ミラボー橋、橋と扉、あるいは恋について
1. はじめに 先日読んだ岩波書店から発刊されている『思想』2020年9月号に掲載されている大髙保二郎氏の「ピカソとアポリネールーー奇妙な友愛の果てに」を読んで、恥ずかしながら初めてアポリネールという詩人を僕は知った。そして彼の代表作とも言える「ミラボー橋」を読んだ。今回は、その作者アポリネールについて、あるいはこの詩について、考えたことを書こうと思う。
2. アポリネール、ある不幸な詩人 ギヨーム=アポリネールは1880年に生まれーだから今年で生誕140周年であるがー、彼