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ホクショウマサル紹介

みなさんこんにちは!競馬予想をしていますかっちゃんです。さて今回はNRA賞最優秀ばんえい賞に輝いたホクショウマサルについて今回は解説していきます。

第1章誕生からデビュー〜明け3歳 世代NO.1へ

ホクショウマサルは2011年5月5日父エビスカチドキ、母アサヒジャルダンの間に生まれました。父エビスカチドキは半血とベルジャンの半血種、母父アトミックドラゴンはペルシュロンと半血の半血種です。父は産駒にばんえいダービーなど重賞6勝のオイドン、母系も伝説の名馬キンタローがいるなど血統面はかなりのものがありました。血統の詳しい説明については話の関係で割愛します。

そんなホクショウマサルのデビュー戦は丁度2歳の誕生日となる2013年の5月5日。出走馬中唯一の900キロ台と言う2歳馬ながら雄大な馬体で登場。デビュー戦は藤野俊一騎手が手綱を取り2番人気ながら2着に4秒4差を付け見事デビュー戦を勝利で飾った。

2戦目からは今後主戦となる阿部武臣騎手が手綱をとなるが勝利なし。しかし内4戦は馬券内の堅実な競馬を見せ9月初の世代オープン戦で勝利。世代上位を印象付けた。

初の重賞挑戦となるナナカマド賞では勝ち馬から7秒8差の4着、続くヤングチャンピオンシップでは2番人気に押され2秒2差の2着と確実に勝利に近づいていった。

年が明け3歳となったホクショウマサルは世代チャンピオンを決めるBG1イレネー記念へ出走。1番人気はこの1週前1着の1.8倍ハクタイホウに譲った。レースは障害を先頭で駆け降りた阿部騎手騎乗のホクショウマサル、2番手で降りた1番人気藤野騎手騎乗のハクタイホウのマッチレースかと思いきや5番手で降りた工藤篤騎手騎乗のキサラキクが一気の末脚、後10mで2頭を交わし勝利かと思われたがソリ後端通過前にまさかのストップ。その後ろの2頭の叩き合いの末ホクショウマサルがハクタイホウを自力でねじ伏せ見事重賞初勝利をBG1イレネー記念で決めた。

第2章3歳シーズン 3歳の頂点へ

しかしホクショウマサルはイレネー記念後不調に陥ります。イレネー記念後は9戦し馬券内無し、しかし年度明け8戦目に2着に入りそこから2戦連続2着と着実に調子は上向きになっていった。そしてホクショウマサルはばんえい3歳3冠路線最後のレース日本で最も遅いダービーであるばんえいダービーに駒を進めた。

ばんえいダービー1番人気はまたしてもハクタイホウ。その年度14戦し6勝2着6回と脅威の安定感、前走も三冠路線の2戦目ばんえい菊花賞を1.5倍の圧倒的支持を受け見事勝利と勢い十分。ホクショウマサルは2番人気、イレネー記念で涙を飲んだキサラキクまでが単勝1桁台と完全に3強ムード。

レースは障害をいち早く抜けた赤塚騎手騎乗のハクタイホウ、阿部騎手騎乗のホクショウマサル、鈴木騎手騎乗のキサラキクが後を追う形。しかしホクショウマサルが一完歩毎に脚が鈍ったハクタイホウとの差を詰めていき最後の10mで並び交わすと1着でゴール。見事BG12勝目を飾った。イレネー記念とばんえいダービーの2冠を制したのは2009年のキタノタイショウ以来2頭目。

ホクショウマサルはまさに次の黄金時代を築き上げる馬…。ファンや関係者はそう思っていました。

第3章不調と長期休養 ダービー馬を襲った病

ますます期待を受ける事となるホクショウマサルは明け4歳となり古馬との戦いが増えてくる。そんな中ホクショウマサルは11戦して勝利なし。ようやくの勝利はクラスが下がったA2クラスで12戦ぶりの勝利。続くレースも勝利し2連勝とここからエンジンが掛かると思われた。

