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【1問1答】法務業務のマニュアル化
マニュアル化すると業務が硬直化しませんか?
いいえ、マニュアル化を進めると、より高頻度に業務の改善・変更が行われるようになります。
その理由の1つ目は、業務がマニュアル化されることにより、複数の人が同じ手順を履践することが可能になる結果、業務の非効率や抜け漏れに気づく機会が増えることです。業務がマニュアル化されていない場合は、特定の人しか当該業務をこなせなかったり、複数のメンバーが対応できる場合も手順が統一されていないことから、複数人の目で手順が検証されることがないため、業務が硬直化しやすいのです。自分が作った手順より、人が作った手順の方が穴を見つけやすいものですからね。
理由の2つ目は、マニュアル化により業務が可視化されることにより、ミスが発生した際にどのステップを改善すれば良いかの特定が容易になり、マニュアルに手が加えられる形で業務改善が進むということです。マニュアルがないと、「次から気をつけよう」でミスに対処してしまいがちになりますからね。
マニュアルにはどんなものがありますか?
マニュアルは、大別すると業務手順を記載した「手順書」、判断基準を明文化した「プレイブック」、確認すべき点を列挙した「チェックリスト」に分けられます。
手順書は、業務効率と業務品質を向上させるためのツールです。
プレイブックは、人による判断のブレを減らすとともに、判断に要する時間を短縮することに寄与します。
チェックリストは、判断精度を上げつつ、判断に要する時間を短縮することができます。
マニュアルを作るのは大変じゃないですか?
最初から完璧なマニュアルを作ろうとすると大変です(しかも、大抵完璧なものにはなりません)
なので、完璧なマニュアルを作ろうとするのはやめておきましょう。
その代わりに、7割の出来で一旦リリースし、次にその業務に対応する時にマニュアルを参照&ブラッシュアップしながら手順を進めることを何度か繰り返して完成度を高めていくことをお勧めします。
マニュアルを読むより、口頭で教えてもらった方が手っ取り早いのでは?
一度教えられただけでそれを身につけられる人はほとんどいません。つまり、通常は同じことを何度も教える必要が生じます。
口伝はマニュアルを読むより早く情報を伝えられることが多いですが、教える方の時間も奪ってしまいます(2倍の工数が発生します)。
口伝で抜け・漏れなく手順やポイントを伝えることは非常に難しいため、手戻りや再質問につながる可能性があります。
といったことに鑑みると、トータルで見ると口頭の方が工数を奪うことになりがちなので、口頭の方が手っ取り早いとは言い切れないと思います。
全ての業務をマニュアル化することはできませんよね?
はい、できません。ただ、業務のかなりの部分はマニュアル化可能なのもまた事実です。
一人法務なのでマニュアル化は不要ですよね?
いいえ、一人法務でも、業務の処理スピードを上げるために、業務品質を安定させるために、また、業務改善の土台とするために、マニュアル化をする必要があります。
むしろ、他社から業務品質の低さを指摘されないという意味では、一人法務の方が必要性は高いとすら言えるかもしれません。
マニュアル化作っても参照してもらえません。どうすれば良いですか?
マニュアルに基づく業務遂行に不慣れなチームだと、マニュアルを作るだけでは参照されない可能性がとても高いです。
マニュアルに基づく業務遂行が当然になるまでは、「マニュアルに沿って処理することを明示的に求める」「マニュアルの記載に基づいて業務改善の指摘をする」「業務引き継ぎを、口頭ではなくマニュアルで行う」といった方法で徹底を図りましょう。
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