天気の子見た

今回映画を見るにあたって、ただ見るだけでは面白くないと思い、見終わった後に何らかのメタ的な考察することを前提に映画を見た。この前トイストーリー4を見たあとに見た考察ブログのような、登場人物だけでなく製作者の意図までくみ取るような考察。物語をもっと大きな抽象的な枠組みの中で再定義するような考察をしてみたい。

まず映画を見る前にタイトルの「天気の子」から内容を予想した。君の名はの新海誠監督ということも大きなヒントとなった。
物語の普遍的な枠組みとして、最初の状況設定がとても重要だと考えた。映画を見始めては、世界観に入り込んでしまうので、そもそもなぜそのような状況なのかということには気づきにくいように思う。その一方で、状況設定こそが映画のアイデンティティであり製作者の描きたかったものであるわけで、これをみすみす見逃す手はない。
そして物語にはストーリーが必要だ。ストーリーとは課題とその解決といえるだろう。バイキンマンが悪さをしアンパンマンが倒す、宝探しに出て宝を見つける、冤罪で投獄され脱獄する、死体が見つかってないから探しに行って見つける。以上3点から考え出した予想はこうだ。
ある少年は台風のような天災によって危機的な状況に陥るが、天気を操れる少女と出会い、交流を重ねていく過程で救われる。課題が天候系の天災で、解決は天気の子である少女だ。あと新海誠監督だから君の名は的な恋愛要素も多く含まれてくるだろう。
と予想していたが、映画を見終えてからこれ書いてるから映画から多少は影響受けちゃってる。けど予想の大筋は外れていないと保証する。さて実際の映画のあらすじはというと、雨が降り続ける東京に、とある島から少年が家出してくる。少年と天気の子である少女とが出会い交流を重ねる。しかし降りやまない雨をとめるため少女は空に消えてしまう。天気は元通りになったが、少年は少女と離れたくないがために、空から少女を連れ戻す。東京には雨が戻り、家出少年も警察に補導され島に戻った。時は経ち3年後、東京は半分ほどが海に沈み、少年は少女を連れ戻したことに多少の罪悪感を感じているようだった。しかし少女と再会し、自分は天気より彼女を選んだんだと、雨の東京を肯定的に受け入れ、物語はハッピーエンド風に完結した。
自分の予想はあながち間違ってなかった。が恋愛系のテイストで天災を克服する話かと思ったら、天災のテイストで愛の話だったから、180°予想が外れたともいえる。よく考えてみたら君の名はも、世界を救うというより恋愛がメインだったのかもしれない。時系列が複雑でよく話わかんなかったから何とも言えないけど。
天気の子に話を戻すと、そしてこうまとめて振り返ってみると、別に天気の子じゃなくてもよかったやん、と強く思った。世界に普遍的に存在して人間には手の出せないものであれば天気じゃなくてもよかったと。そうか、時間がそうだ。そっか、だから今回は雨をやませなかったんだ。前回は時間が正常になって二人が離れ離れに、今回は天気が異常なままで二人が一緒に。ファンタジーと恋愛の2ストーリーが入り交じるが、どっちも上手くは終わらないよという現実的な収め方。全部ハッピーエンドだとどこか浅はかだし、バッドエンドだと救われない。その中間のファジーな感じ、粋だ。他に君の名はとの共通点を考えてみると、神社が思いつく。次作も、運勢を操る妖怪とか、運命を左右する神とか、地獄と天国とか、神社を絡めつつ古来からある神秘的でスケールのでかいことをテーマにしそう。
今、君の名はのあらすじ見てきたけど思ってた感じと違った。自分の考察は的外れだったけど、ストーリー展開の巧みさに気づけた。天気の子と似ているようで全然違った。君の名はがここまで作りこまれているなら、天気の子も徹底的に作りこまれているんだろう。意味のないシーンなんてないはずだ。考察しがいがある。

久しぶりにノート書いたら長くなってしまった。まだ考察の序の序なのに。長すぎるから続きは別に書きます。


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