しかしここからホクショウマサルは一転大スランプに陥ってしまう。20戦し馬券内は1回のみ最下位が10回と明らかに調子が落ちているのは誰の目から見ても明らかだった。

ばんえい競馬では収得賞金によってクラスが決まる。イレネー記念、ばんえいダービーで賞金が加算され必然的に上のクラスで走る事になりレベルの差に苦しんだり斤量面の苦労があると考えられた。

そしてホクショウマサルは喉の気道が狭くなる喘鳴症、通称"喉鳴り"を発症。かつてはハーツクライもこの喘鳴症が原因で引退を余儀なくされました。ホクショウマサル陣営は手術を決断。ホクショウマサルは長期休養に入りました。

第4章 復帰そしてクラス編成

ホクショウマサルの復帰レースは2018年7月28日約2年振りのレースとなった。しかしその舞台は休養前走っていたオープンクラスでは無く4歳以上では最下級クラスに当たるB4クラスでの出走になった。

ばんえい競馬では過去3年分の賞金と今年度の賞金がクラス分けに適用される。しかし馬齢を重ねるにつれ過去の賞金はカットされます。ホクショウマサルが3歳で稼いだ金額は97.2万円、4歳シーズンで23.4万円を稼いだが喉なりの治療で休養した2年間の賞金は0円。その間に3歳で稼いだ97.2万円はカットされ4歳に稼いだ23.4万円だけがクラス分けに適用される。

2018年の最下級クラスは収得賞金140万円未満の為必然的に最下級クラスからのスタートとなる。この年のクラスの1着賞金は12万円。つまりホクショウマサルは10回勝つと収得賞金が143万円になり初めてB3クラスに上がれます。

第5章復活…連勝街道へ

復帰レースとなったB4クラス。久々のレースながら1番人気、しかしかつてのばんえいダービー馬にとっては軽い斤量、他馬が第2障害に挑戦している間にホクショウマサルはすでにゴール板を通過。2着馬に28秒差をつける圧勝。実に3年振りの勝利。B4クラスでは力の違いをまざまざと見せつけ単勝もほとんどが1.1倍、9戦目には単勝元返しとなる1.0倍。あっさりとB4クラスを卒業した。

クラスの上がったB3、B2クラスでもホクショウマサルの勢いは止まらない。5戦全て単勝元返し5連勝と言う圧巻の成績でB1クラスへ昇格した。

第5章 ばんえい競馬最多連勝サカノタイソンの記録越えへ…

そして気づけばばんえい競馬における最多連勝記録に手が届く位置までやってきた。ばんえい競馬における最多連勝記録は97〜99年にかけてサカノタイソンが記録した19連勝が最多。19連勝前には1回2着はあったがデビューから7連勝。その中には銀河賞、ポプラ賞、チャンピオンカップの重賞3勝も含まれている。

ホクショウマサルがサカノタイソンの記録に並ぶレース、その舞台はB1,1-2組決勝でのレース、ホクショウマサルは単勝1.0倍の圧倒的1番人気。ホクショウマサルはその期待に応え2着に14秒差と危なげなくサカノタイソンの記録に並んだ。

そして新記録20連勝を懸けたレース。前走の圧勝劇からかホクショウマサルの単勝は再び1.0倍、ホクショウマサルは先頭でレースを進めじっくり脚を貯めて第2障害を先頭で越える。2番手で降りたジェイコマンダー、ノエルブランらが必死に追うが脚色は全く衰えず、他馬を寄せ付けない横綱競馬で見事1着新記録の20連勝を達成した。

この年は更に3つ勝利を重ね23連勝でシーズンを終えた。9ヶ月で23戦無敗元返し多数とかつての輝きを取り戻しつつあった。

第6章 同世代のライバルとの再戦、日本競馬最多連勝記録更新へ…

翌2019年もホクショウマサルの勢いは衰えることを知らない。25連勝を決め26連勝を懸けたレースは久しぶりとなるオープンクラスでの一戦。

そこで待ち構えるは実に3年5ヶ月振りの再戦となるかつてのライバルハクタイホウ。このレースではハクタイホウにも勝ち目ありと考えたか単勝は1.3倍と付いた方でハクタイホウは4.7倍の2番人気。レースでは第2障害を2腰でホクショウマサルが抜け出すもハクタイホウは障害で大ブレーキ、2番手からコウリキ、ナカゼンガキタらが追いかけるもほぼ持ったまま横綱競馬で見事快勝。次のレースもハクタイホウと対決。ここでは障害をほぼ同時に降りるもホクショウマサルの脚色が勝り1着、ハクタイホウが9秒8差の2着と肉薄した。

