やりたい事が見つかると思っている量産型大学生へ
3月1日
今年も就活が解禁されたので就活生に向けてノートを書こうと思う。
前提として、私は正直日本の就活の形に対して危機感を持っている。
就活で内定を取る事が目的になり、その後のキャリア、自分の生き方を全く考えていない就活生が多い。
就活生自身がそのような心持ちなだけじゃなく、
就活アドバイザーを名乗るわけのわからん学生が増えていることにも問題を感じている。
自分の就活がうまく行ったからと言って、
まだ働いたこともないのに偉そうに後輩や下級生に就活テクニックを語るその姿は滑稽そのもの。
片腹痛すぎて盲腸になったことすらある。
就活でいい企業に入る。それ自体がゴールになっているからこそ起こる問題なのだと思う。
私も毎年ちらほらと就活相談を受けることがあるのだが、
9割の学生は根本的に考え方が間違っている。
例をあげると、下記のような学生が本当に多い。
・人のためになりたいですというお花畑学生
→そんなに人のためになりたいならNPO法人にでもいけ。
なんならお前の全財産ユニセフに寄付してこい。そら人のためになれたぞ。
・ゲームが好きなのでゲームを作りたいですという短絡的学生
→好きなこと=やりたい事じゃないぞ。
お前唐揚げ食うの好きだけど唐揚げ作るのは好きじゃ無いだろそういうことだ。
面接で印象付ける事に意識が向きすぎて自分のキャッチコピーを考えることに必死になっている本質見えてない系学生
→僕はアイデアをどんどん出せるので、推進力があるって意味で人間ブルドーザーです。って名乗ろうと思うのですがどうですか?
意味不明。どうですか?って聞かれても知らねぇよ意味がわからねぇよ。
ギャグか?とも思ったけどギャグにしてはあまりにもセンスが無い。
人間ブルドーザー?贅沢な名前だね。
いいかい?お前の名前は今日からクソ寒すべり虫だよ。
わかったらさっさと働きなクソ寒すべり虫。
ただ、この辺はまだマシ。
一番重症で、かつ一番掛かっている人が多い症状が、
自分のやりたい事が見つからない病。
これはある種現代就活の癌なのかもしれない。
自己分析でやりたいことなんて見つかるわけない。
自己分析でやりたいことを探すのは、
食べたことがない食べ物の中から好きな食べ物を考えるようなもの。
見つかるわけないだろそんなもん。
僕は枝豆が好きだから恐らく納豆も好きだろう。納豆を生涯の主食にしよう!!
くっさ!まっず!!
やりたいことを探す学生がやっていることはこのレベルなのだ。
かくいう私も
家が好きだからハウスメーカーに就職しよう!(偏差値2)
程度のレベルの思考で大手ハウスメーカーに就職して、なぜか今人材業界にいる。
そんなものなのかもしれない。
ここまで読んでくれた人は、
こいつ就活とか就活生をdisり散らかしてるだけでなんの代案も出さんやん。
と思った事だろう。
だからどうすればいいのか今から話そうと思う。
何も難しいことはない。
やりたい事を探すのではなく、
自分ができる事を探せばいいのだ。
子供の頃を思い出してほしい。
自分が好きな事って自分が得意な事じゃなかっただろうか。
野球が好きだった人はなぜ野球が好きだった?
周りの人よりも野球が上手だったからではないだろうか。
逆に面白そうなゲームが発売されたから買ってみるも、
何度挑戦してもステージ1すらクリアできなかった時はどう思った?
きっとそのゲームを嫌いになったことだろう。
やってみたら上手くいった。
上手くいってるうちに楽しくなってきた。
楽しくなるとそれが好きになってくる。
好きになるとよりのめり込みさらに結果はついてくる。
このような循環を経験したことはないだろうか。
これは仕事も同じである。
好きか嫌いかなんて結果でしかない。
できる事は好きだし、できない事は嫌いなのだ。
だから就活生はやりたい事ではなくできることを探せばいい。
そしてその出来ることを活かせる環境に身をおけばいい。
そうして初めてやりたい仕事が見つかるのだ。
この話をすると、
自分が得意なことが何かわかりません。とよく言われるが、そんなに深く考えなくていい。
自分がそんなに努力しなくても人並み以上に出来たことを考えればいい。
人を笑わせるとか、数字をいじくり回すとか、体を動かすとか、
何かしら全く努力しなくても人並み以上にできたことはあったはずだ。
それが得意なことでいい。
世界で一番じゃないと得意とは言えない。みたいな話をしているわけではない。
人よりちょっと出来るくらいでいい。
人よりちょっと出来ることが複数掛け合わさってオンリーワンの強みが生まれるのだ。
例えば私の場合は、
昔からグループ内で自然に自分の意思でやりたいことを主張できたし、
頭を使うような戦略ゲームで負けた記憶はあまりないし、
指示されなくても能動的に動くことが全く苦ではなかった。
だからこそ今身を置いている、
比較的裁量権がある反面常に自発的に思考を続けないといけない人材ベンチャーの現場責任者という環境は
自分の強みと絶妙にマッチしている。
強みを活かせているからそれなりに結果は出ていると思うし、
仕事も楽しめている。
できる事軸でキャリアを積んでいるからこそ、
現場指揮官というポジションであればどのような環境、商材でもそれなりに結果を出せる自信もある。
ただ、逆に自分が出来ないことも多くある。
酒は飲めないし、
おべんちゃらでの人付き合いは苦手だし、
集団行動も全くできない。
だから伝統や接待を大切にするような日本型の大企業で活躍できる自信は全くない。
こうやって考えると、
やりたいことを探すなんていうふわふわした途方もない自己分析よりも、
自分が進むべき道はよほど簡単に明確になるのではないだろうか。
私は全ての働く人が自分の得意なことを仕事にできるようになれば世界はより良くなるのではないかと思っている。
だから私は1人でも多くの人が自分の強みを活かして仕事ができるよう、
今日も人材業界に身を置いている。