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新基礎学力到達度テスト対策について~令和3年4月高3基礎学力到達度テストにおける数学・英語の出題形式の変更

1、令和3年4月基礎学力到達度テスト変更点

令和3年4月高3基礎学力到達度テストでは、出題形式の変更があり、日大付属生の多くがショックを受けたと聞いてます。

変更点の第1として、数学・英語において、マーク式だけでなく、記述式の出題がされたことが挙げられます。
今後、記述式出題が増えるかどうか微妙なところですが、記述式は採点が煩雑なので出題数が大幅に増えることはないと考えます。
ただ、記述式の配点は高くなる可能性は十分に考えられるので、対策を十分にする必要があります。

第2に、例年に比べ、過去問では見られなかった出題が散見されるという点が挙げられます。
詳細については下に記載しますが、声を大にして言いたいことは、
「従来のように過去問を繰り返すだけでは、内部進学が難しくなった」
ということです。

近年、私立大学の入学定員厳格化の影響もあり、日本大学の人気が高まってきたことから、一般入試はもとより、日大付属生の内部進学も難しくしようという大学側の意向が働いているものと解されます。

以上を踏まえ、令和3年9月の基礎学力到達度テスト対策について、わたくしが考えるところをお話しさせていただきます。

①数学

従来の出題形式と異なるものを中心に解説していきます。

●大問1


例年通り、色々な単元から出題される小問形式の出題です。
(2)は因数定理で実数解を出し、その後、2次方程式を解の公式を用いて虚数解を出すものです。
(4)は3次元の2点間の距離を出す問題で、立体に三平方の定理を適用するものです。
2問とも、平易な問題ですが、過去問には出題されていない形式です。

●大問2

基礎学力到達度テスト頻出の円からの出題です。

例年と大きく異なるのは、円の中心と半径を方程式の変形から導く方式ではないことです。(1)で円の中心と半径を正しく出せないと、その後の問題は回答不能になるため、大問2は全滅という生徒さんも散見されました。

●大問3

(2)の初項と公比はすぐわかるので、一般項は容易に求まりますが、解答欄の指数がnとなっているため、変形が必要です。
このちょっとしたトラップ(罠)に落ちた生徒さんが多いのではと推測します。

(3)はΣの問題ですが、Σの公式を使わないため、戸惑ったのではと推測します。

●大問4

(2)の(ⅱ)は、図形をよく見ないと、-1から1間で直線から放物線を引いた関数の定積分として計算してしまうミスが考えられます。
このような出題は過去問にもありますので、間違った方は見直してください。

●大問5

(1)(2)は頻出なので、必ず得点したいところです。
(3)も2次関数の最大・最小に持ち込むというお決まりのパターンなので、得点する必要があります。

大問5で失点した方は、過去問の勉強不足です。

●大問6

(1)と(2)(ⅰ)は過去問をやっていれば正答できるはずです。
(2)(ⅱ)も点DがOA上にあることがわかれば、正答を得られるはずです。

●大問7

(1)と(2)を失点した方は、勉強不足です。大いに反省してください。
(3)は教科書レベルの易しい問題ですが、常用対数では桁数を間違いやすく、さらに、配点が6点と部分点がつくのか微妙なので、他の問題を見直して時間が余った方のみ解答すればいいと思います。

②英語

●大問1

リスニングは例年レベルか例年より易しいので、割愛します。

●大問2

大問2は選択肢の単語4つのうち最低2つがわからないと正答できません。そのため、単語がわからない場合は諦めるしかありません。
(7)以外は例年と同じレベルなので、半分取れなかった方は単語力不足です。

(11)~(13)のイディオムは基礎レベルです。
できなかった方は、下の対策を参照してください。

●大問3

(16)は基礎学力到達度テスト頻出の付帯状況のwithです。

(19)では、疑問詞と関係代名詞の区別が重要になります。

3問が合格ラインです。

●大問4

強いて言えば、(22)が解りにくかったと思われます。

合格ラインは2問というところでしょうか?

●大問5

例年と同じレベルの会話文でした。

選択肢⑤の意味がわからなくても、消去法で選べるはずです。

合格ラインは3問というところでしょうか?

●大問6

(A)は頻出のグラフ問題。過去問に塩の自給率の出題があったので解きやすかったのでは?
(31)は英作文となりますが、最終パラグラフを問題の要求通りに書き写せばいいだけの易しい問題です。

(B)は例年通りの不要な1文を見つける問題です。英語自体は例年同様の難易度でしたが、文章の内容が「ユネスコ世界遺産」「雲」「経度・緯度」と解りにくかったので、手こずった方もいるのでは?
ただ、(B)は配点が大きいので最低1問は正解したいところです。

●大問7

インカ帝国の誕生から滅亡までに関する文章です。本文と(注)を行ったり来たりしつつ読まなければならないため、手こずった方も多いのでは?

(35)では「1200」という数字に目がいき、①や④を選んだ方が多いのでは?まんまとトラップにかかっていますよ!
本文をしっかり読まず、「本文と選択肢で、単語や数字の同じものを選ぶとたいてい間違い」ということを肝に銘じましょう。
大学入試はそんなに甘くありませんよ。

(42)は迷うところですが、スペイン人がインカ人を支配した本文の内容を踏まえて④を選べると思います。

2、新傾向に対する新しい勉強方法

①数学

基礎学力到達度テストで最も得点しやすいのが文系数学です。

現にわたくしの生徒さんで、高3の1学期通知表の成績が2の方でも、9月のテストで70点を取ることができました。

しかしながら、上記1で申し上げた通り、「従来のように過去問を繰り返すだけでは、」高得点は得られないでしょう。

それでは、どうすればよいか?
「過去問に出題された単元について、標準的な問題集の問題を解答する」のがベストでしょう。
従来よりも、勉強の負担は重くなりますが、内部進学を望むなら仕方がないでしょう。


②英語

基礎学力到達度テストで最も得点しにくいのが英語です。
その理由は、時間が短いことと、出題が特殊だからです。
そのため、時間管理と過去問に沿った勉強が必須となります。

大問1対策

言うまでもなく、リスニングの訓練を積みましょう。過去問付属のCDを実際に聴いて問題に解答してください。
聴き取れない方は、単語・熟語力が不足しているので、大問2以降の対策を参照してください。

大問2対策

英単語・英熟語の暗記につきます。
これができないと、内部進学はできません。
教材は自分が見て決めましょう。

大問3・4対策

英単語・英熟語の暗記が5割完了した時点から、英文法の勉強を始めましょう。
英文法は独学しにくいので、塾や家庭教師の助けを借りるのも考えましょう。

大問5~7対策

ひたすら、高2の4月と高3の4月・9月の過去問を解きましょう。
特に、大問7については、本文を全訳して解答の本文和訳例と比べてみると力がつくので、おすすめです。

以上、長文となりましたが、内部生が日本大学に進学できるチャンスは基礎学力到達度テストだけです。
与えられたプラチナチケットを粗末に扱わないよう最善を尽くしてください。







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