Jeff PattonさんのCSPO研修を受講しました-2025年1月-
私とリアルでお話ししたことのある人はタイトルを見て「年末くらいに、QA継続宣言してなかった?POになるつもりなの?」と感じているかもしれない。
まぁ焦らず聞いてほしい。
受講のきっかけ
対面研修を受けてみたかったから
1月に受講できる研修を探していて、日程がちょうどよかったから
開催日は、2025年1月14日(火)-1月15日(水)
スクラム開発チームに身を置いたことで少しずつスクラムへの理解が少し進み、もう一歩理解を進めたかったから
POだけがPOの業務を知っているのではなく、POではない私もPOのことを知ることが、共通理解を得られる状態に近づけられるだろうと考えた
講師がJeff Pattonさんだったから
書籍『ユーザーストーリーマッピング』を読んでいること、RSGT2025とつなげて考えられるきっかけがあるかもしれないと思った
申し込み
こちらから申し込みをした。
申し込み時に「開催場所:東京」という情報しかなく、県境だったり山の中だったりしたら大変だなと思った。申し込み後の連絡で場所がわかり、自宅から行きやすい場所での開催だったので安心した。
研修内容
「スクラムの外の話をたくさんする」という言葉で始まった研修は、本当にスクラムの外のことをたくさん学んだ。それにもかかわらず、スクラムチームの活動を改善するためのヒントがたくさんあった。
「自分のアイディアは誰かの課題を解決するはずだ」はバイアスがかかっている。
この話は1日目の序盤に出てきた。
内心「もちろん誰かのバイアスはかかるけれど、何等かの課題は解決するでしょう」と思いながら聞いていた。
ワークの内容を書かないとわかりにくいかもしれないが、2日目のワークの中で、私は「余計なものを自動で消す」というアイディアを出した。付箋に書き出したとき、これは最高のアイディアじゃないかと思った。
しかし、チームに共有すると「その時に余計だと思ったとしても、残すことでこんな時に価値が出てくる」という情報が出てきた。
私のアイディアは、価値提供の優先度が低いどころか、価値を奪いかねないアイディアだったことに衝撃を受けた。
ひとりの意見で進めてしまうということは、こういったリスクが発生しうるのだということが身に染みてわかる体験だった。
ユーザーとチューザーは一緒?別?
「ユーザー(User)のことを考えると」という会話は現場でよくしている。しかし、チューザー(Chooser)という言葉を使ったことはなかった。
今まで私がユーザーと言っていたのは、ユーザーでありチューザーのことで、自ら選んでこの製品を使っている人だけを対象にして考えていた。
ユーザーがチューザーと一致することもあるが、不一致の場合もある。このことを考えたことがなかった。
製品をリリースした後のことを考えているつもりでいたが、考えられていることは一部のケースだけだった。その状態で進めても適切な価値提供をすることはできないと気づいた。
ユーザーとともにチューザーについても考えながら製品開発を進めていく。
「共有ドキュメントは共通理解ではない。」
書籍『ユーザーストーリーマッピング』にも記載がある一文。
ドキュメントをゼロにはできないし、ドキュメントがあることでスムーズにできる作業もたくさんある。
しかし、ドキュメントにはそのときにイメージしていることや理由まですべての情報を記載しきれない。
この問題は、私のドキュメント作成能力が低いからだと思いがちだった。そして、情報を網羅しようと、文章量が多くなったり補足資料を増やしたり、なんとかして周囲の期待に応えようと対応していたつもりだった。
『完璧な書こうとするのはやめよう』『良いドキュメントはバケーションの写真のようなものだ』というお話しを直接伺った。そして、アイディアだしの付箋についても「誰がこの意見のオーナーなのか」と付箋に名前を記すことが多かったが、「チームの意見で共有理解があれば、誰が書いたかは重要ではない」というお話しを伺った。
改めて、ドキュメントの在り方やチームの情報の共有の方法や内容を考えるきっかけになった。
「直観を信じる」
アイディアを書き出すとき「自由にどんなアイディアでもよいから書く」ということはわかっていても、「記載の粒度はこれであってる?」「こんなこと書いたら却下される?」「そもそも面白いアイディアなんて何も出てこないけど……」となかなか手が動かないことがある。
チームがそういう状況になってしまったとき、どうやって状況を打開したらよいのだろうか?と思ったので、質問をした。
Jeffはこの質問への回答の途中で「私もそういう場面になったことがある」と発言した。Jeffのような人でも最初からうまくいくわけではなく、状況を見ながら対応をしていることを知れたことは収穫だった。
また、近くの席にいた受講者が「質問よかった。自分の最近の課題に対するヒントになった。」とフィードバックをしてくれた。
私は研修を受講しているとき、質問者に対してフィードバックをしたことがないことに気づいた。「似たようなことを聞いてみたかった」や「質問によって理解が進んだ」と思ったことはある。今後は、それを伝えていくことで研修受講者同士のコミュニケーションをとっていく。
本編以外
食べたもの編
研修1日目のランチは、とんかつ弁当をいただいた。午後のはじめの時間で豚の絵が出てきたときはびっくりした。
研修2日目のモーニングには、研修会場近くのお店にトーストを食べに行った。研修2日目の最初に全員で視聴した動画は「トーストの作り方」の話題だった。
ランチの中の1種類にとんかつ弁当があったことは把握されていただろうし、モーニングにトーストを食べることはそんなに不思議なことではない。
だから、無理やり関連付けているような気がしなくもないけれど、食べ物の偶然の一致が2回も!