そしてホクショウマサルが次に目指すは日本競馬における最多連勝記録更新。その記録は96〜2000年にかけて達成した宇都宮競馬ドージマファイターの29連勝。28連勝を懸け望んだ1戦はオープンA1-1組。ここも単勝元返しの期待に応え見事勝利。日本記録タイがかかった29戦目はオープン2組オープン馬のみの編成で単勝は1.2倍と付いた方であったが連勝中では最も2着の差が少ない3秒差で勝利しドージマファイターの記録に並んだ。

日本新記録へ望んだ1戦はハクタイホウも出走。しかし記録更新を願うファンも多いのか単勝は1.0倍。レースはハクタイホウが障害をすんなり抜けるもホクショウマサルが坂の下りから一気の加速で抜け出すと後は突き放す横綱競馬で見事に記録樹立し30連勝。昨年まで最下級クラスにいた馬がなんと僅か1年で日本記録を更新する正に馬が変わった様な圧巻の成績を叩き出した。すでにホクショウマサルの名は全国に知れ渡りNHKでも放送されるほど。ホクショウマサルは翌月のウィナーズカップも2着と8.8秒差の1着と正に敵なしであった。

第7章 ばんえい最高峰の頂へ…

そんなホクショウマサルはついにばんえい競馬最高峰のBG1ばんえい記念へ出走。ばんえい記念はばんえい競馬で最も重い1000キロを轢く超高重量戦となる。ホクショウマサルは復帰後重賞挑戦は無いものの通算100戦目、32連勝を懸けこの舞台に駒を進めた。

単勝もなんとばんえい記念2度制覇のオレノココロ、昨年の覇者センゴクエースらを常連組を抑えて初出場ながら1番人気に押された。

レースでは障害巧者コウシュハウンカイが他馬が手こずる中抜け出し30m近いリード、ホクショウマサルは4番手で障害を降りるも先に超えたオレノココロ、センゴクエースを捉えきれず3着に終わり連勝は31でストップした。

翌シーズンはばんえい記念の反動からか勝利は10戦目。しかしその後は15戦し1着4回、2着7回、3着1回馬券外は僅かに2回と安定感を見せた。

そして迎えたばんえい記念。この日は前日の雨から馬場水分が多い中行われた。レースは障害巧者コウシュハウンカイが先頭で降りるとキタノユウジロウ、ホクショウマサルが後を追う。しかし残り20mからホクショウマサルが一歩抜け出すとそのままゴールを駆け抜け見事ばんえい記念を制覇した。

手綱を取った阿部武臣騎手、調教師の坂本東一調教師にとっても悲願のばんえい記念初制覇となった。

ホクショウマサルはばんえい記念後も現役を続行したが春先から体調がすぐれず長期療養をしていましたが2021年6月2日容態が急変し厩舎で息を引き取りました。10歳でした。

没後の2022年1月17日には、2021年のNARグランプリばんえい最優秀馬に全会一致で選出されました。

2,3歳のエリート街道から病との戦い。そこから復活し最下級クラスからオープンクラスへ、そして連勝記録更新、ばんえい記念制覇。

決して諦めずにひたむきに前へ…前へ…一歩ずつ着実に…その執念と雄大な馬体、確かな勝負根性、これがホクショウマサルを前に…前に突き動かす原動力だったのかもしれません。

今回は以上になります。本当ホクショウマサルは私にとってもデビュー時から追いかけて続けて沢山の感動、涙をもらいました。本当にこの出会いに感謝したいと思います。









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