歌詞語彙辞典 #13
『DEAD OR ALIVE』
●カウント数 676
●最多出現ワード
★1位 「オレ/俺」 合計 33カウント
・「オレは」7カウント/「俺は」3カウント
・「オレ」「俺」各4カウント
・「俺の」6カウント/「オレの」2カウント
・「オレを」2カウント/「俺を」1カウント
・「オレよ」2カウント
・「俺が」「オレはよう」各1カウント
★2位 「この」 14カウント
★3位 「時」 合計 13カウント
・「時の」4カウント
・「時が」「時を」各3カウント
・「時」2カウント
・「時には」1カウント
★3位 「見~」 合計 13カウント
・「見てみなよ」「見渡す」各3カウント
・「見えても」「見てたんだろう?」各2カウント
・「見えるのは」「見ている」「見る」各1カウント
★5位 「でも」 10カウント
★5位 「行~」 合計 10カウント
・「行け」5カウント
・「行く」2カウント
・「行こう」「行こう」「ゆかなきゃ」各1カウント
その後に、
・8カウント 「明日」「全て/すべて」「人」
各内訳
・「明日へ」4カウント
※読み:あした/あす 各2カウント
・「明日は」3カウント
※読み:あした 2カウント/あす 1カウント
・「明日の」
※読み:あす 1カウント
・「全てを」3カウント
・「全てが」2カウント/「すべてが」1カウント
・「全て」「全ての」各1カウント
・「人」「人の」各3カウント
・「人が」「人よ」各1カウント
・7カウント 「メッセージ」
・「メッセージ」「メッセージよ」各3カウント
・「メッセージを」1カウント
・6カウント 「今」「こと」「その」
・6カウント 「堕/墜」「心/ココロ/こころ」
各内訳
・「墜ちてゆく」3カウント
・「堕ちてゆく」「堕ちてく」「おちてゆく」各1カウント
・「ココロの」3カウント
・「心が」「ココロへ」「こころを」各1カウント
●一人称:オレ/俺/我々/我ら
●二人称:おまえ/君
●三人称:(なし)
●その他の気づきポイント
・異なる読みが1曲の中にある。
明日=あした/あす(“DEAD OR ALIVE”)
・異なる表記が1曲の中にある。
俺/オレ(“DEAD OR ALIVE”)
・同じ(近似)意味の言葉が1曲の中にある。
我々/我ら(“何度でも立ち上がれ”)
・漢字ひらがなカタカナ問題
心/ココロ/こころ
・同音異義字問題
町/街
体/身体
・曲数は少ないが、各曲のカウント数が多いため総カウント数も少なくはない。
・とはいえ前作とは逆に、語彙の分散はあまりない(1カウントのみのワードが少ない)。
打ち込みによるソロワーク、外部アレンジャーやプロデューサーとの共同作業で模索した時期を経て、バンドに回帰してバンドサウンドを追求したアルバム。
この少ない曲数にもかかわらず「俺」が圧倒的多数の33カウント。それに対して「おまえ」「君」は、なんと1カウントずつしかないという注目すべき結果。しかもどちらも抽象的な二人称だ。‘おまえ今宵はどうだい’(“DEAD OR ALIVE”)、
‘陽気なる逃亡者たる君へ言う’(“クレッシェンド・デミネンド-陽気なる逃亡者たる君へ-”)。このアルバムが、いかに《自分自身》にフォーカスされているかがわかる。
だが、ここではまだベクトルは外に向いていて、凄まじいまでのエネルギーで聴く者に訴えかけてくる。己に深く潜っていくのは、これ以降の『俺の道』から『町を見下ろす丘』への道程の中で、己との対話を深めていくのだろうと予想される。
岩を砕く荒波のような、晴天をつんざく雷鳴のようなサウンドに乗って、“奈落の底まで堕ちてく生命” “まるで死への誘(いざな)い” と負の言葉が歌われているのに、悲壮感は全くなく、むしろ希望の光すら見える。表記の揺らぎも、迸る言葉をつかまえる一瞬の手応えのリアリティー。
ミニアルバムということもあるだろうか、歌詞に込められた《メッセージ》の一貫性がこれまでにない強さで感じられる。
胸に手を当ててみりゃ、本当は簡単なことだ。
感じてるだろう? ココロの奥の真実の声を。
憧れし孤独の闇へ行け、逃げて行け、もっともっと深くオレのココロへ。
全ての感情を手なずけて、全てを従えて、行けオレよ。
何故なら我らは行く先知ってる。生きることの結末を。
俺の明日はどこだ。俺の生活はここだ。
支配者たる時が息の音を止めるまで、この人生は全て惰性。
流れゆく時の向こう、明日は今よりもっともっと遠くへ。
生と死のはざま、またはDEAD OR ALIVE、すなわち時の流れ。
その流れの中を自分の意志で歩いていく決意が高らかに歌われている。
それは破滅を遥か臨むより、俺が破滅へ向かって力強く歩むこと。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?