午後のアイスブレイクにアイスをいただいた。アイスクリームでブレイクタイム、いつか私も「アイスでブレイクしよう!」とアイスをふるまいたい。
スカイツリー編
1日目の研修終わりに「今日は1月14日で満月」ということに気づき、撮影してみた。
研修でしっかり頭を使って、歩いて運動して帰って、のんびりお風呂に入ってリラックスした結果、かなり心地よい疲労だった。はやい時間に寝たら、2日目は朝3時過ぎに目覚めてしまった。散歩してから研修会場に行った。
英語編
今まで英語を話している人を見て、「かっこいいな」と羨望の目で見ることはあった。それでも「私にはできないし」で終わってしまっていた。
今回の研修も「英語できなくても通訳あるから大丈夫でしょ」のノリと勢いで申し込んだ。
最近半年くらいの間で「英語ができるようになりたいな」と思うことは2度あった。しかし、「空を飛べたらいいな」くらいの実現可能性のない思いとして言っていた。
研修そのものは素晴らしい通訳のみなさんのおかげでクリアできたが、直接会話がしたいときにもどかしかった。
はじめて「英語で会話したい」と心から思った。それでも心のどこかで、今までずっと避けてきたし、私には無理なんだろうなと思っていた。
2日目のランチで英語に関する話になった。「30歳を過ぎてから英語を勉強した」というお話しを伺った。普段なら「できなかったとはいっても、本当は最初からできたんでしょ。基礎力が違うんでしょ。」と捻くれて終わってしまいそうだが、かなり具体的にお話しを伺ったことで自分もやってみようという気になった。
2025年は、英語を継続的に学習することに決めた。
グラレコ編
私は、ちょこっとだけグラレコをかじる程度にやってみたことがある。
発表に関するグラレコでは、発表者とレコーディング者が別の場面しか見たことがないが、Jeffの研修はセルフでグラレコしているようだなと感じた。
グラレコをしたときに、発表者から「そういう意図じゃなかった」とフィードバックをいただいたことがある。矢印でのつなげ方に対してだったと記憶している。
研修講師が話し、そして書いているものを共有して進めることは、受講者にとっては言葉を受け取ってさらにグラフィックで見ることができ、共通理解に近づきやすくなる。
「白い紙を用意して、書きながら進めるLT」みたいなのやってみたい。手元を映すカメラの調達からか。
私は学生時代に図工や美術が得意ではなかったし、ノートやメモにさらっと絵を描くようなことはしてこなかった。
そんな私でも、ペルソナイメージを描くタイミングに、30秒くらいで「32歳・男性」の顔を描けたのは、グラレコをやったことによるものだったと感じている。
もちろんスクラムの研修やワーク内容と直接関係することではないし、ペルソナの絵がうまく描けなくても研修の進捗には何も影響はない。それでも、ちょっとした経験が活きたような気がして、なんでもチャレンジしてみるのは大事だなと思った。
感想
POがCSPO研修を受けるのはもちろん、PO以外のスクラムチームメンバーや、ビジネスチームのメンバーにとっても実りのある研修に感じた。
そして、POがやるべきことの多さを改めて実感したし、スクラムマスターや開発チームにも大きな責任があることを実感した。
ただ、PO以外の人に「たのしかったし役立つからぜひあなたもCSPO研修を」と言っても、なかなか届かない。アプローチの方法を考えていきたい。
講師によって特色があるとのことなので、別の講師の方のCSPO研修にも興味が出てきた。
いただいた研修資料を読み返し、今回の研修で得た知識を活かして、自分の業務、チームの業務を少しずつ改善していく。