見出し画像

みんなやってる契約法務高速化Tips

割引あり

はじめに

契約法務において、契約書のドラフティングに要する時間が占める割合はかなり大きいはずです。だとすると、それに要する時間を1%、いや0.1%でも短縮できれば、月間累計では1時間程度にはなるのではないかと思うのです。
そこで、このnoteでは、Wordのショートカット設定や簡単なマクロ、アプリの活用といった小手先のテクニックにより、この月間1時間の捻出にチャレンジしようと思います。
なお、ここに記載しているTipsは、すべて私(@katax)が、実際に日々の実務で利用しているものであり、確かな効果を実感している一方で、ベストなやり方というわけでもない可能性がある(もっと良いやり方があるかもしれない)という点はご了承ください。

最初にやるべきこと

キーアサインの変更

日本語(JIS配列)のキーボードを使っている方は、まずCapsLockキー(「A/ち」キーの左側という一等地にある無意味なキーを、使えるキーに変更しましょう。
CapsLockをCtrlキーにしたい場合に最も手っ取り早いのは、マイクロソフトが提供しているCtrl2Capを使う方法です。
導入方法はこちらのサイトがわかりやすいと思います。

また、CapsLock以外も変更したい場合や、CapsLockをCtrl以外のキーにしたい場合は、以下のような選択肢がありますが、最初はCapsLockをCtrlに変更するだけでも充分で、それ以外は変えたいなと思ったときにやる、でOKです。(その他のキーアサインの変更をしない方は、なぜキーアサインを変更する必要があるのか、までスキップしてください)

  1. これまたMicrosoftが管理しているOSの機能拡張ツールPowerToysのKeyboard Managerを使う方法

    • Pros:

      • 使いやすい

      • FancyZoneやショートカットキーの設定もできるのでこれ一本で解決する幅が広い

    • Cons:

      • CapsLockをこれで入れ替えようとすると機能しないらしい(僕はやっていないのでわからないがそうらしい)

  2. SharpKeysChange Keyなどのレジストリ変更のサポートツールを使う

    • Pros:

      • 動作が安定している

      • 最初に設定すればその後は常駐不要

    • Cons:

      • レジストリをいじるのはなんか怖い

      • フリーウェアなのでそもそも業務用PCでは使えない会社が多い

  3. AutoHotKeyを使う

    • Pros:

      • 設定の自由度が大きい

      • こういう事ができたらいいな、と思うことは、たいてい実現できるほど多機能

    • Cons:

      • 多機能かつ有名なので、セキュリティリスクがあり、それゆえに業務用PCでは使えない会社が多い

      • GUIはないので、コードを手打ちして設定しなければならず、使えるようになるまで覚えるべきことが最も多い

上記のようなツールを使うと、Mac風に無変換キーをCtrlに、CapsLockをAltにすることや、無変換キーをIMEオフに、変換キーをIMEオンにすることで、漢字と英数字が混在するテキストを作りやすくすることも可能になります。

なぜキーアサインを変更する必要があるのか

この後紹介する高速化Tipsは、ショートカットキー(特定の機能を起動する特定のキーの組み合わせ)を多用するので、ショートカットキーの組み合わせの起点になるCtrlやAltは極力押しやすい場所に置いておきたいのですが、なぜか日本語(JIS配列)キーボードでは、Ctrlキーが隅っこに追いやられていて使いづらくなってしまっているので、押しやすい場所に変更してあげる必要があるのです。

なお、契約書作成のためのWord操作の高速化という観点では、上記でも紹介した「無変換キーをCtrlに、CapsLockをAltにする」設定が最もおすすめです。この設定にすると、多くのショートカットキーを、ホームポジションからほぼ手を動かさずに押すことができるようになるからです。(その意味では、契約法務においては、英字(US配列)キーボードより、日本語(JIS配列)キーボードのほうが優れていると思っています。(英字(US配列)キーボードでは、[A/ち]の左は最初からCtrlですが、親指で自然に押せる場所にはスペースキーしかないので)

上記のおすすめ設定は、
2.SharpKeysChange Keyなどのレジストリ変更のサポートツールを使う
3.AutoHotKeyを使う
で実現可能です。

ショートカットキー設定でWordを使いやすくしてみよう

覚えておくべきWordのデフォルトのショートカットキー

Wordに限らず、多くのアプリケーションではCtrl+C/X/Vに、それぞれコピー/切り取り/貼り付けが、Ctrl+Zに直前の操作の取り消し(元に戻す)が、Ctrl+Sに上書き保存が割り当てられています。これらの基本のショートカットキーは多くの方が利用していると思いますが、同様に、その他の機能にも便利なショートカットキーが割り当てられています。

ですが、契約書作成のためのWord操作の高速化という観点で、もっとも優先して覚えなければならないのはCtrl+Alt+[Num+](テンキーの+)です。
このショートカットキーを押した後、リボン上の機能を選択すると、その機能のショートカットキーを設定するダイアログが表示されます。つまり、このショートカットキーを覚えるだけで、リボン上のほとんどの機能について、自分好みのショートカットキーを設定する事ができるようになるのです。

ショートカットキーは、どんなに便利でも、覚えていなければなんの役にもたちません。その意味で、自分がよく使う機能に、自分が覚えやすいようにショートカットキー設定ができるようになることはとても重要です。

また、Ctrl+Alt+[Num+]は、新たにショートカットキーを設定する場合だけでなく、ショートカットキーを忘れてしまった場合にも有用です。リボン上の機能に設定したショートカットキーであれば、設定時と同じ操作で現在のショートカットキーを確認することができるからです。

Ctrl+Alt+[Num+]より重要性はかなり落ちますが、覚えておくと便利なWordのデフォルトショートカットキーを以下に掲載します。これらは無理なく押せるショートカットキー配置になっているので、再設定等をせずにそのまま覚えてしまうことをお勧めします。

ここから先は

12,935字 / 1画像

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?