「拉闸限电」後の中国はどう変わるのか?
中国では現在大変な状況になりつつある。
中国の全国各地で電力供給が止められたり、地方政府により工場稼働日を週三、週四に制限されたり、酷いところでは週一でしか稼働できないところもあるという。電力不足というよりは、電力をむやみに使わせないという政策によるものだ。
拉闸(zhá)限电:要は強制的に電力供給を止める行為を指す。
電力の使用制限がかかり、生産を抑制された状況になれば、必然とそれがコストに反映してくる。今や原料から製品まで一気に価格が高騰し始めている。価格が高騰するだけでなく、生産が出来ないので、物が手に入らないという状況に陥る可能性が高い。
去年、中国でコロナ禍が始まった時、マスクなどの医療用物資が各地方政府に押さえられ、輸出が実質出来ない状態が一時期あり、日本ではマスクが入手できない状況が発生し、大混乱に陥ったのは記憶に新しい。中国製マスクが日常的にあふれている日本では、また中国製の不織布製マスクの入手が困難になるかもしれない。(日本のメーカーが工場をまだ稼働していれば多少は大丈夫だろうし、去年の不良在庫を大量に抱えている企業も多いはずなので、一時的には困ることはないかもしれない。)
そもそも、今回何故このような電力削減を行うことになってしまったのか。それは、中国政府の一大決心によるものである。
中国の習近平国家主席は(9月)22日、二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに減少に転じさせ、2060年までにCO2排出量と除去量を差し引きゼロにするカーボンニュートラルを目指すと表明した。国連総会の公式翻訳によると、習氏は「我々はCO2排出量を2030年までに減少に転じさせ、2060年までにカーボンニュートラルを目指す」と述べた。
この発表は世界を驚かせたし、何といっても驚いたのは中国の各地方政府であろう。中央政府から目標が降りてきたので、その目標を達成する為には経済を犠牲にしてもかまわない、自分の「政绩」(政治上の実績)を残し、出世する為に生き延びていく為に必要だからだ。
そこで、各地方政府は目標を達成するために、なりふり構わず電力消費の多い工場を狙い撃ちし(原料工場)、多くの工場が稼働停止状態に追い込まれつつある。
本来、輸入に頼っている機能性材料であったり、原料が高騰しつつある現状、国産のものですら高騰が始まり、しかもこの状況が少なくとも2021年内は続く見込みと言われており、中国国内で加工を行って輸出を行っている企業からすると原料は高騰しているが、販売価格はどんどん下がっているという摩訶不思議な現象に陥っている。
これは去年のコロナ禍で必要以上の在庫を持ってしまった海外顧客が多いことに起因するもので、顧客からすると高値で掴んだ商品は売先がなく困っているが、市場価格はどんどん安くなっている為、安くたたき売るしかない。それでも要らないというエンドユーザーもいる為、新規に中国のサプライヤーから製品を買おうにも、価格が安くないとまず見向きもされないという状況である。
今回の「拉闸限电」により、多くの工場が行き場を失い、一定数の人達が職を失うという局面がどんどん出てくると思われる。失業者の増加のみならず、一番困るのは銀行だと私は考えている。企業が倒産すれば、貸したお金も回収出来ない。
更重要的一点是现在很多企业接到国外大量的订单,都开足马力生产,甚至有很多企业都从银行贷来大量的钱,继续买地建工厂、买机器、雇佣工人扩大产能,但是我们都知道这种订单并没有可持续性,只要国外的疫情缓和了,那么需求一定会出现断崖式暴跌,取消订单,而企业在没有订单,又欠着银行大量贷款时会出现什么后果,想象一下就知道了。更可恶的是这些外资这个时候一定会通过期货市场操作大宗商品的价格,那么这些企业之前进来的大量原材料价格也将面临暴跌,后果会如何就不用说了。
一部の意見では、「一種の金融戦争」だの「アメリカ等の大手原料メーカーの不当な価格の引き上げに対抗する為」だの言われているが、結局は自国の国民の首を絞めるだけな気がする。
もちろん、CO2排出量削減を目指すは正しい方向性に向かっているし、いつまでも何もしないアメリカを差し置いて中国が行動をし始めたというのは興味深いし、中国がアメリカに一矢報いたという側面もあるのかもしれない。CO2排出量削減に向かって動き出したことは大いに評価すべきことである。
ただ、急激な改革には大きな痛みを伴う。それにどれだけの人が、いつまで持ちこたえらえるのか、見通しは非常に難しい。
今日はここまで。明日これに関連する記事上げます。