2021年10月の南京で感じたことを雑多にまとめてみた
食べ物
今回3年ぶりほどに来た南京だったが、改めて事前に食のリサーチをしていて、おやっと思った。いやぁ、なんか食べるものがないなというか食欲をそそるような料理が見当たらなかったのである。これぞ南京という食べ物が盐水鸭や鸭血粉丝汤くらいしか思いつかないのだ。大众点评必吃榜に並んでいるのは四川料理屋や他の地方の料理ばかり。麺は完全に揚州式のもので、早茶ももろに揚州の影響を強く感じる。辛いものが今のトレンド?なのか、四川料理と特に火鍋の店がやたらヒットする。え?ここ四川なの??と勘違いするぐらい多い。
日本料理に限って言えばなんちゃって日本料理屋が多い。そもそも日本人が少ない街なので仕方ないと言えば仕方ないが、長沙と同じ匂いがぷんぷんする(料理全てに練乳がかかっていて、いわゆる萎える日本料理)。味ではなく雰囲気で人が集まっており、料理は「中国人の口に合う日本料理!」(くれぐれもそんなん日本料理ちゃうやろとか言ってはいけない)と謳っているお店も多く、味はとても食べれたのものではない。ビールは瓶ビールで頼んだらグラスに入れ替えて持ってきて、朝日を頼んだのに中身はキリン一番搾りだった。焼き物系は相変わらず中華スパイスがふんだんにかかっていてこれはこれでありだが、これじゃねぇ感が半端ない。ただ、お店はめちゃめちゃ繁盛している。これは中国人から見た日本の中華料理みたいな感じなのだろうか。日本人は美味しいと感じるが、中国人からしたらこんなの中国料理じゃないと怒り出すパターンと同じなのかもしれない。
部下が言うには上海に住んでる人は地方に行くと何食べても満足しないからきついと、逆に地方の人はそこまで美食にありつけていないから食へのこだわりがないので何食べても美味しいと思えて幸せなのかもしれませんね、と。なるほど確かにそういう側面もあるかもしれない。
街並み
福建省のアモイと同じで街の中心地が狭く密集しており(もちろんアモイよりは広い)、バスや車、電動バイクで渋滞が激しい。そして人が多い(面積の割に人口が多いと感じる)為、いわゆる日本の大都市と同じような感覚に襲われる。街中を歩いていてもTiktokで見る空撮のキラキラ感はない。
結構夜中まで飲み歩いている
HELENS(海伦司)などの格安バーや深夜まで空いている飲食店が結構多く、南京の人達(特に若い人達)のナイトライフは結構上海よりも進んでいる(?)かもしれない。エレベーターでガンガンタバコを吸い、痰を吐き、大声で叫びまくっている若者を見ると、彼らも彼らで色々大変なのかもしれないとか勝手におもったり。なんちゃって日本料理屋も深夜1時まで空いていた。
電力制限の影響
展示会場は灼熱地獄だった。江蘇省の副省長が来た時だけ空調がつけられていたが、彼が会場を後にしたら即空調が止められてしまい、熱中症になるかと思った。さらに困ったことにはホテルの空調は風量MAXにしても殆ど風が出てこない。飲食店でも同じ状況で結構蒸し暑かった。とても10月だとは思えない暑さで、タクシーの運ちゃんも記憶にないぐらい今年の10月はえらい暑いとぼやいていた。
移動は地下鉄が意外に便利かも
地上世界は渋滞だらけなので地下鉄での移動の方が楽。安いしラッシュアワーの時間帯だと本数も多く、上海のように混雑もしていないので移動のストレスは非常に少ない。南京駅、南京南駅等の高速鉄道の駅にも通じているし、夫子廟(3号線)・新街口(1号線)などの観光地や中心街にも気軽に行けるのもありがたい。
南京话(南京語)
最後は南京語。中国の歴史を少し勉強したことがある人ならばご存知であると思うが、昔から呉の地域の中心として栄えてきた場所である。あの三国時代の諸葛孔明もとある丘からこの街の地形を見てまさに帝王が住む場所であると感想を漏らしたと言われている(その場所が市内の公園にあり碑が立っている)。
明の時代には首都が置かれ、所謂南京語が標準語(金陵雅音)とされたわけで、清王朝の時代には異民族の愛新覚羅さんがわざわざ明の時代に標準語とされていた南京語を標準語に取り入れようともしていたらしい。
南京话曾经是最有身份的语言,为什么有人说安徽话像南京话呢?
https://haokan.baidu.com/v?pd=wisenatural&vid=9943801658014266463
南京话 - 百度百科
https://baike.baidu.com/item/%E5%8D%97%E4%BA%AC%E8%AF%9D/1054646?fr=aladdin
百度百科を読んで頂くとお分かりになるが、明が南京を首都と定めた時に、明王朝は中原の標準語を由緒正しい言語として扱った為、元々南京一帯の方言と中原の標準語雅言(音)が合体して出来上がった言葉のようである。これは南京語に限らず、中国の他地方でも同様で、広東語にしろ、闽南话(台湾、アモイ、泉州、漳州)にしても然りである。(戦乱で北から南に流れてきた人たちがその土地の方言・土着言語と融合し新たな言語が生まれる)
今回実際に南京の街中で南京語がたくさん聞こえてきて面白く聞かせていただいてたのだが、湖北省の方言のように現代の標準語からそう遠く離れた感じはしない。もちろん、使われる言葉は大きく違うのだが、広東語だったり、闽南话程の違いまでには至らないなという印象を受けた。南京語に関する面白い動画を見つけたので是非ご覧いただきたい。
爆笑!南京方言「别闹了」太有味
https://haokan.baidu.com/v?pd=wisenatural&vid=12770765578720056190
古都南京、久しぶりに訪れたのだが、非常に面白い街だなと改めて思った。観光スポットは非常に多いので、ご家族で行かれる旅行先としておすすめする。
今日はここまで、ゼェーウェー(上海語でさようなら)。