ソニーグループの社長交代は何を意味するか
ソニーグループは2日、十時裕樹副社長兼最高財務責任者(CFO)が4月1日付けで社長兼最高執行責任者(COO)兼CFOに就く人事を発表しました。
吉田憲一郎会長兼社長は、代表権のある会長として最高経営責任者(CEO)を引き続き兼務します。
なぜ、2トップ体制への移行なのか。狙いはどこにあるのか。
ウクライナ危機、米中対立などの地政学リスク、AIやメタバースなどのテクノロジーの変化、企業を取り巻く外部環境は大きく変わっています。
エンタメや半導体事業などで、収益力を取り戻したソニーグループですが、さらなる成長を狙うには、経営のギアをもう一段あげる必要があります。2トップ体制は一層の経営強化を図るためと見ていいでしょう。
「経営スピードも上げる必要があり、私の果たすべき役割は大きいと考えています」と、十時氏は述べました。
吉田氏が十時氏の強みとしてあげたのは、「成長への強い意志」です。
ゲーム、音楽、映画、エレキ、半導体、金融の6事業の事業間連携を進めるとともに、EVやメタバースなど新事業の取り組みに向けても、ソニー銀行やソネットなどで経験を積んだ、十時氏の知見を借りる場面は多いでしょう。
吉田氏との2トップ体制で、いかにソニーグループを成長させるか。
「グループとしてのレジリエンスを強めるカギは、多様性の進化」と、十時氏は述べました。