」と思ったところで、2020年に突入。各種イベントがオンラインに切り替わった。
なので、自称・イベントオンラインネイティブ世代。
イベントオンラインネイティブ世代がオンサイトのイベントに参加すると「画面の向こう側の人だ!」と背筋が伸びることはあっても、「久しぶりー!」となることは、皆無。
そんな私が、RSGT2025に単独で飛び込んだ。
飛び込んだ先が崖だったら怪我じゃすまないかもしれないし、飛び込んだ先が深い海だったら息ができなくなるかもしれない。大げさなじゃなく、そんな気持ちだった。
これを書いたきっかけ
Closing Keynoteにて本間さんが「未来を託す」とおっしゃっていた。
私は未来を託されたひとりなんだ。
会場の隅っこにいた初参加の私の言葉が誰かに響くこともないかもしれないけれど、それでも未来の参加しようか迷っている人、これから初参加の人に何かを届けられたらいいなと思っている。
セッション内容については書かない。初心者がどんな風に参加していたかを記していく。
dayマイナスx
チケット購入
2025年の現地参加チケットは、10月1日の12時と11月1日の12時に発売開始だった。
2026年は2025年と会場が異なるので、現地参加の人数が増えるのかもしれないが、チケット争奪戦がすごい。
申し込み始めてから躊躇しないよう、関係各所との調整と覚悟を決めるのを、お早めに。
RSGTのWebページやSNS「#RSGT」「#RSGT2026」などで発売開始日の情報が出てくるはず。気になったタイミングでチェックして、情報を得たらチケット購入するためのスケジュール登録をしておくのがおすすめ。
チケット購入に関して「発売開始の数分前から待機して画面リフレッシュをしながら待つ」といった情報が出ていた。
私の場合はというと、11月1日の12時ちょうどにWebページに入り苦労することなくチケットを購入することができた。ビギナーズラックなのか過去にやっていた連打テスト実行の成果なのか、真相は謎。
事前準備
申し込みが完了しDiscordで受け付け対応をすると、申し込みした人専用のチャンネルを確認できる。
一番書き込みが増えるのは開催中。それでも事前に入っておくことで、どんなチャンネルがあるかを見ることができ、徐々に書き込みが増えていくのを見ることで、雰囲気が少しずつわかってくる。
やさしい世界なので、はじめての書き込みが否定されたり、空気を乱したりすることはない。それでも、初心者にとって見知らぬ場所に書き込みすることは、とてもハードルが高い。
まずは書き込みを眺めながら、リアクションをつけてみるのがよさそう。「知らない人にリアクションつけられた」と迷惑がる人なんていない。
大丈夫、あなたはもう参加する仲間のひとり。
day0
18:40に開始、21:00前に終了だった。
RSGTに単独で参加する予定の人はぜひ参加してほしい。
私は、一人でカフェに入ることもできるし、一人旅も好き。一人のときに焼肉を食べたくなったことがないので一人焼肉はしたことがないが、たぶんできる。
セッションを聞くのに隣の席の人が知り合いじゃないことで困ることはないけれど、Gatheringの場で一人ランチは、もったいない。セッションの感想を話したり、普段のお仕事の話をしたりしたい。でも誰と……?
