中国では、仕事の関係とはつまり個人的な〇〇
またまた、「異文化理解力」という本から、中国人の「仕事観」というものについて、少し掘り下げてみたいと思う。ビジネスパーソンのみならず、中国留学をされる方や、配偶者の方が中国籍の方にも是非読んで頂きたい内容なのでおすすめする。
筆者は、日本も含め、中国や韓国が儒教文化に基づくリーダー像というものについて下記のように触れている。
現在でも、おそらく孔子の遺産によるものだが、中国から韓国や日本を含め東アジアの社会では、リーダーシップに対して家父長的な見方を持っていて、それが西洋人たちを困惑させていてる。
簡単に言うと、上司はバカでも偉い、何でも言うことを聞かなければならない存在という乱暴な言い方も出来る。
「中国では、上司がいつも正しい」
これである。中国人の部下を持っていると思うのだが、彼らは自分の意見をはっきり述べず、上司が決めたことに従うという傾向が強い。これは西洋のリーダーも部下もフラットな関係で、互いをファーストネームで呼び合ったり、部下が上司に気軽に意見できるような風土とはまるで違うものになる。西洋人たちが困惑するのも無理はない。
信頼を構築する方法に対する無意識の前提が大きく異なる。
アメリカ人は、ビジネスにおいて、認知的信頼と感情的信頼をはっきり分けて考えている。中国人のマネージャーたちはビジネスや経済的な絆や感情的な結びつきも育むことが非常に多い。アメリカやスイスといった国々では「仕事は仕事」であり、中国やブラジルのような国々では「仕事は人」。
これを見ると分かるが、アメリカ人は要は仕事とプライベートをはっきり分けるが、中国やブラジルは仕事とプライベートを一緒に考えるとでも言えようか。
中国では、仕事の関係とはつまり個人的な関係です。忠誠とは会社ではなく個人に尽くすものです。誰かが会社を去ると、個人と会社を分けて考えるのではなくその人との個人的関係はさらに強くなります。
はい、ここが非常に重要である。ここを理解していないと日本人はえらいめにあう。忠誠は会社ではなく個人に尽くすもの、これが意味するものは中国人マネージャーが辞めてしまうと、その部下も一緒に辞めてしまうのである。つまり上司の転職先・設立した会社にくっついていく(往々にして大々的なお土産をもっていく、元雇用側から見ると「盗られていく」)。
日系企業の観点から見て、大して使えない管理職であった中国人社員に辞めてもらったのはいいが、その部下まで一緒にいなくなり、さらには顧客ごと持っていかれるという話も多々あるし、しょっちゅうあることでもある。そういう元社員に限って、会社を辞めた瞬間に急に優秀になりガンガン金を稼いで金持ちになっていく様もよくある。つまり彼らが普段見せている姿は彼らの本当のものではなかったのだ。
逆に考えると、日本人である上司に家族ぐるみでおつきあいをしようとアプローチしてくる中国人社員は、「目的」をもっているのかもしれないし、ただ単に日本人上司が部下に信頼され好かれていると言えるかもしれない。
今日はここまで。ほな、さいなら。
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