アイドリッシュセブンのRADIO STATION "Twelve Hits!"を聴いてradikoプレミアムに加入した話
皆さんは覚えていらっしゃるだろうか……Twelve Hits!という最高のコンテンツを……
以下、要約すると「全人類Twelve Hits!を聴いてください」というお話です。CDです。多分いまも売っています。
アイドリッシュセブンは数々の新しい経験を与えてくれたが、中でもTwelve Hits!は1st Live 「Road To Infinity」と並んで、私にとって人生……と言っては大げさだが、時間の使い方を大きく変えた企画である。
推しであるところの和泉一織がトップバッターを務めたそのラジオ番組(CD)を聴いた私は、熱に浮かされたように「推しのソロラジオが(コンスタントに)聴きたい」と繰り返していたのをよく記憶している。
勧められるままに知人の推しグループのことを調べ始め、気になり始めていたメンバーがその年の秋に一人喋りを始めることを知り、思いがけず「推しのソロラジオが聴きたい」という願望が叶う形になった私は地方局で放送されるその番組を聴くべくradiko プレミアムに課金を始め……
そんなTwelve Hits!の亡霊が、Twelve Hits!の魅力を、今更ながら振り返ってみたい。
※一部ゲーム内容やCD収録内容についてのネタバレを含みます。あまり深くは触れていませんがご注意ください。
※全て個人の思い出と見解です。
1.そもそもTwelve Hits!って何?
Twelve Hits!はアイドリッシュセブンが2019年から2020年にかけて、各アイドルの誕生日を記念してリリースしたCDシリーズである。アイドルが毎月ゲストに呼ばれるラジオ番組というコンセプトで、Track4→Track1→Track2の順で再生すると、だいたい1本の30分番組になる。
Track1.RADIO STATION "Twelve Hits!"(本編)
オープニング・フリートーク→リスナーからのメール紹介→何でもバラエティ・○○(メンバー名)を知っちゃって!(メンバー等からの質問・リクエスト)→エンディング・ソロ曲振り
Track2.ソロ曲
2018年から2019年にかけて誕生日企画でリリースされた各メンバーのソロ曲。
Track3.ソロ曲(off vocal)
Track4.Wonderful Octave
全ての回でオンエアされるテーマ曲的なもの。曲中にメンバーごとに違うOP・EDの台詞とお悩み相談メールが入っている(ミュー○ックアワー?)。
2.何がそんなに刺さったのか?
-アイドリッシュセブンの企画としての魅力
・実在性の究極地点。
「アイドルの実在性」はアイドリッシュセブンの重要なコンセプトの1つであるが、それを極限まで実現したのがこの企画なのではないかと思う。アイドリッシュセブンのMVもライブも非常に完成度が高いけれど、二次元コンテンツである以上、「絵」であるという壁はどうしても存在し続ける。しかし、音声コンテンツであるこの企画には、その壁すらもない。和泉一織の声で、和泉一織から見える(であろう)世界を語る番組は、間違いなく「実在する和泉一織のラジオ」なのである。
しかも、送られてくるメールの内容やヒッツネーム(ラジオネーム)、ルール説明の読み方、スタッフとの距離感、曲振りの長さ、そういった細部にまでメンバーの個性が反映されているのが、流石アイドリッシュセブン。その作り込みが、ますます「アイドルが喋っている」という感覚を強めている。
・「向こうの世界のファン」の視点。
これはごく個人的な解釈だが、アイドリッシュセブンに登場するアイドルたちは三層構造だと思っている。一番外側は、ライブや音源、MV、劇中劇など、作品やシチュエーションに応じて彼らが付け替える顔。TRIGGERがDiamond FusionのMVで見せる強さだったり、ŹOOĻがPoisonous Gangsterで歌い上げる社会への挑戦だったり。
2層目が、向こうの世界のファンがなんとなく理解している彼らの「本当の性格」。和泉弟スンとしてるけど実は結構かわいいよね、とか、龍之介さんってセクシーだけど実は優しいお兄さんだよね、とか。
そのさらに下にある3層目が、マネージャーとしてゲーム本編やラビチャで目の当たりにする彼らの素顔。七瀬兄弟の間の複雑な感情や、Re:valeに対するモモの葛藤など、公表されていない彼らのバックグラウンドを知らないと理解するのが難しい内面の部分。
一部のインタビューやラビチャのアンケートを除いて、この2層目、彼らの「アイドルとしての素顔」を見られる機会はあまりなかったのではないだろうか。そんな、「向こうの世界のファン」と同じ視点でアイドルたちのことを知って、楽しめるのもこの企画の魅力である。
-ラジオという媒体の魅力
主語がやたらと大きくなってしまった。作り手とリスナーの関係の限定的な双方向性。本音に近いものを安心して語れる環境。前項でも触れた「音声だけ」という制限は、目に映るアクリル板やマスクが非日常を感じさせるこのご時世、期せずして「変わらない」という安心感になった。
ラジオという媒体の魅力は色々あるだろうが、中でもTwelve Hits!というコンテンツから感じたのは、
・語り手の切り取った世界を知る楽しさ。
だった。多くの(特にソロ)ラジオでは、語り手が喋ったことが全てである。一部の企画ものを除くと、その人が何を体験して、何を感じたかは本人の口を通してしか知ることができない。
しかし、この情報量の少なさはかえって、日常の出来事から何を切り取るか、どう伝えるか、そこに潜む語り手の感性や人柄を垣間見られるという魅力になる。
Twelve Hits!内で、手に入れて嬉しかったものを質問された亥清悠がクラスメートとのエピソードを語るのを聴けば、「友達ができて嬉しかったんだねぇぇ」と思わず笑顔になるし、学生生活について聞かれて、授業中に居眠りをしないことにわざわざ言及する和泉一織からは、真面目さや17歳の可愛らしさが感じられる。
そうして語り手のことを今までより深く知った気がする瞬間が、とても好きだ。
3.今聴きたい・和泉一織のラジオ(全て妄想です)
「推しのソロラジオが聴きたい」から始まったラジオ遍歴で知ったのは、面白いのは一人喋りだけじゃないということだった。
メンバーとのラジオで突っ込みに回りながらも呆れ声に混じる嬉しさを隠せない和泉一織を微笑ましく見守りたいし、和泉一織が年上のパーソナリティの下世話な質問を鮮やかに交わすのを聴いて日頃の憂さを晴らしたいし、教養番組で現役高校生ならではの視点を交えつつウィットに富んだコメントをして大人たちを感心させる様子に勝手に誇らしくなりたい。
でもやっぱりソロラジオも聴きたい。グループにいるとしっかり者キャラの和泉一織が、一人喋りを続けているうちに肩の力が少しずつ抜けてきて、いつか「クールキャラで売っているんですけど実はうさみみフレンズが好きなんですよ」なんて恥ずかしそうに告白してくれたら全力で「知ってたー!」て言いたい。rabikoプレミアムに課金すれば聴けますか?
果たしてTwelve Hits!の魅力は伝わったのだろうか……。どの回も神回、損はさせません。全人類聴いてほしい。