そんなことになりそうな人はday0で「仲間を増やすための会」に参加しておくと、ランチ仲間を作ることができる。
「初参加」を強調していて実際にRSGTは初参加なのだが、私はスクラム界隈のイベント現地参加が初というわけではない。2024年にWomen in Agile JapanとScrum Fest Niigataに現地参加をしている。このため、お顔・お名前・Discordのアイコンを知っているくらいの人が何人かはいる。
day0の「仲間を増やすための会」で、「Discordのボイスチャンネルをつくったので、いい感じの人数になるように自由に入ってください」というタイミングがあった。
このとき、先にボイスチャンネルに移動した何人かを見て「知ってるアイコンがある!」と気づいた。知っている人がいると安心だと思いその人と同じ部屋に入ろうとした。しかし、私は知っている人が誰もいない、全員はじめましての人の部屋に入ることにした。この選択は、RSGT2025での行動変容だと思う。小さくて大きな第一歩。
day1
day0で出会ったはじめましての人たちでday1のランチをして、お話しをした。
「みんな2階でお弁当を受け取ろうとするから、1階に行くとたくさんの種類からお弁当が選べる」という情報を得た。2026年は会場が変わるので、来年以降も使える術かはわからない。おそらくKeynote会場から遠い場所のお弁当は選び放題、たぶん。
day2
2日目は、1年前にWomen in Agileで出会った人とランチをした。知り合いの知り合いが集まり4人でのランチになった。この広がりがすてきだ。
私も、知り合いに別の私の知り合いを紹介できるようになりたい。
私は、廊下でGatheringが始まる場面を目撃した。
ひとりでソファに座ってお弁当を食べている人がいて、そこに通りがかりの人が「おいしそうに食べてるね」というような言葉をかけ、ふたりの会話が始まった。そこにもう一人が加わり、最終的に3人で話していた。
明るい未来の話をしていた。すごい。
こんな風に会話をはじめられるようになるには、今の私にはまだ何かが足りない。
フォトブースと珈琲コーナーにもいってみた。
写真を撮っていただいているときに「もっと背筋伸ばして」と言われた。猫背、気をつけよう。
珈琲を入れてくださっている縁の木の方と蔵前の話をしていたら、近くにいた人が、そのエリアなら……と、浅草橋のとんかつや情報を教えてくれた。知ってる話題をしていることを察知して、すっと入ってくるの、すごい。私も会話に混ざるの、できるようになりたい。
とんかつやさんの場所はばっちり把握できたので、今度いってくる。
day3
ワークショップとOSTの日。私はワークショップに参加した。
「スクラムをやっているようで、やれていない感じ」がずっとしているので、チーム外の人とスプリントプランニングをテーマにいろいろ話せて有意義な時間だった。
メモ魔なので、ワークショップの会話をどんどん付箋に書いて貼っていった。その点では、チームに貢献出来た気がする。アイディアはあまり出せなかった。普段の業務を通してたくさん考えて、引き出しを増やしたい。
感想
SNSを見ていると、日付が変わっても盛り上がっている様子が発信されている。
コアメンバーというのは、day1からday3までノンストップで参加している人、飲み会を通してどんどんGatheringしている人という印象がある。
実際は違うのかもしれないが、外からはそのように見えている。
私は自分の特性の事情で、食事をしながら複数の会話が同時並行している場がとても苦手で疲労するので可能な限り避けているし、絶対音感を持っているのにうまく歌えず自分の声に酔うという理由でカラオケにもいかない。
だから、本編が終わったら静かな場所に移動している。
そんな私は、何度スクラムフェスに参加したとしてもいつまでも新規参画者としてうろうろしているのではないかという思いがあった。
day0で、「どう参加するかなんて人それぞれで大丈夫!」というコメントを聞いて安心した。そして、実行委員や複数回参加しているメンバーは、飲み会に参加しない私でも受け入れてくれるのかもしれないという気がした。
正統的周辺参加の中心部分が「day1からday3までノンストップで参加している人」で、その領域には永久にたどりつくことはないだろうという思っていた。しかし、その考え自体が違っていて「中心的な部分」そのものにもいろいろなパターンがあるのではないかと思い始めている。
私は歩いていると、よく道を聞かれる。印象的な経験はこんな感じ。
東京駅で、イタリア人にコインロッカーの場所を聞かれる
東京駅でコインロッカーを使ったことがないので焦ったし、英語も苦手
約15年ぶりに観光した京都で、中国人に一番近い駅までの道を聞かれる
京都の地理はまったくわからないし、私自身もちょっと道に迷っているタイミングだった
大雪の日にスキー場で、どこからが道かと聞かれる
道そのものを聞かれた経験がある人はレアだと思う
友人が「おしゃれ過ぎなくてちょっとダサい普通の感じで、のんびりしていて、害がなさそうだから、道聞かれるんじゃない?」と言っていた。
容赦がない気もするが、あてはまるような気もする。
この私の特徴は、話しかけやすい人としてキャラづけできないだろうかと考え始めている。場所案内係でも人と人をつなぐでも、何かで活かしていって、近づくことのできる中心的な部分を探していきたい。
「家に帰るまでが遠足」というのは、よく聞く。RSGT2025の場合は、終わって家に帰ってからが本当のRSGT2025のはじまりだと思う。
自分の行動をちょっとずつ変えて、新しい世界を見に行きたい。