9/17夜の散歩「空っぽ」
仕事を定時にあがり、O街へ。
30分程度で用事が済み、ビルの外へ出るとすっかり秋の風になっている。
地下に潜る気になれず、少し歩いてみようかと思う。
本当は早く帰宅してやることがあるのだけれど、
こんな日は少し歩いてあげてもいいではないか。
それがわたしを可愛がってやることだ、という謎の理由。
ああ、いい空気。
やっと散歩の季節になったんだなぁ。
しばらくできていなかった夜のお散歩や寄り道を今夜から再開しよう。
なんとなくの勘でO街の大通りを歩いてみる。
オフィス街だけれど横道へ入るとなんとも惹かれる雰囲気ではないか。
吸い込まれそうになるのを抑えて大通りをひたすらまっすぐ歩く。
自分を責めて責めて責めまくり 自分のことが大嫌いで 変わらなきゃいけないととか 大人にならなきゃとか 本来のわたしとか 誰かと比較したりとか 誰にふさわしくないとか
コンクリートを一歩一歩踏みしめるごとに
全てビルと電線にあずけて
空っぽになりながら 歩く。
涙があふれてくる。
でも、これは哀しいからじゃなくて
ただ空っぽになるために 洗い流してくれているだけなんだ。
途中でゆで太郎を見つけ、立ち止まる。
信号を渡って入ってしまおうかと思ったが
いやいや、家に帰れば最高においしい愛のお肉が待っているのだ。
丼ぶりにして白髪ねぎを乗っけて大口開けてかっこむことを想像すれば
ゆで太郎を忘れることができるのだ。
(でも今度ははいろーっと)
どんどん進む。
マトリックスの中でエージェントスミスが「地球にとって人間は癌だ」みたいなことを言っていたが
わたしはいつも、大事な人にとって自分が癌なのではないかと思ってしまう。
わたしと出会わなければその人の人生は・・・・・。
もしくは
ヤマアラシのジレンマを思う。
しかし考えても詮ないことだ。
出会ってしまったのだから。
心地よい風がそう言っているような気がする。
みるみるいつものわたしに戻してくれる。
NK細胞はどこにあるの?
風が好きだ。
わたしは風の子だっていつも思っている。
生まれ変わったら風になりたい(あれ、ザ・ブームになっちゃった・・・・)
確かSO駅というのがO線にあったはずだからソレに乗って帰ろうと
地下鉄乗り場へいくと
O線のピンクが見当たらない。
路線図を確認する。
ない・・・・。
O線はSO駅ではなくUO駅ではないか・・・・。
しばし路線図を眺める。
そうだった。
C線とO線の「俺たち関わりないもんね」感ったらないんだよ・・・。
仕方なくC線に乗りこむ。
右か左のどちらに乗るか、それが問題だ。
わたしの無意識の思うままに乗ってしまえ。
これにて本日の夜のお散歩終了。
あとは眠ってさらに空っぽになれ。