中国人の再就職活動から見る自己評価の高さ
今年の春節明けに、また1人会社を辞めてもらった。2年の契約期間はまだ数か月残っていたが、本人の就職活動のし易さも考慮し、早めに本人に契約を更新しない旨伝えた。
※上記NOTEにも書いたが、この部下も自己評価の高い人間だった。
毎日夜中の2時ごろまで起きており、8時過ぎに起床して会社に出社。遅刻はしょっちゅう、朝食は会社に来てから取るというのが彼女のスタンス。
基本、うちの会社は人事考課の中で会社に来てから朝食を食べる行為は人事考課ポイントから差し引くという厳しい(?)社内規則がある為、彼女は新しい期がスタートして五日目にして、人事考課ポイントがゼロになっている(5点満点)。
出社した後も、ボーっとしてる時間が長く、ダンス好きな彼女は脳内に流れているであろうミュージックと共に、身体を上下左右に揺らして踊っているかと思いきや、大きなあくびをしたり、寝落ちしたりする(笑)
仕事を与えても、やることが遅く、ミスも多い。日本に2件クーリエを送る手配を指示したところ、逆の客先に送ってしまい、各客先に頭を下げて正しい住所への送付を依頼せざるを得ない始末。
このような状況にも関わらず、「私は能力が高く、仕事が出来る」と勘違いしているのが末恐ろしい。自分を俯瞰的に見ることが出来ない人程怖い存在はない。上司としては恐ろしくて大事な仕事を任すことはできない。
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契約更新をしない旨本人に伝えたところ、「どうして契約更新しないのですか?理由を教えて下さい」と言われ、「コスパが悪い」と説明。仕事の能力を総合的に加味しても手取り6,000元レベルだとはっきり伝えた。
その日は少し落ち込んでいるように見えたが、すぐに就職活動を開始し、面接だので有給消化をしていった。
ところが、2カ月たっても全く辞める気配がない。痺れをきらした私はもう一人の部下に状況を聞いてみた。さすがの日系企業も彼女の能力のなさに気づき、採用が決まらないのかもしれない。
「いや、面接は結構行ってるし、オファーも来てるみたいなんですけど、彼女がえり好みしてるそうです」と。思わず天を仰いだ。このレベルの人間が日系企業を選別しているというのだ。
「文具業界は未来がない」「鉄鋼商社はブラックだ」「〇〇忠は給料が安い」だの、お前ごときが言うなという言葉オンパレードである。ある意味ここまで自己評価の高い人間が羨ましく感じる程である。
結局、彼女はどこかの日系企業に決まったそうなのだが、その日系企業ではうちよりも給料が高くなるという。ああ、こんなやつを雇うんじゃなかったとその日系企業が天を仰ぐ日が来ないことを祈るばかりである。
※転職希望先の会社から(採用をほぼ決めようとしている会社側から)電話がかかってくることもよくあるのが、中国ビジネスあるあるである。お宅の会社での勤務態度はどうでしたかとか、本当の転職理由を教えて下さい、能力はどうですか?等結構ドストレートで面白い。